トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 8

数学3 最大最小・解の個数 問題 8 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 8 解説

方針・初手

問題文の「図のように」という条件から、台形の下底が半円の直径に一致する等脚台形であることを読み取る。 台形の上底の長さと高さを $\theta$ を用いて表し、面積を $\theta$ の関数として立式する。 あとは、得られた関数を微分して増減を調べ、最大値をとる $\theta$ の値を求める。

解法1

半円の中心を $\mathrm{O}$ とし、半円の直径の両端を $\mathrm{A}, \mathrm{B}$ とする。 図より、台形の下底は半円の直径 $\mathrm{AB}$ であり、その長さは $2a$ である。 台形の上底の頂点のうち、右側にあるものを $\mathrm{C}$、左側にあるものを $\mathrm{D}$ とする。 中心 $\mathrm{O}$ から頂点 $\mathrm{C}$ へ引いた線分と、半径 $\mathrm{OB}$ とのなす角が $\theta$ である。 $\mathrm{C}$ から直径 $\mathrm{AB}$ に下ろした垂線の足を $\mathrm{H}$ とすると、直角三角形 $\mathrm{OCH}$ において $\mathrm{OC} = a$ であるから、台形の高さ $\mathrm{CH}$ は $a \sin \theta$ である。 また、$\mathrm{OH} = a \cos \theta$ であり、対称性より上底 $\mathrm{CD}$ の長さは $2a \cos \theta$ となる。 したがって、台形の面積 $S(\theta)$ は

$$S(\theta) = \frac{1}{2} (2a \cos \theta + 2a) \cdot a \sin \theta = a^2(1 + \cos \theta)\sin \theta$$

と表せる。 これを $\theta$ について微分する。

$$\begin{aligned} S'(\theta) &= a^2 \left\{(-\sin \theta)\sin \theta + (1 + \cos \theta)\cos \theta \right\} \\ &= a^2 (-\sin^2 \theta + \cos \theta + \cos^2 \theta) \\ &= a^2 \{-(1 - \cos^2 \theta) + \cos \theta + \cos^2 \theta\} \\ &= a^2 (2\cos^2 \theta + \cos \theta - 1) \\ &= a^2 (2\cos \theta - 1)(\cos \theta + 1) \end{aligned}$$

$0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ において $\cos \theta + 1 > 0$ であるから、$S'(\theta) = 0$ となるのは $2\cos \theta - 1 = 0$、すなわち $\cos \theta = \frac{1}{2}$ のときである。 この範囲でこれを満たすのは $\theta = \frac{\pi}{3}$ のときである。 増減表は以下のようになる。

$\theta$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{\pi}{3}$ $\cdots$ $\left(\frac{\pi}{2}\right)$
$S'(\theta)$ $+$ $0$ $-$
$S(\theta)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

よって、$S(\theta)$ は $\theta = \frac{\pi}{3}$ のとき極大かつ最大となる。

解法2

台形の面積を

$$S(\theta) = a^2(1 + \cos \theta)\sin \theta$$

と立式するまでは解法1と同様である。 ここで $\cos \theta = x$ とおくと、$0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ より $0 < x < 1$ であり、$\sin \theta = \sqrt{1 - \cos^2 \theta} = \sqrt{1 - x^2}$ となる。 これを代入し、面積を $x$ の関数 $S(x)$ として表す。

$$S(x) = a^2 (1 + x) \sqrt{1 - x^2}$$

$a > 0$ であり、$0 < x < 1$ において $1+x > 0, \sqrt{1-x^2} > 0$ であるため $S(x) > 0$ である。 したがって、$S(x)$ が最大となるとき、その2乗である $\{S(x)\}^2$ も最大となる。

$$\begin{aligned} \{S(x)\}^2 &= a^4 (1 + x)^2 (1 - x^2) \\ &= a^4 (1 + x)^3 (1 - x) \end{aligned}$$

$f(x) = (1 + x)^3 (1 - x)$ とおき、$0 < x < 1$ における増減を調べる。 これを $x$ で微分すると、積の微分法より

$$\begin{aligned} f'(x) &= 3(1 + x)^2 (1 - x) + (1 + x)^3 \cdot (-1) \\ &= (1 + x)^2 \{ 3(1 - x) - (1 + x) \} \\ &= (1 + x)^2 (2 - 4x) \\ &= 2(1 + x)^2 (1 - 2x) \end{aligned}$$

となる。 $0 < x < 1$ において $(1+x)^2 > 0$ であるから、$f'(x) = 0$ となるのは $1 - 2x = 0$、すなわち $x = \frac{1}{2}$ のときである。 $0 < x < 1$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{2}$ $\cdots$ $(1)$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

よって、$f(x)$ すなわち $S(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ のとき極大かつ最大となる。 $0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ の範囲において、$\cos \theta = \frac{1}{2}$ を満たす $\theta$ の値は $\theta = \frac{\pi}{3}$ である。

解説

図形から面積を1変数の関数として立式し、微分法を用いて最大値を求める標準的な問題である。 問題の「図のように」という条件から、台形の下底が半円の直径に一致する等脚台形であることを読み取ることが立式の第一歩となる。 面積の関数の最大値を求める際、そのまま $\theta$ で微分する解法(解法1)が素直であるが、三角関数の微分の計算に不安がある場合は、$\cos \theta = x$ と置換し、無理関数を2乗した多項式の最大値を調べる方針(解法2)も有効である。

答え

$\theta = \frac{\pi}{3}$

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