トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 23

数学3 最大最小・解の個数 問題 23 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 23 解説

方針・初手

与えられた展開図を組み立ててできる四面体がどのような図形になるかを把握することが最初のステップである。 図より、4つの面はすべて底辺が $2t$、高さが $1$ の合同な二等辺三角形となる。すべての面が合同な四面体は「等面四面体」と呼ばれる。 四面体の体積を求めるには、対称性を利用して切断し直接高さを求める方法(解法1)か、等面四面体の性質を利用して直方体に埋め込む方法(解法2)が有効である。 体積を $t$ の関数として表したのち、微分を用いて最大値を求める。

解法1

展開図の4つの三角形は、底辺の長さが $2t$、高さが $1$ の合同な二等辺三角形である。 三平方の定理より、底辺以外の2辺の長さはそれぞれ $\sqrt{t^2+1}$ である。 この展開図を組み立ててできる四面体を $\text{A-BCD}$ とすると、向かい合う辺の長さが等しい等面四面体となる。 各辺の長さを以下のように設定できる。

$$\text{BC} = \text{AD} = 2t$$

$$\text{AB} = \text{AC} = \text{CD} = \text{DB} = \sqrt{t^2+1}$$

面 $\text{BCD}$ を底面とし、頂点 $\text{A}$ から底面に下ろした垂線の足を $\text{H}$ とする。 辺 $\text{BC}$ の中点を $\text{M}$ とする。 $\triangle \text{ABC}$ は $\text{AB}=\text{AC}$ の二等辺三角形であるから、$\text{AM} \perp \text{BC}$ である。 展開図において底辺を $2t$ としたときの高さが $1$ であることから、$\text{AM} = 1$ となる。 同様に、$\triangle \text{DBC}$ は $\text{DB}=\text{DC}$ の二等辺三角形であるから、$\text{DM} \perp \text{BC}$ であり、$\text{DM} = 1$ となる。

$\text{BC} \perp \text{AM}$ かつ $\text{BC} \perp \text{DM}$ であるから、辺 $\text{BC}$ は平面 $\text{AMD}$ と垂直である。 したがって、平面 $\text{AMD}$ は底面 $\text{BCD}$ と垂直に交わり、頂点 $\text{A}$ から底面 $\text{BCD}$ に下ろした垂線 $\text{AH}$ は、平面 $\text{AMD}$ 上において $\text{A}$ から辺 $\text{DM}$ に下ろした垂線に一致する。

$\triangle \text{AMD}$ において、各辺の長さは $\text{AM}=1, \text{DM}=1, \text{AD}=2t$ である。 四面体が立体として存在するためには、$\triangle \text{AMD}$ が存在しなければならないので、三角形の成立条件 $\text{AD} < \text{AM} + \text{DM}$ より $2t < 1 + 1$、すなわち $t < 1$ である。 $t > 0$ と合わせて、四面体が存在する条件は $0 < t < 1$ となる。

$\triangle \text{AMD}$ は $\text{AM}=\text{DM}$ の二等辺三角形である。$\text{M}$ から $\text{AD}$ に下ろした垂線の足を $\text{N}$ とすると、$\text{N}$ は $\text{AD}$ の中点となるため $\text{AN} = t$ である。 直角三角形 $\text{AMN}$ において三平方の定理より、

$$\text{MN} = \sqrt{\text{AM}^2 - \text{AN}^2} = \sqrt{1^2 - t^2} = \sqrt{1-t^2}$$

$\triangle \text{AMD}$ の面積 $S_{\text{AMD}}$ を2通りの方法で表す。 底辺を $\text{AD}$ とみると、

$$S_{\text{AMD}} = \frac{1}{2} \cdot \text{AD} \cdot \text{MN} = \frac{1}{2} \cdot 2t \cdot \sqrt{1-t^2} = t\sqrt{1-t^2}$$

一方、底辺を $\text{DM}$ とみると、高さは $\text{AH}$ であるから、

$$S_{\text{AMD}} = \frac{1}{2} \cdot \text{DM} \cdot \text{AH} = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot \text{AH} = \frac{1}{2}\text{AH}$$

これらが等しいことから、

$$\frac{1}{2}\text{AH} = t\sqrt{1-t^2} \iff \text{AH} = 2t\sqrt{1-t^2}$$

四面体の底面積 $\triangle \text{BCD}$ は、展開図の1つの三角形の面積に等しいので、

$$\triangle \text{BCD} = \frac{1}{2} \cdot 2t \cdot 1 = t$$

よって、四面体の体積 $V$ は次のように表される。

$$V = \frac{1}{3} \cdot \triangle \text{BCD} \cdot \text{AH} = \frac{1}{3} \cdot t \cdot 2t\sqrt{1-t^2} = \frac{2}{3}t^2\sqrt{1-t^2} = \frac{2}{3}\sqrt{t^4(1-t^2)} = \frac{2}{3}\sqrt{t^4 - t^6}$$

