数学3 微分の基本 問題 43 解説

方針・初手
$y = f(x)^{g(x)}$ の形をした関数の微分である。底と指数の両方に変数 $x$ が含まれるため、そのままでは微分公式を適用しにくい。このような場合は、両辺の自然対数をとってから $x$ で微分する「対数微分法」を用いるか、自然対数の底 $e$ を用いて $y = e^{g(x) \log f(x)}$ と変形してから微分するのが基本である。
解法1
$x > 0$ より $\frac{2}{x} > 0$ であるから、$y > 0$ である。 与式の両辺の自然対数をとると、
$$\log y = \log \left(\frac{2}{x}\right)^x$$
対数の性質を用いて右辺を変形すると、
$$\log y = x \log \frac{2}{x} = x (\log 2 - \log x)$$
この両辺を $x$ について微分する。左辺は合成関数の微分法により $\frac{d}{dx}(\log y) = \frac{1}{y} \cdot \frac{dy}{dx}$ となる。積の微分法を用いると、
$$\begin{aligned} \frac{1}{y} \frac{dy}{dx} &= (x)' (\log 2 - \log x) + x (\log 2 - \log x)' \\ &= 1 \cdot (\log 2 - \log x) + x \left( 0 - \frac{1}{x} \right) \\ &= \log 2 - \log x - 1 \end{aligned}$$
両辺に $y = \left(\frac{2}{x}\right)^x$ を掛けて、
$$\frac{dy}{dx} = \left(\frac{2}{x}\right)^x (\log 2 - \log x - 1)$$
解法2
$a^b = e^{b \log a}$ ($a > 0$)の関係を利用する。 $x > 0$ より $\frac{2}{x} > 0$ であるから、
$$y = \left(\frac{2}{x}\right)^x = e^{\log \left(\frac{2}{x}\right)^x} = e^{x (\log 2 - \log x)}$$
と変形できる。合成関数の微分法を用いると、
$$\begin{aligned} \frac{dy}{dx} &= e^{x (\log 2 - \log x)} \cdot \frac{d}{dx} \{ x (\log 2 - \log x) \} \\ &= \left(\frac{2}{x}\right)^x \left\{ 1 \cdot (\log 2 - \log x) + x \cdot \left( -\frac{1}{x} \right) \right\} \\ &= \left(\frac{2}{x}\right)^x (\log 2 - \log x - 1) \end{aligned}$$
解説
底と指数の両方に変数が含まれる関数 $y = f(x)^{g(x)}$ の微分は、対数微分法が有効である。対数をとる前に、真数条件である「$y > 0$」を確認する記述を忘れないようにしたい(本問では $x > 0$ という条件から明らかである)。
また、$\log \left(\frac{2}{x}\right)$ のまま合成関数の微分法を用いて $\frac{1}{2/x} \cdot \left(-\frac{2}{x^2}\right)$ と計算してもよいが、$\log 2 - \log x$ と対数の性質を用いて分解してから微分した方が計算ミスを減らしやすい。
解法2のように $e$ の指数部分に乗せてしまう方法は、対数微分法と本質的に同じ計算を行っているが、式の変形だけで導出できるため、記述を簡潔にできるメリットがある。
答え
$$\frac{dy}{dx} = \left(\frac{2}{x}\right)^x (\log 2 - \log x - 1)$$
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