数学3 微分の基本 問題 16 解説

方針・初手
底に変数 $x$ を含む対数関数の微分である。底の変換公式を用いて、底を自然対数の底 $e$ にそろえてから微分するのが定石である。あるいは、対数の定義にしたがって変形し、両辺の自然対数をとってから陰関数微分のように処理することもできる。以下では自然対数を $\log$ と表記する。
解法1
関数 $y = \log_x (\log x)$ について、対数の底の条件より $x > 0$ かつ $x \neq 1$ である。また、真数条件より $\log x > 0$ すなわち $x > 1$ である。これらを合わせると、定義域は $x > 1$ となる。
底の変換公式を用いて、対数の底を $e$ に変換すると、
$$y = \frac{\log(\log x)}{\log x}$$
となる。両辺を $x$ で微分すると、商の微分法および合成関数の微分法より、
$$\begin{aligned} y' &= \frac{(\log(\log x))' \cdot \log x - \log(\log x) \cdot (\log x)'}{(\log x)^2} \\ &= \frac{\left( \frac{1}{\log x} \cdot \frac{1}{x} \right) \cdot \log x - \log(\log x) \cdot \frac{1}{x}}{(\log x)^2} \\ &= \frac{\frac{1}{x} - \frac{\log(\log x)}{x}}{(\log x)^2} \\ &= \frac{1 - \log(\log x)}{x (\log x)^2} \end{aligned}$$
解法2
関数 $y = \log_x (\log x)$ は、対数の定義により以下の関係式を満たす。
$$x^y = \log x$$
この両辺の自然対数をとると、
$$y \log x = \log(\log x)$$
となる。この両辺を $x$ について微分すると、左辺は積の微分法、右辺は合成関数の微分法を用いることになり、
$$y' \log x + y \cdot \frac{1}{x} = \frac{1}{\log x} \cdot \frac{1}{x}$$
整理すると、
$$y' \log x = \frac{1}{x \log x} - \frac{y}{x}$$
ここで、$y \log x = \log(\log x)$ より $y = \frac{\log(\log x)}{\log x}$ であるから、これを代入して、
$$\begin{aligned} y' \log x &= \frac{1}{x \log x} - \frac{\log(\log x)}{x \log x} \\ &= \frac{1 - \log(\log x)}{x \log x} \end{aligned}$$
定義域 $x > 1$ において $\log x > 0$ であるため、両辺を $\log x$ で割ることができ、
$$y' = \frac{1 - \log(\log x)}{x (\log x)^2}$$
となる。
解説
底と真数の両方に変数が含まれる関数の微分では、自然対数に底を変換することが基本の手法となる。また、解法2のように、いったん対数の定義に従って累乗の形に戻してから対数微分法を用いるアプローチも、計算の見通しを良くする工夫として有効である。いずれの場合も、微分の計算を進める前に真数条件や底の条件を確認し、定義域を把握しておくことが重要である。
答え
$y' = \frac{1 - \log(\log x)}{x (\log x)^2}$
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