根号の中の関数を $f(t) = t^4 - t^6$ $(0 < t < 1)$ とおく。

$$f'(t) = 4t^3 - 6t^5 = 2t^3(2 - 3t^2)$$

$0 < t < 1$ において $f'(t) = 0$ となるのは、$t^2 = \frac{2}{3}$ より $t = \frac{\sqrt{6}}{3}$ のときである。 増減表を書くと以下のようになる。

$t$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{\sqrt{6}}{3}$ $\cdots$ $(1)$
$f'(t)$ $+$ $0$ $-$
$f(t)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(t)$ は $t = \frac{\sqrt{6}}{3}$ で極大かつ最大となる。 そのときの最大値は、

$$f\left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = \left(\sqrt{\frac{2}{3}}\right)^4 - \left(\sqrt{\frac{2}{3}}\right)^6 = \frac{4}{9} - \frac{8}{27} = \frac{4}{27}$$

したがって、体積 $V$ の最大値は、

$$V = \frac{2}{3}\sqrt{\frac{4}{27}} = \frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3\sqrt{3}} = \frac{4}{9\sqrt{3}} = \frac{4\sqrt{3}}{27}$$

解法2

展開図から、この四面体は4つの面がすべて合同な二等辺三角形(辺の長さは $2t, \sqrt{t^2+1}, \sqrt{t^2+1}$)である「等面四面体」であることがわかる。 等面四面体は、直方体の4つの頂点を結んでその内部に構成することができる。 このとき、四面体の各辺は直方体の各面の対角線となる。 直方体の3辺の長さを $x, y, z$ $(x, y, z > 0)$ とすると、三平方の定理より以下の連立方程式が成り立つ。

$$\begin{cases} x^2 + y^2 = (2t)^2 = 4t^2 \\ y^2 + z^2 = (\sqrt{t^2+1})^2 = t^2 + 1 \\ z^2 + x^2 = (\sqrt{t^2+1})^2 = t^2 + 1 \end{cases}$$

第2式と第3式より $x^2 = y^2$ となる。これを第1式に代入すると、

$$2x^2 = 4t^2 \iff x^2 = 2t^2$$

よって、$x = y = \sqrt{2}t$ を得る。 これを第3式に代入すると、

$$z^2 + 2t^2 = t^2 + 1 \iff z^2 = 1 - t^2$$

直方体が存在するためには $z^2 > 0$ である必要があるため、$1 - t^2 > 0$ より $0 < t < 1$ となる。 四面体の体積 $V$ は、直方体の体積から4隅にある直角三角錐の体積を引いたものとして求められる。 各直角三角錐は直方体の1つの頂点を共有し、その体積は直方体の体積の $\frac{1}{6}$ であるから、

$$V = xyz - 4 \times \left(\frac{1}{6}xyz\right) = \frac{1}{3}xyz$$

$V > 0$ であるから、$V = \frac{1}{3}\sqrt{x^2 y^2 z^2}$ として計算する。

$$V = \frac{1}{3}\sqrt{2t^2 \cdot 2t^2 \cdot (1 - t^2)} = \frac{1}{3}\sqrt{4t^4(1 - t^2)} = \frac{2}{3}\sqrt{t^4 - t^6}$$

これ以降は解法1と同様に $f(t) = t^4 - t^6$ の増減を調べ、最大値を求める。 $0 < t < 1$ の範囲で $V$ は $t = \frac{\sqrt{6}}{3}$ のとき最大値 $\frac{4\sqrt{3}}{27}$ をとる。

解説

四面体の展開図から立体の構造を正しく把握できるかが問われている問題である。 すべての面が合同な四面体(等面四面体)の体積を求める手法として、本問で示した2つのアプローチが代表的である。 解法1の「対称面での切断」は特別な知識を必要とせず、立体の高さを幾何学的に正しく捉えるための王道の手法である。 一方、解法2の「直方体への埋め込み」は、等面四面体が持つ特有の性質を活用した解法であり、計算量を大幅に減らすことができるため、知識として持っておくと非常に強力である。 また、計算を進めるうえで立体が存在するための条件($0 < t < 1$)を忘れないように注意したい。

答え

四面体の体積の最大値: $\frac{4\sqrt{3}}{27}$

それを与える $t$: $t = \frac{\sqrt{6}}{3}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。