数学3 微分の基本 問題 49 解説

方針・初手
関数方程式の問題である。まずは与えられた恒等式に $x=0, y=0$ などの具体的な値を代入し、$f(0), g(0)$ の値を求める。続いて導関数の定義式に従って極限を計算し、微分の関係式を導く。
解法1
(1)
与えられた等式①、②は以下の通りである。
$$f(x+y) = f(x)f(y) - g(x)g(y) \cdots \text{①}$$
$$g(x+y) = f(x)g(y) + f(y)g(x) \cdots \text{②}$$
①に $x=0, y=0$ を代入すると、
$$f(0) = f(0)^2 - g(0)^2 \cdots \text{③}$$
②に $x=0, y=0$ を代入すると、
$$g(0) = f(0)g(0) + f(0)g(0)$$
$$g(0) = 2f(0)g(0)$$
これを変形して、
$$g(0)\{1 - 2f(0)\} = 0$$
これより、$g(0) = 0$ または $f(0) = \frac{1}{2}$ となる。
(i) $g(0) = 0$ のとき
③に代入すると、
$$f(0) = f(0)^2$$
$$f(0)\{1 - f(0)\} = 0$$
よって、$f(0) = 0, 1$ である。 ここで、問題の条件 $f(0)^2 + g(0)^2 > 0$ を考慮すると、$f(0) = 0$ は不適である。 したがって、$f(0) = 1$ となる。 このとき $f(0)=1, g(0)=0$ であり、$f(0)^2 + g(0)^2 = 1 > 0$ を満たす。
(ii) $f(0) = \frac{1}{2}$ のとき
③に代入すると、
$$\frac{1}{2} = \frac{1}{4} - g(0)^2$$
$$g(0)^2 = -\frac{1}{4}$$
$g(x)$ は実数値関数であるため、$g(0)$ も実数であり、$g(0)^2 \ge 0$ となるはずであるが、これは矛盾する。 よって、この場合は不適である。
以上より、$f(0) = 1, g(0) = 0$ である。
(2)
導関数の定義に従い、計算を進める。
$$\frac{f(x+y)-f(x)}{y} = \frac{f(x)f(y) - g(x)g(y) - f(x)}{y} = \frac{f(y)-1}{y}f(x) - \frac{g(y)}{y}g(x)$$
$$\frac{g(x+y)-g(x)}{y} = \frac{f(x)g(y) + f(y)g(x) - g(x)}{y} = \frac{g(y)}{y}f(x) + \frac{f(y)-1}{y}g(x)$$
これにより、[ サ ] は $\frac{f(y)-1}{y}$、[ シ ] は $\frac{g(y)}{y}$ である。
また、$x=0$ での微分係数は定義より、
$$f'(0) = \lim_{y \to 0} \frac{f(y)-f(0)}{y} = \lim_{y \to 0} \frac{f(y)-1}{y} = 2$$
$$g'(0) = \lim_{y \to 0} \frac{g(y)-g(0)}{y} = \lim_{y \to 0} \frac{g(y)}{y} = 1$$
したがって、$f(x)$ と $g(x)$ の導関数は、
$$f'(x) = \lim_{y \to 0} \left\{ \frac{f(y)-1}{y}f(x) - \frac{g(y)}{y}g(x) \right\} = 2f(x) - g(x)$$
$$g'(x) = \lim_{y \to 0} \left\{ \frac{g(y)}{y}f(x) + \frac{f(y)-1}{y}g(x) \right\} = f(x) + 2g(x)$$
これらが [ ス ], [ セ ] となる。
次に、$F(x) = \log\{f(x)^2 + g(x)^2\}$ の導関数を計算する。合成関数の微分法を用いると、
$$F'(x) = \frac{2f(x)f'(x) + 2g(x)g'(x)}{f(x)^2 + g(x)^2}$$
分子に先ほど求めた $f'(x), g'(x)$ を代入する。
$$2f(x)\{2f(x) - g(x)\} + 2g(x)\{f(x) + 2g(x)\} = 4f(x)^2 - 2f(x)g(x) + 2f(x)g(x) + 4g(x)^2 = 4\{f(x)^2 + g(x)^2\}$$
よって、$F'(x)$ は次のように定数となる。
$$F'(x) = \frac{4\{f(x)^2 + g(x)^2\}}{f(x)^2 + g(x)^2} = 4$$
これが [ ソ ] である。
$F'(x) = 4$ より、両辺を積分すると、積分定数 $C$ を用いて
$$F(x) = 4x + C$$
と表せる。(1)の結果 $f(0)=1, g(0)=0$ より、
$$F(0) = \log\{f(0)^2 + g(0)^2\} = \log(1^2 + 0^2) = \log 1 = 0$$
したがって、$4 \cdot 0 + C = 0$ より $C=0$ となる。ゆえに、
$$F(x) = 4x$$
これが [ タ ] である。
最後に、$F(x) = \log\{f(x)^2 + g(x)^2\} = 4x$ より、対数の定義から
$$f(x)^2 + g(x)^2 = e^{4x}$$
これが [ チ ] である。
解説
関数方程式から導関数を求める典型的な問題である。加法定理の形から、関数 $f(x)$ と $g(x)$ がそれぞれ $e^{2x}\cos x, e^{2x}\sin x$ のような三角関数と指数関数の積で表される関数であることが背景にある。関数方程式の扱い方や、微分係数の定義 $\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$ を用いて導関数を構成する一連の手順は、微分法の分野で非常に重要である。また、導関数が定数であることを利用して、元の関数を積分によって求める手法もよく現れる。
答え
[ コ ] $f(0) = 1, g(0) = 0$
[ サ ] $\frac{f(y)-1}{y}$
[ シ ] $\frac{g(y)}{y}$
[ ス ] $2f(x) - g(x)$
[ セ ] $f(x) + 2g(x)$
[ ソ ] $4$
[ タ ] $4x$
[ チ ] $e^{4x}$
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