数学3 グラフ・増減・極値 問題 16 解説

方針・初手
与えられた極値や極限、特定の点の座標などの条件から、関数 $f(x)$ の増減表を作成し、グラフの概形を把握する。微分積分学の基本定理を用いて $F(x)$ の導関数や第2次導関数を $f(x)$ や $f'(x)$ で表し、$F(x)$ の増減と凹凸を調べることで概形を描く。
解法1
(1)
条件より、$f(x)$ の極値をとる $x$ の値とそのときの関数値は以下の通りである。
極大値をとる点: $\left( \frac{1}{4}, \frac{2}{3} \right), \left( \frac{3}{4}, 1 \right)$
極小値をとる点: $\left( \frac{1}{2}, -\frac{1}{6} \right)$
その他の $x$ では極値をとらないため、$f'(x)$ の符号の変化はこれらの点でのみ起こる。また、極限の条件 $\lim_{x\to-\infty} f(x) = 0, \lim_{x\to\infty} f(x) = 0$ と、特定の点の条件 $f(0) = \frac{1}{3}, f(1) = \frac{1}{3}$ が与えられている。
これらをまとめて $y=f(x)$ の増減表を作成すると、以下のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $\frac{1}{4}$ | $\cdots$ | $\frac{1}{2}$ | $\cdots$ | $\frac{3}{4}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $\frac{2}{3}$ | $\searrow$ | $-\frac{1}{6}$ | $\nearrow$ | $1$ | $\searrow$ |
$x \to \pm\infty$ のとき $f(x) \to 0$ であるから、$x$ 軸が漸近線となる。 点 $(0, \frac{1}{3})$ を通り増加して $x=\frac{1}{4}$ で極大値 $\frac{2}{3}$ をとり、減少に転じて $x=\frac{1}{2}$ で極小値 $-\frac{1}{6}$ をとる。この過程で $x$ 軸と交わる。 その後増加して $x=\frac{3}{4}$ で極大値 $1$ をとり、この過程でも $x$ 軸と交わる。そこから減少し点 $(1, \frac{1}{3})$ を通過し、漸近線 $y=0$ に近づいていく。
グラフの概形は、これらの点と滑らかな曲線で結び、両端で $x$ 軸に近づくような曲線を描けばよい。
(2)
$$F(x) = \int_0^x f(t) dt$$
の両辺を $x$ で微分すると、
$$F'(x) = f(x)$$
となる。また、さらにもう一度微分すると、
$$F''(x) = f'(x)$$
となる。したがって、$F(x)$ の増減は $f(x)$ の符号により決まり、$F(x)$ の凹凸は $f'(x)$ の符号(すなわち $f(x)$ の増減)により決まる。
$0 \leqq x \leqq 1$ の範囲における $f(x)$ の符号を考える。 (1) の結果より、$f(0) = \frac{1}{3} > 0, f\left(\frac{1}{4}\right) = \frac{2}{3} > 0, f\left(\frac{1}{2}\right) = -\frac{1}{6} < 0$ であり、$f(x)$ は連続であるから中間値の定理より、$\frac{1}{4} < x < \frac{1}{2}$ の範囲に $f(\alpha) = 0$ となる $\alpha$ がただ1つ存在する。 同様に、$f\left(\frac{1}{2}\right) = -\frac{1}{6} < 0, f\left(\frac{3}{4}\right) = 1 > 0$ であるから、$\frac{1}{2} < x < \frac{3}{4}$ の範囲に $f(\beta) = 0$ となる $\beta$ がただ1つ存在する。 $\frac{3}{4} < x \leqq 1$ の範囲では $f(x) > 0$ である。
また、$F(0) = 0$ である。
これらをもとに、$0 \leqq x \leqq 1$ における $F(x)$ の増減と凹凸の表を作成する。
| $x$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{1}{4}$ | $\cdots$ | $\alpha$ | $\cdots$ | $\frac{1}{2}$ | $\cdots$ | $\beta$ | $\cdots$ | $\frac{3}{4}$ | $\cdots$ | $1$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $F'(x)=f(x)$ | $+$ | $+$ | $+$ | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ | $-$ | $0$ | $+$ | $+$ | $+$ | $+$ |
| $F''(x)=f'(x)$ | $+$ | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ | $-$ | $0$ | $+$ | $+$ | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ |
| $F(x)$ | $0$ | 下に凸増 | 変曲点 | 上に凸増 | 極大 | 上に凸減 | 変曲点 | 下に凸減 | 極小 | 下に凸増 | 変曲点 | 上に凸増 |
グラフは原点 $(0, 0)$ から出発し、下に凸の増加で始まり、$x=\frac{1}{4}$ で上に凸の増加に変わり(変曲点)、$x=\alpha$ で極大値をとる。その後上に凸の減少となり、$x=\frac{1}{2}$ で下に凸の減少に変わり(変曲点)、$x=\beta$ で極小値をとる。その後下に凸の増加となり、$x=\frac{3}{4}$ で上に凸の増加に変わり(変曲点)、$x=1$ に至る。
(3)
(2) より、$F''(x) = f'(x)$ である。 関数 $f(x)$ は $x = \frac{1}{4}$ で極大値をとるため、$f'(x)$ は連続であり、極値をとる点での微分係数は $0$ である。
$$f'\left(\frac{1}{4}\right) = 0$$
したがって、求める値は、
$$F''\left(\frac{1}{4}\right) = f'\left(\frac{1}{4}\right) = 0$$
解説
関数の増減と極値、定積分で表された関数の微分、凹凸と変曲点といった、数学IIIの微積分における基本的な概念の理解を問う問題である。 (1) では、具体的な関数式が与えられていなくても、極値や極限といった局所的・大局的な情報から増減表を作成し、グラフの概形を描く力が求められる。 (2) では、$F(x)$ の導関数が $f(x)$、第2次導関数が $f'(x)$ となることを利用し、$F(x)$ の極値の存在範囲($\alpha, \beta$)と変曲点の位置を特定して増減・凹凸表を作成することが重要である。定積分された関数のグラフを描く際、被積分関数のグラフから直感的に面積の増減として捉える視点も有効である。 (3) は (2) までの考察ができていれば瞬時に答えられる問題であり、記述を確実に満点に繋げたい。
答え
(1) 点 $(0, \frac{1}{3})$ を通り、$x=\frac{1}{4}$ で極大値 $\frac{2}{3}$、$x=\frac{1}{2}$ で極小値 $-\frac{1}{6}$、$x=\frac{3}{4}$ で極大値 $1$ をとり、点 $(1, \frac{1}{3})$ を通る。$x$ 軸を漸近線とする滑らかな曲線となる。(概形は解答の増減表をもとに描画する)
(2) 原点 $(0,0)$ から出発し、$x=\frac{1}{4}$ が変曲点(下に凸から上に凸)、$\frac{1}{4}<x<\frac{1}{2}$ の範囲に極大値、$x=\frac{1}{2}$ が変曲点(上に凸から下に凸)、$\frac{1}{2}<x<\frac{3}{4}$ の範囲に極小値、$x=\frac{3}{4}$ が変曲点(下に凸から上に凸)となる滑らかな曲線となる。(概形は解答の凹凸表をもとに描画する)
(3)
$$0$$
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