トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 9

数学3 最大最小・解の個数 問題 9 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 9 解説

方針・初手

与えられた連立不等式の表す領域の面積を求めるために、まずは境界となる2つの放物線 $y = ax^2$ と $y = \frac{1}{a^5}(x-a)^2$ の上下関係を把握する。交点の $x$ 座標を求め、その前後で被積分関数を切り替えて定積分を計算する。面積が $a$ の関数として求まったら、それを微分して増減を調べ、最大値を求める。

解法1

(1)

2つの放物線 $y = ax^2$ と $y = \frac{1}{a^5}(x-a)^2$ の交点の $x$ 座標を求める。

$$ax^2 = \frac{1}{a^5}(x-a)^2$$

$$a^6 x^2 = (x-a)^2$$

$0 \leqq x \leqq a$ の範囲で考える。 $a>0$ であるから $x \geqq 0$ かつ $x-a \leqq 0$ である。よって両辺の平方根をとると、

$$a^3 x = -(x-a)$$

$$(a^3+1)x = a$$

$$x = \frac{a}{a^3+1}$$

この交点の $x$ 座標を $\alpha$ とおく。 $a>0$ より $0 < \alpha < a$ を満たす。 区間 $0 \leqq x \leqq \alpha$ では $ax^2 \leqq \frac{1}{a^5}(x-a)^2$ であり、区間 $\alpha \leqq x \leqq a$ では $\frac{1}{a^5}(x-a)^2 \leqq ax^2$ である。 したがって、求める領域の面積 $S$ は次のように表される。

$$S = \int_{0}^{\alpha} ax^2 \,dx + \int_{\alpha}^{a} \frac{1}{a^5}(x-a)^2 \,dx$$

それぞれの定積分を計算する。

$$\int_{0}^{\alpha} ax^2 \,dx = \left[ \frac{a}{3}x^3 \right]_{0}^{\alpha} = \frac{a}{3}\alpha^3$$

$$\int_{\alpha}^{a} \frac{1}{a^5}(x-a)^2 \,dx = \left[ \frac{1}{3a^5}(x-a)^3 \right]_{\alpha}^{a} = -\frac{1}{3a^5}(\alpha-a)^3$$

ここで $\alpha - a = \frac{a}{a^3+1} - a = \frac{-a^4}{a^3+1}$ であるから、

$$S = \frac{a}{3} \left( \frac{a}{a^3+1} \right)^3 - \frac{1}{3a^5} \left( \frac{-a^4}{a^3+1} \right)^3$$

$$S = \frac{a^4}{3(a^3+1)^3} + \frac{a^{12}}{3a^5(a^3+1)^3}$$

$$S = \frac{a^4 + a^7}{3(a^3+1)^3} = \frac{a^4(1+a^3)}{3(a^3+1)^3} = \frac{a^4}{3(a^3+1)^2}$$

(2)

(1)で求めた $S$ を $a$ の関数とみなし、 $a$ で微分して増減を調べる。

$$S'(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{4a^3(a^3+1)^2 - a^4 \cdot 2(a^3+1) \cdot 3a^2}{(a^3+1)^4}$$

$$S'(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{a^3(a^3+1)\{4(a^3+1) - 6a^3\}}{(a^3+1)^4}$$

$$S'(a) = \frac{a^3(4 - 2a^3)}{3(a^3+1)^3} = \frac{2a^3(2 - a^3)}{3(a^3+1)^3}$$

$a > 0$ において $S'(a) = 0$ となるのは $a^3 = 2$、すなわち $a = \sqrt[3]{2}$ のときである。 $a > 0$ における増減表は以下のようになる。

$a$ $(0)$ $\cdots$ $\sqrt[3]{2}$ $\cdots$
$S'(a)$ $+$ $0$ $-$
$S(a)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、 $S$ は $a = \sqrt[3]{2}$ のとき最大値をとる。その最大値は、

$$S = \frac{(\sqrt[3]{2})^4}{3(2+1)^2} = \frac{2\sqrt[3]{2}}{3 \cdot 9} = \frac{2\sqrt[3]{2}}{27}$$

解説

(1)における2曲線の交点を求める際、両辺を展開して $x$ の2次方程式として解の公式を用いることも可能だが、計算が煩雑になる。平方根をとることで1次方程式に帰着させるのが効率的である。その際、 $0 \leqq x \leqq a$ という条件から符号を正しく判定することがポイントとなる。 また、積分計算において $(\alpha-a)$ の形を崩さずに代入することで計算量を大きく減らすことができる。(2)の微分計算では、商の微分法を丁寧に適用し、因数分解を意識して式を整理すると符号の判定が容易になる。

答え

(1) $S = \frac{a^4}{3(a^3+1)^2}$

(2) $\frac{2\sqrt[3]{2}}{27}$

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