数学2 定積分 問題 9 解説

方針・初手
絶対値記号を含む定積分を計算するためには、まず絶対値の中身の符号を調べる必要がある。絶対値の中の2次式を因数分解し、積分区間 $0 \le x \le 2$ における符号の変化を確認する。このとき、パラメータ $a$ の値の範囲が $0 \le a \le 1$ と与えられているため、グラフと $x$ 軸の交点の位置関係が確定し、積分区間を適切に分割することができる。
解法1
絶対値記号の中の式は次のように因数分解できる。
$$x^2 - (a+1)x + a = (x-a)(x-1)$$
$0 \le a \le 1$ であるから、積分区間 $0 \le x \le 2$ における $(x-a)(x-1)$ の符号は以下のようになる。
- $0 \le x \le a$ のとき、$(x-a) \le 0$ かつ $(x-1) \le 0$ より、$(x-a)(x-1) \ge 0$
- $a \le x \le 1$ のとき、$(x-a) \ge 0$ かつ $(x-1) \le 0$ より、$(x-a)(x-1) \le 0$
- $1 \le x \le 2$ のとき、$(x-a) \ge 0$ かつ $(x-1) \ge 0$ より、$(x-a)(x-1) \ge 0$
したがって、積分 $I$ は次のように3つの区間に分割して絶対値を外すことができる。
$$I = \int_0^a (x^2 - (a+1)x + a) dx - \int_a^1 (x^2 - (a+1)x + a) dx + \int_1^2 (x^2 - (a+1)x + a) dx$$
ここで、被積分関数の不定積分の1つを $F(x) = \frac{1}{3}x^3 - \frac{a+1}{2}x^2 + ax$ とおくと、定積分 $I$ は次のように表される。
$$I = \left[ F(x) \right]_0^a - \left[ F(x) \right]_a^1 + \left[ F(x) \right]_1^2$$
$$I = (F(a) - F(0)) - (F(1) - F(a)) + (F(2) - F(1))$$
$$I = 2F(a) - 2F(1) + F(2) - F(0)$$
各値を計算する。
$$F(0) = 0$$
$$\begin{aligned} F(a) &= \frac{1}{3}a^3 - \frac{a+1}{2}a^2 + a^2 \\ &= a^2 \left( \frac{1}{3}a - \frac{a+1}{2} + 1 \right) \\ &= a^2 \left( \frac{2a - 3(a+1) + 6}{6} \right) \\ &= a^2 \left( \frac{-a + 3}{6} \right) \\ &= -\frac{1}{6}a^3 + \frac{1}{2}a^2 \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} F(1) &= \frac{1}{3} - \frac{a+1}{2} + a \\ &= \frac{2 - 3(a+1) + 6a}{6} \\ &= \frac{3a - 1}{6} \\ &= \frac{1}{2}a - \frac{1}{6} \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} F(2) &= \frac{8}{3} - \frac{a+1}{2} \cdot 4 + 2a \\ &= \frac{8}{3} - 2(a+1) + 2a \\ &= \frac{8}{3} - 2a - 2 + 2a \\ &= \frac{2}{3} \end{aligned}$$
これらを $I$ の式に代入する。
$$\begin{aligned} I &= 2\left(-\frac{1}{6}a^3 + \frac{1}{2}a^2\right) - 2\left(\frac{1}{2}a - \frac{1}{6}\right) + \frac{2}{3} - 0 \\ &= -\frac{1}{3}a^3 + a^2 - a + \frac{1}{3} + \frac{2}{3} \\ &= -\frac{1}{3}a^3 + a^2 - a + 1 \end{aligned}$$
解説
絶対値を含む関数の定積分における標準的な問題である。絶対値記号の中身が $0$ になる $x$ の値(本問では $x=a, 1$)を境界として、積分区間を分割して計算する。
本問では $0 \le a \le 1$ という条件が与えられているため、積分区間 $0 \le x \le 2$ の中に $x=a$ と $x=1$ がこの順で並ぶことが確定している。もしこの条件がない場合は、$a$ の値によって積分区間の分割の仕方が変わるため、場合分けが必要となる。
また、定積分の計算において、$\int_a^1 (x-a)(x-1) dx$ の部分にはいわゆる「$\frac{1}{6}$ 公式」を用いることもできるが、他の区間はそのまま計算する必要があるため、本解法のように不定積分 $F(x)$ を一つ求めて代入する形に整理すると、計算の労力を減らし、計算ミスを防ぎやすくなる。
答え
$-\frac{1}{3}a^3 + a^2 - a + 1$
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