数学3 微分の基本 問題 8 解説

方針・初手
$x=0$ における微分係数 $f'(0)$ は、導関数の公式を使うことができないため、微分係数の定義に従って極限を計算する。その際、$\sin \frac{1}{x}$ の有界性を利用したはさみうちの原理を用いる。
$x \neq 0$ における導関数 $f'(x)$ は、積の微分法や合成関数の微分法を用いて計算し、指定された $x = \frac{1}{2n\pi}$ を代入して値を求める。
解法1
$f'(0)$ について、微分係数の定義より
$$f'(0) = \lim_{x \to 0} \frac{f(x) - f(0)}{x - 0}$$
であるから、与えられた関数を代入して極限を計算する。
$$\begin{aligned} f'(0) &= \lim_{x \to 0} \frac{\left( x + 2x^2 \sin \frac{1}{x} \right) - 0}{x} \\ &= \lim_{x \to 0} \left( 1 + 2x \sin \frac{1}{x} \right) \end{aligned}$$
ここで、すべての実数 $x \neq 0$ に対して $-1 \leqq \sin \frac{1}{x} \leqq 1$ が成り立つ。各辺に $2|x|$ を掛けると
$$-2|x| \leqq 2|x| \sin \frac{1}{x} \leqq 2|x|$$
となる。$\lim_{x \to 0} (-2|x|) = 0$ かつ $\lim_{x \to 0} 2|x| = 0$ であるから、はさみうちの原理により
$$\lim_{x \to 0} 2x \sin \frac{1}{x} = 0$$
となる。したがって、
$$f'(0) = 1 + 0 = 1$$
である。
次に、$x \neq 0$ のときの導関数 $f'(x)$ を求める。積の微分法と合成関数の微分法を用いると、
$$\begin{aligned} f'(x) &= (x)' + \left( 2x^2 \right)' \sin \frac{1}{x} + 2x^2 \left( \sin \frac{1}{x} \right)' \\ &= 1 + 4x \sin \frac{1}{x} + 2x^2 \left( \cos \frac{1}{x} \right) \cdot \left( -\frac{1}{x^2} \right) \\ &= 1 + 4x \sin \frac{1}{x} - 2 \cos \frac{1}{x} \end{aligned}$$
となる。
ここで、$x = \frac{1}{2n\pi}$ ($n$ は $0$ でない整数)を代入する。$\frac{1}{x} = 2n\pi$ であるから、$\sin (2n\pi) = 0$、$\cos (2n\pi) = 1$ となる。これを代入すると、
$$\begin{aligned} f'\left( \frac{1}{2n\pi} \right) &= 1 + 4 \cdot \left(\frac{1}{2n\pi}\right) \sin(2n\pi) - 2 \cos(2n\pi) \\ &= 1 + \frac{2}{n\pi} \cdot 0 - 2 \cdot 1 \\ &= 1 - 2 = -1 \end{aligned}$$
となる。
解説
関数の式が場合分けで定義されており、$x=0$ における微分係数を問う頻出問題である。 公式通りに微分した導関数に $x=0$ を直接代入するのではなく、必ず微分係数の定義式に立ち返ってはさみうちの原理を用いる必要がある。
一方、$x \neq 0$ の範囲では通常の微分公式が適用できる。計算ミスを防ぐため、合成関数の微分により $\left(\frac{1}{x}\right)' = -\frac{1}{x^2}$ が現れることを忘れないように注意したい。計算後は三角関数の性質を用いて簡潔な値に帰着させる。
答え
[ア] $1$
[イ] $-1$
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