数学3 微分の基本 問題 35 解説

方針・初手
(1) は積の導関数の公式を用いて微分し、式全体が $x-1$ を因数にもつことを確認する。 (2) は整式が $(x-1)^2$ で割り切れるための条件を求める問題である。(1) の結果を利用して「$x=1$ を代入して $0$ になり、かつ導関数に $x=1$ を代入して $0$ になる」という条件を用いるか、または因数定理を用いて実際に $x-1$ でくくり出す操作を繰り返す方針が考えられる。
解法1
(1)
与えられた関数は以下の通りである。
$$f(x) = (x-1)^2 Q(x)$$
両辺を $x$ について微分すると、積の微分法より以下のようになる。
$$f'(x) = 2(x-1)Q(x) + (x-1)^2 Q'(x)$$
共通因数である $x-1$ でくくると、次のように変形できる。
$$f'(x) = (x-1)\{2Q(x) + (x-1)Q'(x)\}$$
ここで、$Q(x)$ は整式であるから、その導関数 $Q'(x)$ も整式である。 よって、波かっこ内の $2Q(x) + (x-1)Q'(x)$ も整式となるため、$f'(x)$ は $x-1$ で割り切れる。(証明終)
(2)
$g(x) = ax^{n+1} + bx^n + 1$ が $(x-1)^2$ で割り切れるとする。 このとき、ある整式 $P(x)$ を用いて次のように表すことができる。
$$g(x) = (x-1)^2 P(x)$$
これに $x=1$ を代入すると、以下の式が成り立つ。
$$g(1) = 0$$
一方、(1) で示した通り、$g(x)$ が $(x-1)^2$ を因数にもつならば、その導関数 $g'(x)$ は $x-1$ で割り切れる。 したがって、$g'(x)$ はある整式 $R(x)$ を用いて $g'(x) = (x-1)R(x)$ と表せるので、以下が成り立つ。
$$g'(1) = 0$$
逆に $g(1)=0$ かつ $g'(1)=0$ を満たすとき、$g(x)$ を $(x-1)^2$ で割った商を $S(x)$、余りを $cx+d$ とおくと、
$$g(x) = (x-1)^2 S(x) + cx + d$$
$g(1)=0$ より $c+d=0$ となり、両辺を微分して $x=1$ を代入すると $g'(1)=c=0$ となる。 これより $c=0, d=0$ となるため、$g(1)=0$ かつ $g'(1)=0$ は $g(x)$ が $(x-1)^2$ で割り切れるための必要十分条件である。
与えられた $g(x)$ に $x=1$ を代入すると、
$$g(1) = a + b + 1 = 0$$
また、$g(x)$ を微分すると、
$$g'(x) = a(n+1)x^n + bnx^{n-1}$$
これに $x=1$ を代入すると、
$$g'(1) = a(n+1) + bn = 0$$
これら2つの式を連立して解く。$g(1)=0$ の式より、
$$b = -a - 1$$
これを $g'(1)=0$ の式に代入すると、
$$a(n+1) + (-a-1)n = 0$$
$$an + a - an - n = 0$$
$$a = n$$
これを $b = -a - 1$ に代入して、
$$b = -n - 1$$
解法2
(2)の別解(因数分解を用いる方法)
$g(x) = ax^{n+1} + bx^n + 1$ が $(x-1)^2$ で割り切れるとする。 まず、$g(x)$ は $x-1$ で割り切れるので、因数定理より $g(1) = 0$ である。
$$a + b + 1 = 0$$
ゆえに、$b = -a - 1$ である。 これを $g(x)$ の式に代入し、因数分解を行う。
$$g(x) = ax^{n+1} - (a+1)x^n + 1$$
$$= a(x^{n+1} - x^n) - (x^n - 1)$$
$$= ax^n(x - 1) - (x - 1)(x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1)$$
$$= (x - 1) \{ ax^n - (x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1) \}$$
$g(x)$ が $(x-1)^2$ で割り切れるための条件は、上の式の右辺の中かっこ内の整式がさらに $x-1$ で割り切れることである。 中かっこ内の整式を $h(x)$ とおく。
$$h(x) = ax^n - (x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1)$$
$h(x)$ が $x-1$ で割り切れるので、因数定理より $h(1) = 0$ である。 ここで、かっこ内の項の数は $n$ 個であるから、
$$h(1) = a \cdot 1^n - (\underbrace{1 + 1 + \cdots + 1}_{n\text{個}}) = a - n = 0$$
よって、$a = n$ となる。 先ほど求めた $b = -a - 1$ に代入して、
$$b = -n - 1$$
解説
整式が $(x-\alpha)^2$ で割り切れる条件を扱う問題である。 一般に、整式 $P(x)$ が $(x-\alpha)^2$ で割り切れるための必要十分条件は「$P(\alpha)=0$ かつ $P'(\alpha)=0$」であり、(1) はその証明の誘導となっている。 解法1のように微分を用いると、次数が $n$ のように文字であっても計算が非常に簡潔に進む。 一方、解法2のように、実際に $x-1$ で1回くくり出し、残りの部分がさらに $x-1$ で割り切れる(すなわち $x=1$ を代入して $0$ になる)条件を用いる方法も、数学IIの範囲でよく用いられる有力な手法である。 $x^n - 1 = (x-1)(x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1)$ の因数分解は頻出なので確実に押さえておきたい。
答え
(1) 略(解法1参照)
(2) $a = n, \quad b = -n - 1$
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