数学3 グラフ・増減・極値 問題 31 解説

方針・初手
変数 $x$ が底と指数の両方に含まれる関数の微分は、対数微分法を用いるのが定石である。極限の計算については、問題文で与えられている極限値 $\lim_{x\to\infty} \frac{\log x}{x} = 0$ を活用できるように、適切に変形を行う。グラフの概形は、増減表による極値の把握と、両端($x=0$ および $x \to \infty$)での振る舞いから判断する。
解法1
(1)
$x \geqq 0$ のとき $x+1 \geqq 1$ であるから、$f(x) = (x+1)^{\frac{1}{x+1}} > 0$ である。 $y = f(x)$ とおき、両辺の自然対数をとると、
$$\log y = \frac{1}{x+1}\log(x+1)$$
両辺を $x$ で微分すると、
$$\frac{y'}{y} = -\frac{1}{(x+1)^2}\log(x+1) + \frac{1}{x+1} \cdot \frac{1}{x+1}$$
$$\frac{y'}{y} = \frac{1 - \log(x+1)}{(x+1)^2}$$
$$y' = f(x)\frac{1 - \log(x+1)}{(x+1)^2}$$
したがって、導関数は以下のようになる。
$$f'(x) = f(x)\frac{1 - \log(x+1)}{(x+1)^2}$$
$f'(x) = 0$ とすると、$f(x) > 0$ かつ $(x+1)^2 > 0$ であるから、
$$1 - \log(x+1) = 0$$
$$\log(x+1) = 1$$
$$x+1 = e$$
$$x = e - 1$$
$x \geqq 0$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $0$ | $\cdots$ | $e-1$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $f(x)$ | $1$ | $\nearrow$ | $e^{\frac{1}{e}}$ | $\searrow$ |
増減表より、$f(x)$ は $x = e - 1$ のとき最大値をとる。
$$f(e-1) = e^{\frac{1}{e}}$$
(2)
まず $\lim_{x\to\infty} f(x)$ を求める。
$$\lim_{x\to\infty} \log f(x) = \lim_{x\to\infty} \frac{\log(x+1)}{x+1}$$
$t = x+1$ とおくと、$x \to \infty$ のとき $t \to \infty$ であり、問題文で与えられた条件 $\lim_{x\to\infty} \frac{\log x}{x} = 0$ を用いると、
$$\lim_{x\to\infty} \log f(x) = \lim_{t\to\infty} \frac{\log t}{t} = 0$$
$\log f(x) \to 0$ のとき $f(x) \to e^0 = 1$ であるから、
$$\lim_{x\to\infty} f(x) = 1$$
次に $\lim_{x\to\infty} f'(x)$ を求める。
$$\lim_{x\to\infty} f'(x) = \lim_{x\to\infty} \left\{ f(x) \cdot \frac{1 - \log(x+1)}{(x+1)^2} \right\}$$
ここで、
$$\lim_{x\to\infty} \frac{\log(x+1)}{(x+1)^2} = \lim_{t\to\infty} \frac{\log t}{t^2} = \lim_{t\to\infty} \left( \frac{\log t}{t} \cdot \frac{1}{t} \right) = 0 \cdot 0 = 0$$
また、
$$\lim_{x\to\infty} \frac{1}{(x+1)^2} = 0$$
したがって、
$$\lim_{x\to\infty} \frac{1 - \log(x+1)}{(x+1)^2} = 0$$
これと $\lim_{x\to\infty} f(x) = 1$ より、
$$\lim_{x\to\infty} f'(x) = 1 \cdot 0 = 0$$
(3)
(1)、(2) の結果から、グラフの概形を描くための特徴は以下の通りである。
- 端点: $(0, 1)$
- 端点における接線の傾き: $f'(0) = 1 \cdot \frac{1-\log 1}{1^2} = 1$
- 最大値: $x = e-1$ のとき $y = e^{\frac{1}{e}}$
- 漸近線: $y = 1$($x \to \infty$ のとき、上から $y=1$ に近づき、その際の接線の傾きは $0$ に近づく)
これらの情報をもとに、点 $(0, 1)$ を傾き $1$ で出発し、点 $(e-1, e^{\frac{1}{e}})$ で滑らかに右下がりへ転じ、その後は単調に減少しながら直線 $y=1$ に漸近していく曲線を描けばよい。
解説
$y = x^{\frac{1}{x}}$ 型の関数の微分や極限は、難関大学で頻出のテーマである。対数微分法を用いることで、見慣れた $\frac{\log x}{x}$ の形を作り出すことができるのが最大のポイントである。本問は $(x+1)$ となっているが、$t=x+1$ と置換することで基本形に帰着できる。導関数の極限を求める際も、与えられた極限の式をそのまま使えるように $\frac{\log t}{t^2} = \frac{\log t}{t} \cdot \frac{1}{t}$ と分解する工夫が必要である。
答え
(1)
最大値は $e^{\frac{1}{e}}$
(2)
$\lim_{x\to\infty} f(x) = 1$
$\lim_{x\to\infty} f'(x) = 0$
(3)
点 $(0, 1)$ から出発し、点 $(e-1, e^{\frac{1}{e}})$ で最大値をとり、その後は直線 $y=1$ に上から近づいていく曲線。(詳細は解法1の(3)を参照)
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