数学2 定積分 問題 38 解説

方針・初手
絶対値記号を含む関数の定積分を計算する問題である。積分区間 $0 \leqq x \leqq 2$ において、絶対値の中身である $x^2 - x$ の符号がどのように変化するかを調べ、積分区間を分割して絶対値記号をはずすことから始める。
解法1
被積分関数の絶対値の中身について、符号が変化する境界を調べる。
$$x^2 - x = x(x - 1)$$
であるから、積分区間 $0 \leqq x \leqq 2$ において、式 $x^2 - x$ の符号は以下のようになる。
(i) $0 \leqq x \leqq 1$ のとき
$x^2 - x \leqq 0$ であるから、絶対値記号はマイナスをつけてはずす。
$$|x^2 - x| = -(x^2 - x) = -x^2 + x$$
(ii) $1 \leqq x \leqq 2$ のとき
$x^2 - x \geqq 0$ であるから、絶対値記号はそのままはずす。
$$|x^2 - x| = x^2 - x$$
したがって、求める定積分の値は、積分区間を $0 \leqq x \leqq 1$ と $1 \leqq x \leqq 2$ に分割して計算できる。
$$\begin{aligned} \int_{0}^{2} |x^2 - x| \, dx &= \int_{0}^{1} -(x^2 - x) \, dx + \int_{1}^{2} (x^2 - x) \, dx \\ &= \left[ -\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 \right]_{0}^{1} + \left[ \frac{1}{3}x^3 - \frac{1}{2}x^2 \right]_{1}^{2} \\ &= \left( -\frac{1}{3} + \frac{1}{2} \right) - 0 + \left( \frac{8}{3} - 2 \right) - \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{2} \right) \\ &= \frac{1}{6} + \frac{2}{3} - \left( -\frac{1}{6} \right) \\ &= \frac{1}{6} + \frac{4}{6} + \frac{1}{6} \\ &= 1 \end{aligned}$$
解説
絶対値を含む定積分の最も典型的な問題である。絶対値記号を正しくはずすためには、積分区間内における関数の正負を正確に判定することが不可欠である。
関数 $y = x^2 - x$ のグラフを考えると、下に凸の放物線であり、 $x$ 軸との交点が $x = 0, 1$ であることがわかる。このグラフの概形をイメージすることで、 $0 \leqq x \leqq 1$ の区間でグラフが $x$ 軸の下側にあり(負)、 $1 \leqq x \leqq 2$ の区間で $x$ 軸の上側にある(正)ことが視覚的に捉えられ、符号判定のミスを防ぐことができる。
また、前半の区間の積分 $\int_{0}^{1} -(x^2 - x) \, dx$ については、積分区間の両端が方程式 $x^2 - x = 0$ の解となっているため、定積分公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) \, dx = -\frac{(\beta - \alpha)^3}{6}$ を用いて計算を省略し、直接 $\frac{(1 - 0)^3}{6} = \frac{1}{6}$ と求めることも可能である。
答え
$1$
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