数学2 面積・接線 問題 92 解説

方針・初手
(1)は、曲線の方程式において $y=0$、$x=0$ とした場合の方程式をそれぞれ解き、共有点の座標を求める。接点と交点の違いに留意してグラフの概形を把握する。 (2)は、曲線 $C$ が直線 $y = mx+n$ と異なる2点 $x = \alpha, \beta$ で接する条件を、差の式が $(x-\alpha)^2(x-\beta)^2$ を因数にもつという恒等式に帰着させ、係数比較を行う。 (3)は、(2)で求めた接点の $x$ 座標を用いて定積分を計算する。その際、面積計算を簡略化するための積分公式を用いる。
解法1
(1) 曲線 $C: y = x^4 - 9x^3 + 27x^2 - 31x + 12$ について、$x$ 軸との共有点の座標は $y=0$ とした方程式の解である。 $P(x) = x^4 - 9x^3 + 27x^2 - 31x + 12$ とおく。 $x=1$ を代入すると、$P(1) = 1 - 9 + 27 - 31 + 12 = 0$ となるため、因数定理より $P(x)$ は $x-1$ を因数にもつ。 組立除法などを用いて因数分解すると、
$$P(x) = (x-1)(x^3 - 8x^2 + 19x - 12)$$
さらに $Q(x) = x^3 - 8x^2 + 19x - 12$ とおくと、$Q(1) = 1 - 8 + 19 - 12 = 0$ となるため、同様に因数分解して、
$$Q(x) = (x-1)(x^2 - 7x + 12) = (x-1)(x-3)(x-4)$$
よって、方程式は
$$(x-1)^2(x-3)(x-4) = 0$$
と変形できる。これを解いて $x = 1, 3, 4$ となる。 したがって、$x$ 軸との共有点の座標は $(1, 0)$,$(3, 0)$,$(4, 0)$ である。 次に、$y$ 軸との共有点の座標は $x=0$ を代入して $y=12$ となるため、$(0, 12)$ である。
グラフの概形について、以上の結果から、曲線 $C$ は $y$ 軸と $(0,12)$ で交わり、$x$ 軸と $(3, 0), (4, 0)$ で交わる。また、$(x-1)^2$ を因数にもつことから、$(1,0)$ で $x$ 軸に接することが分かる。$x^4$ の係数が正であることから、$x \to \pm\infty$ において $y \to \infty$ となるW字型の概形を描く。
(2) 求める直線 $\text{PQ}$ の方程式を $y = mx + n$ とおく。 曲線 $C$ とこの直線は異なる2点 $\text{P}$,$\text{Q}$ で接するので、その接点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とすると、次の恒等式が成り立つ。
$$x^4 - 9x^3 + 27x^2 - 31x + 12 - (mx + n) = (x-\alpha)^2(x-\beta)^2$$
右辺を展開して整理すると、
$$\begin{aligned} (x-\alpha)^2(x-\beta)^2 &= \{x^2 - (\alpha+\beta)x + \alpha\beta\}^2 \\ &= x^4 - 2(\alpha+\beta)x^3 + \{(\alpha+\beta)^2 + 2\alpha\beta\}x^2 - 2\alpha\beta(\alpha+\beta)x + (\alpha\beta)^2 \end{aligned}$$
となる。両辺の係数を比較して、
$$\begin{cases} -9 = -2(\alpha+\beta) \\ 27 = (\alpha+\beta)^2 + 2\alpha\beta \\ -31 - m = -2\alpha\beta(\alpha+\beta) \\ 12 - n = (\alpha\beta)^2 \end{cases}$$
第1式より、$\alpha+\beta = \frac{9}{2}$。 これを第2式に代入して、
$$27 = \left(\frac{9}{2}\right)^2 + 2\alpha\beta \iff 2\alpha\beta = 27 - \frac{81}{4} = \frac{27}{4}$$
よって、$\alpha\beta = \frac{27}{8}$ である。 これらを第3式、第4式に代入すると、
$$\begin{aligned} m &= -31 + 2\alpha\beta(\alpha+\beta) = -31 + 2 \cdot \frac{27}{8} \cdot \frac{9}{2} = -31 + \frac{243}{8} = -\frac{5}{8} \\ n &= 12 - (\alpha\beta)^2 = 12 - \left(\frac{27}{8}\right)^2 = 12 - \frac{729}{64} = \frac{39}{64} \end{aligned}$$
以上より、求める直線 $\text{PQ}$ の方程式は、
$$y = -\frac{5}{8}x + \frac{39}{64}$$
である。(なお、$\alpha, \beta$ は $t^2 - \frac{9}{2}t + \frac{27}{8} = 0 \iff 8t^2 - 36t + 27 = 0$ の解であり、判別式 $D/4 = 18^2 - 8 \cdot 27 = 108 > 0$ より、異なる2つの実数解をもつ条件を満たす。)
(3) 曲線 $C$ と直線 $\text{PQ}$ で囲まれた部分の面積を $S$ とする。 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ において、曲線 $C$ の式から直線 $\text{PQ}$ の式を引いたものは $(x-\alpha)^2(x-\beta)^2 \geqq 0$ となるため、曲線 $C$ が上、直線 $\text{PQ}$ が下である。 よって、面積 $S$ は
$$\begin{aligned} S &= \int_{\alpha}^{\beta} \{(x^4 - 9x^3 + 27x^2 - 31x + 12) - (mx + n)\} \,dx \\ &= \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2(x-\beta)^2 \,dx \end{aligned}$$
ここで、公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2 (\beta-x)^2 \,dx = \frac{1}{30}(\beta-\alpha)^5$ を用いる。 $\alpha, \beta$ の関係式より、
$$(\beta-\alpha)^2 = (\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta = \left(\frac{9}{2}\right)^2 - 4 \cdot \frac{27}{8} = \frac{81}{4} - \frac{27}{2} = \frac{27}{4}$$
$\alpha < \beta$ より $\beta-\alpha = \frac{3\sqrt{3}}{2}$ であるから、
$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{30} \left( \frac{3\sqrt{3}}{2} \right)^5 \\ &= \frac{1}{30} \cdot \frac{243 \cdot 9\sqrt{3}}{32} \\ &= \frac{2187\sqrt{3}}{960} \\ &= \frac{729\sqrt{3}}{320} \end{aligned}$$
解説
4次関数の二重接線およびそれが切り取る面積を求める典型問題である。 (1)では因数定理を用いて方程式を解き、因数の乗数(今回は2乗と1乗)から接する・交わるを判断して概形を捉える力が問われている。 (2)の二重接線の求め方は、接点を文字で置き、恒等式として係数比較する手法が最も計算ミスが少なく簡潔である。 (3)の面積計算では、まともに展開して積分すると計算量が膨大になるため、積分公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2(x-\beta)^2 \,dx = \frac{1}{30}(\beta-\alpha)^5$ を使いこなせることが必須といえる。
答え
(1) $x$ 軸との共有点: $(1, 0), (3, 0), (4, 0)$、$y$ 軸との共有点: $(0, 12)$
(2) $y = -\frac{5}{8}x + \frac{39}{64}$
(3) $\frac{729\sqrt{3}}{320}$
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