数学3 応用 問題 16 解説

方針・初手
$z$軸周りの回転体の体積を定積分によって求めます。また、水面の上昇する速さや半径が増大する速さを求めるためには、体積 $V$、水面の高さ $h$、水面の半径 $r$ を時刻 $t$ の関数とみなし、合成関数の微分法(連鎖律)を用いて変化率を計算します。
解法1
容器は、曲線 $z = x^2 - 1$ ($1 \leqq x \leqq 3$) および $z=0$ ($0 \leqq x \leqq 1$) を $z$軸の周りに回転させたものです。 深さ $z$ における水面の半径 $r$ は $x$ に等しく、$z \geqq 0$ の範囲において $z = r^2 - 1$ すなわち $r^2 = z + 1$ が成り立ちます。 深さ $z$ における水面の断面積 $S(z)$ は、
$$S(z) = \pi r^2 = \pi(z + 1)$$
となります。 水面の高さを $h$ としたとき、容器内の水の体積 $V(h)$ は、
$$V(h) = \int_{0}^{h} S(z) dz = \int_{0}^{h} \pi(z + 1) dz = \pi \left[ \frac{1}{2}z^2 + z \right]_{0}^{h} = \pi \left( \frac{1}{2}h^2 + h \right)$$
と表せます。
(1) 容器の縁の高さは、$x=3$ のときの $z$ の値であるから、$z = 3^2 - 1 = 8$ です。 容器がいっぱいになるときの水の体積は $V(8)$ であるため、
$$V(8) = \pi \left( \frac{1}{2} \cdot 8^2 + 8 \right) = \pi(32 + 8) = 40\pi \ (\text{cm}^3)$$
毎秒 $\pi \ \text{cm}^3$ の割合で注水するので、この容器がいっぱいになるまでの時間は、
$$\frac{40\pi}{\pi} = 40 \ (\text{秒})$$
となります。
(2) 時刻 $t$ における水の体積を $V$、水面の高さを $h$ とします。 条件より $\frac{dV}{dt} = \pi$ です。 注水し始めてから $4$ 秒後の体積は $4\pi \ \text{cm}^3$ なので、このときの高さ $h$ は
$$\pi \left( \frac{1}{2}h^2 + h \right) = 4\pi$$
$$h^2 + 2h - 8 = 0$$
$$(h+4)(h-2) = 0$$
$h \geqq 0$ より、$h = 2 \ (\text{cm})$ となります。 ここで、体積 $V$ を時刻 $t$ で微分すると、合成関数の微分法より
$$\frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dh} \cdot \frac{dh}{dt}$$
が成り立ちます。$\frac{dV}{dh} = S(h) = \pi(h+1)$ であるため、
$$\frac{dV}{dt} = \pi(h+1) \frac{dh}{dt}$$
$\frac{dV}{dt} = \pi$ と $t=4$ のときの $h=2$ を代入すると、
$$\pi = \pi(2+1) \frac{dh}{dt}$$
$$1 = 3 \frac{dh}{dt}$$
$$\frac{dh}{dt} = \frac{1}{3}$$
よって、$4$ 秒後の水面が上昇する速さは $\frac{1}{3} \ \text{cm/秒}$ です。
(3) 時刻 $t$ における水面の半径 $r$ は $r = \sqrt{h+1}$ と表せます。 両辺を $t$ で微分すると、合成関数の微分法より
$$\frac{dr}{dt} = \frac{dr}{dh} \cdot \frac{dh}{dt} = \frac{1}{2\sqrt{h+1}} \cdot \frac{dh}{dt}$$
$t=4$ のとき、$h=2$ であり、(2)より $\frac{dh}{dt} = \frac{1}{3}$ であるため、
$$\frac{dr}{dt} = \frac{1}{2\sqrt{2+1}} \cdot \frac{1}{3} = \frac{1}{2\sqrt{3}} \cdot \frac{1}{3} = \frac{1}{6\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{18}$$
よって、$4$ 秒後の水面の半径が増大する速さは $\frac{\sqrt{3}}{18} \ \text{cm/秒}$ です。
解説
回転体の体積計算と、時間に伴う変化率に関する標準的な微分積分の問題です。 体積 $V$、高さ $h$、半径 $r$ といった幾何学的な量と時刻 $t$ を直接結びつける式を作ることは難しいため、それらの変数同士の関係式を作り、合成関数の微分法(連鎖律)である $\frac{dy}{dt} = \frac{dy}{dx} \cdot \frac{dx}{dt}$ を用いて計算を進めるのが典型的なアプローチです。 また、体積 $V(h)$ を $h$ で微分したものが断面積 $S(h)$ に一致する($\frac{dV}{dh} = S(h)$)という関係を意識しておくと、微分の計算がスムーズになります。
答え
ア:$40$
イ:$\frac{1}{3}$
ウ:$\frac{\sqrt{3}}{18}$
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