トップ 基礎問題 数学3 微分法 グラフ・増減・極値 問題 26

数学3 グラフ・増減・極値 問題 26 解説

数学3 グラフ・増減・極値 問題 26 解説

方針・初手

(1) 分数関数の極限が存在する条件を考える。分母が $0$ に収束するとき、分子も $0$ に収束することが必要条件となる。ここから $l, m, n$ の満たすべき関係式を導く。

(2) $f(x)$ を微分して導関数 $f'(x)$ を求め、$x > -1$ の範囲で $f'(x)$ が符号変化を起こす条件を考える。分母は常に正であるため、分子の二次関数のグラフの軸と端点の値に着目する。

解法1

(1)

$\lim_{x \to -1} (x+1) = 0$ であるから、極限値 $\lim_{x \to -1} \frac{lx^2 + mx + n}{x+1}$ が存在するためには、次が成り立つことが必要である。

$$\lim_{x \to -1} (lx^2 + mx + n) = 0$$

これを解くと、$l - m + n = 0$ すなわち $m = l + n$ を得る。 逆に $m = l + n$ のとき、分子は次のように因数分解できる。

$$lx^2 + (l + n)x + n = (lx + n)(x + 1)$$

したがって、極限値は次のように存在し、十分性も満たされる。

$$\lim_{x \to -1} \frac{(lx + n)(x + 1)}{x+1} = \lim_{x \to -1} (lx + n) = -l + n$$

よって求める条件は $m = l + n$ である。

さいころの目は $l, m, n \in \{1, 2, 3, 4, 5, 6\}$ であるから、この条件を満たす組 $(l, m, n)$ を数える。 $l \geqq 1, n \geqq 1$ より $m = l + n \geqq 2$ となるため、$m$ の値によって場合分けを行う。

(i) $m=2$ のとき

$l+n=2$ より、$(l, n) = (1, 1)$ の $1$ 通り。

(ii) $m=3$ のとき

$l+n=3$ より、$(l, n) = (1, 2), (2, 1)$ の $2$ 通り。

(iii) $m=4$ のとき

$l+n=4$ より、$(l, n) = (1, 3), (2, 2), (3, 1)$ の $3$ 通り。

(iv) $m=5$ のとき

$l+n=5$ より、$(l, n) = (1, 4), (2, 3), (3, 2), (4, 1)$ の $4$ 通り。

(v) $m=6$ のとき

$l+n=6$ より、$(l, n) = (1, 5), (2, 4), (3, 3), (4, 2), (5, 1)$ の $5$ 通り。

以上より、条件を満たす組は合計 $1+2+3+4+5 = 15$ 通りである。 すべての目の出方は $6^3 = 216$ 通りであるから、求める確率は次のようになる。

$$\frac{15}{216} = \frac{5}{72}$$

(2)

関数 $f(x) = \frac{lx^2 + mx + n}{x+1}$ を微分する。

$$\begin{aligned} f'(x) &= \frac{(2lx + m)(x + 1) - (lx^2 + mx + n) \cdot 1}{(x + 1)^2} \\ &= \frac{lx^2 + 2lx + m - n}{(x + 1)^2} \end{aligned}$$

$f(x)$ が $x > -1$ の範囲で極値をもつための条件は、$x > -1$ において $f'(x)$ が符号を変えることである。 $x > -1$ のとき、分母は $(x + 1)^2 > 0$ であるため、$f'(x)$ の符号は分子の符号と一致する。 分子を $g(x) = lx^2 + 2lx + m - n$ とおくと、

$$g(x) = l(x+1)^2 - l + m - n$$

$y=g(x)$ のグラフは、$x = -1$ を軸とする下に凸($l > 0$より)の放物線である。 したがって、$g(x)$ は $x > -1$ の範囲で単調に増加する。 この区間で $g(x)$ が符号を変える(負から正へ変わる)ための必要十分条件は、端点 $x = -1$ における値が負であることである。

$$g(-1) < 0$$

これを計算すると、

$$-l + m - n < 0 \iff m < l + n$$

となる。これが求める条件である。 ここで、事象 $A$ を「$m > l + n$」、事象 $B$ を「$m = l + n$」とすると、求める事象はこれらの余事象である。 事象 $A$ となる組 $(l, m, n)$ の個数を数える。 $l \geqq 1, n \geqq 1$ より $l+n \geqq 2$ であり、$m > l+n$ を満たすためには $m \geqq 3$ である必要がある。

(ア) $m=3$ のとき

$l+n < 3$ より、$l+n=2$ となる $(l, n) = (1, 1)$ の $1$ 通り。

(イ) $m=4$ のとき

$l+n < 4$ より、$l+n=2, 3$ となる $(l, n)$ はそれぞれ $1, 2$ 通りであり、合計 $3$ 通り。

(ウ) $m=5$ のとき

$l+n < 5$ より、$l+n=2, 3, 4$ となる $(l, n)$ はそれぞれ $1, 2, 3$ 通りであり、合計 $6$ 通り。

(エ) $m=6$ のとき

$l+n < 6$ より、$l+n=2, 3, 4, 5$ となる $(l, n)$ はそれぞれ $1, 2, 3, 4$ 通りであり、合計 $10$ 通り。

したがって、事象 $A$ となる組は合計 $1+3+6+10 = 20$ 通りである。 また、(1) で求めた通り、事象 $B$ となる組は $15$ 通りである。 全事象は $216$ 通りであるから、$m < l + n$ を満たす組の個数は次のようになる。

$$216 - (20 + 15) = 181$$

ゆえに、求める確率は次の通りである。

$$\frac{181}{216}$$

解説

(1) は分数関数の極限における基本的な考え方を問う問題である。$\lim_{x \to \alpha} \frac{p(x)}{q(x)}$ が存在し、かつ $\lim_{x \to \alpha} q(x) = 0$ であるならば、$\lim_{x \to \alpha} p(x) = 0$ でなければならないという性質を用いる。必要条件として $m = l + n$ を導いた後、十分性の確認(約分して極限が存在することの言及)を忘れないようにしたい。

(2) は微分法の応用と、二次関数のグラフを用いた解の配置問題の融合である。分母が常に正であることを利用し、分子の二次関数 $g(x)$ の振る舞いに帰着させるのが定石である。軸が区間の端点 $x = -1$ と一致しているため、$x > -1$ では単調増加であることが分かり、$g(-1) < 0$ というシンプルな条件に落とし込める。 確率の計算においては、$m < l + n$ を直接数え上げることも可能だが、不等号の向きが逆の事象や等号の事象の方が数えやすいため、余事象を利用して計算量を減らす工夫が有効である。

答え

(1) $\frac{5}{72}$

(2) $\frac{181}{216}$

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