トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 27

数学3 最大最小・解の個数 問題 27 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 27 解説

方針・初手

与えられた三角形の周の長さの条件と、1つの角の余弦の値から、三角形の残りの辺の長さを $x$ を用いて表す。 面積は2辺の長さとその間の角の正弦を用いて表すことができるため、まずは余弦定理を用いて辺の長さを決定する。 (2) では、(1) で得られた $x$ の分数関数の最大値を求める。微分を用いて増減を調べる方法と、式変形により相加平均と相乗平均の大小関係を利用する方法がある。

解法1

(1)

$\triangle\text{ABC}$ の辺の長さを $\text{BC} = a, \text{CA} = b, \text{AB} = c$ とおく。 問題の条件より $c = x$ であり、周の長さが $2$ であるから、

$$a + b + x = 2 \iff a = 2 - x - b$$

と表せる。 また、$\triangle\text{ABC}$ において余弦定理より、

$$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc \cos A$$

が成り立つ。これに $a = 2 - x - b$、$c = x$、$\cos A = \frac{7}{9}$ を代入すると、

$$(2 - x - b)^2 = b^2 + x^2 - 2bx \cdot \frac{7}{9}$$

$$(2 - x)^2 - 2b(2 - x) + b^2 = b^2 + x^2 - \frac{14}{9}bx$$

$$4 - 4x + x^2 - 4b + 2bx + b^2 = b^2 + x^2 - \frac{14}{9}bx$$

展開して整理する。

$$4 - 4x - 4b + 2bx = -\frac{14}{9}bx$$

$b$ について解くために移項してまとめる。

$$4(1 - x) = b \left( 4 - 2x - \frac{14}{9}x \right)$$

$$4(1 - x) = b \left( \frac{36 - 18x - 14x}{9} \right)$$

$$4(1 - x) = \frac{4(9 - 8x)}{9} b$$

ここで、$0 < x < 1$ より $9 - 8x > 0$ であるから、両辺を割って $b$ を求めることができる。

$$b = \frac{9(1 - x)}{9 - 8x}$$

次に $\sin A$ を求める。$0^\circ < A < 180^\circ$ より $\sin A > 0$ であるから、

$$\sin A = \sqrt{1 - \cos^2 A} = \sqrt{1 - \left(\frac{7}{9}\right)^2} = \sqrt{\frac{81 - 49}{81}} = \frac{4\sqrt{2}}{9}$$

したがって、$\triangle\text{ABC}$ の面積 $S$ は、

$$S = \frac{1}{2}bc \sin A = \frac{1}{2} \cdot \frac{9(1 - x)}{9 - 8x} \cdot x \cdot \frac{4\sqrt{2}}{9}$$

$$S = \frac{2\sqrt{2}x(1 - x)}{9 - 8x}$$

(2)

(1) で求めた $S$ において、$f(x) = \frac{x(1 - x)}{9 - 8x} = \frac{-x^2 + x}{-8x + 9}$ とおき、$0 < x < 1$ における $f(x)$ の増減を調べる。 商の微分公式より、

$$f'(x) = \frac{(-2x + 1)(-8x + 9) - (-x^2 + x)(-8)}{(-8x + 9)^2}$$

$$f'(x) = \frac{(16x^2 - 26x + 9) - (8x^2 - 8x)}{(-8x + 9)^2}$$

$$f'(x) = \frac{8x^2 - 18x + 9}{(-8x + 9)^2} = \frac{(2x - 3)(4x - 3)}{(-8x + 9)^2}$$

$f'(x) = 0$ とすると、$0 < x < 1$ の範囲では $x = \frac{3}{4}$ である。 $0 < x < 1$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{3}{4}$ $\cdots$ $(1)$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(x)$ は $x = \frac{3}{4}$ で最大となる。 このときの $f(x)$ の値は、

$$f\left(\frac{3}{4}\right) = \frac{-\left(\frac{3}{4}\right)^2 + \frac{3}{4}}{-8 \cdot \frac{3}{4} + 9} = \frac{-\frac{9}{16} + \frac{12}{16}}{-6 + 9} = \frac{\frac{3}{16}}{3} = \frac{1}{16}$$

したがって、$S = 2\sqrt{2} f(x)$ の最大値は、

$$S = 2\sqrt{2} \cdot \frac{1}{16} = \frac{\sqrt{2}}{8}$$

である。

解法2

(2)の別解

(1) で求めた $S = \frac{2\sqrt{2}x(1 - x)}{9 - 8x}$ について、分母を $t$ とおいて式を変形する。

$$t = 9 - 8x$$

とおくと、$0 < x < 1$ より $1 < t < 9$ であり、$x = \frac{9 - t}{8}$ と表せる。 これを $S$ の分子の $x(1 - x)$ の部分に代入する。

$$x(1 - x) = \frac{9 - t}{8} \left( 1 - \frac{9 - t}{8} \right) = \frac{9 - t}{8} \cdot \frac{t - 1}{8} = \frac{-t^2 + 10t - 9}{64}$$

したがって、$S$ は $t$ を用いて次のように表せる。

$$S = 2\sqrt{2} \cdot \frac{\frac{-t^2 + 10t - 9}{64}}{t} = \frac{\sqrt{2}}{32} \cdot \frac{-t^2 + 10t - 9}{t} = \frac{\sqrt{2}}{32} \left( -t - \frac{9}{t} + 10 \right)$$

ここで、$1 < t < 9$ より $t > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$t + \frac{9}{t} \geqq 2\sqrt{t \cdot \frac{9}{t}} = 2\sqrt{9} = 6$$

が成り立つ。 等号が成立するのは、$t = \frac{9}{t}$ すなわち $t^2 = 9$ のときであり、$t > 0$ より $t = 3$ である。 $t = 3$ は $1 < t < 9$ の範囲を満たし、このとき $x = \frac{9 - 3}{8} = \frac{3}{4}$ である。 $t + \frac{9}{t}$ が最小値 $6$ をとるとき、カッコ内の値が最大となるため、$S$ は最大となる。

$$S \leqq \frac{\sqrt{2}}{32} (-6 + 10) = \frac{\sqrt{2}}{32} \cdot 4 = \frac{\sqrt{2}}{8}$$

したがって、$x = \frac{3}{4}$ のとき、$S$ は最大値 $\frac{\sqrt{2}}{8}$ をとる。

解説

図形と計量、および関数の最大・最小を組み合わせた融合問題である。 (1) では、余弦定理を用いて残りの辺の長さを式で表すことが求められる。計算量がやや多いため、展開や整理を正確に行う必要がある。 (2) は解法1のように商の微分公式を用いて数学IIIの範囲で処理するのが自然な流れであるが、解法2のように分母を1つの文字に置き換えることで数学IIの「相加平均と相乗平均の大小関係」に帰着させることも可能である。文系・理系を問わず、式の形から相加相乗平均を連想する手法は身につけておきたい典型処理である。

答え

(1) $S = \frac{2\sqrt{2}x(1 - x)}{9 - 8x}$

(2) 最大値 $\frac{\sqrt{2}}{8}$

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