トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 7

数学3 最大最小・解の個数 問題 7 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 7 解説

方針・初手

内接円の半径が与えられた二等辺三角形において、辺の長さを変数 $x, y$ で表し、図形の性質から関係式を導く。 (1)は、三角形の面積を2通りに表して等置するアプローチ、または直角三角形の三角比と2倍角の公式を用いるアプローチが有効である。 (2)は、(1)で得られた式を用いて3辺の長さの和 $L$ を $x$ の関数として表し、数学IIIの微分法を用いて増減を調べ、最小値を求める。

解法1

(1)

頂点Aから辺BCに下ろした垂線の足をHとする。$\triangle$ABCはAB=ACの二等辺三角形なので、Hは辺BCの中点となり、$BH = x$ である。 $\triangle$ABHにおいて三平方の定理より、

$$AH = \sqrt{y^2-x^2}$$

となる。

$\triangle$ABCの面積を $S$ とすると、底辺と高さから

$$S = \frac{1}{2} \cdot BC \cdot AH = x\sqrt{y^2-x^2}$$

と表せる。 また、内接円の半径が $1$ であることから、

$$S = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot (AB + BC + CA) = \frac{1}{2}(y + 2x + y) = x+y$$

とも表せる。 これらを等しいとおいて、

$$x\sqrt{y^2-x^2} = x+y$$

が成り立つ。 両辺を2乗して整理すると、

$$x^2(y^2-x^2) = (x+y)^2$$

$$x^2(y-x)(y+x) = (x+y)^2$$

となる。 ここで、$x>0, y>0$ より $x+y \neq 0$ であるから、両辺を $x+y$ で割ると

$$x^2(y-x) = x+y$$

$$x^2y - x^3 = x+y$$

$$(x^2-1)y = x(x^2+1)$$

を得る。 $x^2-1 = 0$ すなわち $x=1$ のとき、左辺は $0$、右辺は $2$ となり等式を満たさない。 よって $x^2-1 \neq 0$ であり、

$$y = \frac{x(x^2+1)}{x^2-1}$$

となる。 (図形的に $y>0, x>0, x^2+1>0$ であるため、$x^2-1>0$ すなわち $x>1$ が必要である。)

(2)

三角形の3辺の長さの和 $L$ は $L = 2x+2y$ である。 (1)の結果を代入して $L$ を $x$ の関数として表すと、

$$\begin{aligned} L &= 2x + \frac{2x(x^2+1)}{x^2-1} \\ &= \frac{2x(x^2-1) + 2x(x^2+1)}{x^2-1} \\ &= \frac{2x^3 - 2x + 2x^3 + 2x}{x^2-1} \\ &= \frac{4x^3}{x^2-1} \end{aligned}$$

となる。 これを $x$ で微分すると、

$$\begin{aligned} L' &= 4 \cdot \frac{3x^2(x^2-1) - x^3 \cdot 2x}{(x^2-1)^2} \\ &= 4 \cdot \frac{3x^4 - 3x^2 - 2x^4}{(x^2-1)^2} \\ &= 4 \cdot \frac{x^4-3x^2}{(x^2-1)^2} \\ &= \frac{4x^2(x^2-3)}{(x^2-1)^2} \end{aligned}$$

となる。 $x>1$ の範囲において $L'=0$ となるのは、$x^2-3=0$ より $x=\sqrt{3}$ のときである。 $x>1$ における増減を調べると以下のようになる。

$1 < x < \sqrt{3}$ のとき、$L' < 0$ であり $L$ は単調に減少する。 $x = \sqrt{3}$ のとき、$L' = 0$ である。 $x > \sqrt{3}$ のとき、$L' > 0$ であり $L$ は単調に増加する。

したがって、$L$ は $x=\sqrt{3}$ で極小かつ最小となる。 そのときの $L$ の値は、

$$\begin{aligned} L &= \frac{4(\sqrt{3})^3}{(\sqrt{3})^2-1} \\ &= \frac{4 \cdot 3\sqrt{3}}{3-1} \\ &= \frac{12\sqrt{3}}{2} \\ &= 6\sqrt{3} \end{aligned}$$

である。

解法2

(1)の別解(三角比を利用する解法)

内接円の中心をOとする。 線分OBは $\angle$B を2等分するため、$\angle OBC = \theta$ とおくと $\angle B = 2\theta$ となる。 辺BCの中点をHとすると、$\triangle$OBH は $\angle OHB = 90^\circ$ の直角三角形であり、$OH=1, BH=x$ であるから、

$$\tan\theta = \frac{1}{x}$$

が成り立つ。 一方、$\triangle$ABH においても $\angle AHB = 90^\circ$ の直角三角形であるから、

$$\cos 2\theta = \frac{BH}{AB} = \frac{x}{y}$$

が成り立つ。 ここで2倍角の公式より、

$$\cos 2\theta = \frac{1-\tan^2\theta}{1+\tan^2\theta}$$

であるから、$\tan\theta = \frac{1}{x}$ を代入して、

$$\cos 2\theta = \frac{1 - \frac{1}{x^2}}{1 + \frac{1}{x^2}} = \frac{x^2-1}{x^2+1}$$

となる。 したがって、

$$\frac{x}{y} = \frac{x^2-1}{x^2+1}$$

となり、これを $y$ について解くと

$$y = \frac{x(x^2+1)}{x^2-1}$$

を得る。 (以降の(2)の解答は解法1と同様であるため省略する。)

解説

本問は、図形の性質から関係式を導き、微積分を用いて関数の最小値を求める標準的な融合問題である。 (1)では、三角形の面積を2通りに表す手法や、直角三角形に着目して三角比の公式を活用する手法が考えられる。どのようなアプローチをとるにせよ、図形的な条件から無理なく立式できるかどうかが問われている。 (2)では、分数関数の微分計算が求められる。計算ミスを防ぐために、導関数の分子を整理する際に共通因数でくくるなどの工夫をするとよい。また、分母が正となることや図形的な意味から、定義域が $x>1$ になることの確認も重要である。

答え

(1) $y = \frac{x(x^2+1)}{x^2-1}$

(2) $x = \sqrt{3}$ のとき、最小値 $6\sqrt{3}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。