数学3 微分の基本 問題 25 解説

方針・初手
関数 $f(x)$ が $x=0$ で連続であるための条件は、極限値 $\lim_{x \to 0} f(x)$ が存在し、それが関数の値 $f(0)$ と一致することである。
すなわち、
$$\lim_{x \to 0} f(x) = f(0)$$
が成り立つように定数 $A$ を定めればよい。$f(0) = A$ であるから、目標は極限 $\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x^2}$ を計算することに帰着される。
この極限はそのままでは $\frac{0}{0}$ の不定形となるため、三角関数の公式を用いて公式 $\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$ が利用できる形へと式変形を行う。
解法1
関数 $f(x)$ が $x=0$ で連続となる条件は、
$$\lim_{x \to 0} f(x) = f(0)$$
すなわち、
$$\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x^2} = A$$
が成り立つことである。
左辺の極限を計算する。分母と分子に $\cos x + 1$ を掛けると、
$$\begin{aligned} \lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x^2} &= \lim_{x \to 0} \frac{(\cos x - 1)(\cos x + 1)}{x^2(\cos x + 1)} \\ &= \lim_{x \to 0} \frac{\cos^2 x - 1}{x^2(\cos x + 1)} \\ &= \lim_{x \to 0} \frac{-\sin^2 x}{x^2(\cos x + 1)} \\ &= \lim_{x \to 0} \left\{ -\left( \frac{\sin x}{x} \right)^2 \cdot \frac{1}{\cos x + 1} \right\} \end{aligned}$$
ここで、$x \to 0$ のとき $\frac{\sin x}{x} \to 1$ であり、$\cos x \to 1$ であるから、
$$\begin{aligned} \lim_{x \to 0} \left\{ -\left( \frac{\sin x}{x} \right)^2 \cdot \frac{1}{\cos x + 1} \right\} &= -1^2 \cdot \frac{1}{1 + 1} \\ &= -\frac{1}{2} \end{aligned}$$
したがって、求める定数 $A$ の値は $A = -\frac{1}{2}$ である。
解法2
半角の公式($\cos x = 1 - 2\sin^2 \frac{x}{2}$)を用いて分子を変形する。
$$\begin{aligned} \lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x^2} &= \lim_{x \to 0} \frac{-2\sin^2 \frac{x}{2}}{x^2} \\ &= \lim_{x \to 0} -2 \left( \frac{\sin \frac{x}{2}}{x} \right)^2 \\ &= \lim_{x \to 0} -2 \left( \frac{\sin \frac{x}{2}}{2 \cdot \frac{x}{2}} \right)^2 \\ &= \lim_{x \to 0} -\frac{2}{4} \left( \frac{\sin \frac{x}{2}}{\frac{x}{2}} \right)^2 \end{aligned}$$
ここで、$x \to 0$ のとき $\frac{x}{2} \to 0$ であるから、$\lim_{x \to 0} \frac{\sin \frac{x}{2}}{\frac{x}{2}} = 1$ となる。
$$\begin{aligned} \lim_{x \to 0} -\frac{1}{2} \left( \frac{\sin \frac{x}{2}}{\frac{x}{2}} \right)^2 &= -\frac{1}{2} \cdot 1^2 \\ &= -\frac{1}{2} \end{aligned}$$
関数が $x=0$ で連続になるためには、この極限値が $f(0) = A$ と等しくなる必要があるため、$A = -\frac{1}{2}$ である。
解説
関数の連続性の定義と、三角関数の極限の基本公式を組み合わせた典型的な問題である。
関数の連続性の定義は、極限値と関数値が一致することである。この基本事項をしっかり理解しておく必要がある。
極限計算においては、$\cos x - 1$ という形を見たときに、
- 分母分子に $\cos x + 1$ を掛けて $\sin^2 x$ を作り出す
- 半角の公式を用いて $\sin^2 \frac{x}{2}$ を作り出す
のいずれかのアプローチを即座に引き出せるようにしておくことが重要である。どちらの解法も、最終的には公式 $\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$ に帰着させるという目的意識に基づく式変形である。
答え
$$A = -\frac{1}{2}$$
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