数学3 最大最小・解の個数 問題 30 解説

方針・初手
曲線 $C$ 上の点 $\text{P}$ の $x$ 座標を $t$ とおき、点 $\text{P}$ における接線および法線の方程式を求める。 求めた方程式において $x = 0$ とすることで、$y$ 軸との交点 $\text{Q}$ および $\text{R}$ の $y$ 座標を計算し、線分 $\text{QR}$ の長さを $t$ の関数として立式する。 得られた関数の最小値を、微分法、または相加平均と相乗平均の大小関係を利用して求める。
解法1
曲線 $C: y = x - \log x$ について、導関数は以下のようになる。
$$y' = 1 - \frac{1}{x}$$
$C$ 上の点 $\text{P}(t, t - \log t) \ (0 < t < 1)$ における接線の傾きは $1 - \frac{1}{t}$ であるから、接線の方程式は次のようになる。
$$y - (t - \log t) = \left(1 - \frac{1}{t}\right)(x - t)$$
これに $x = 0$ を代入し、点 $\text{Q}$ の $y$ 座標 $y_Q$ を求める。
$$y_Q = -t\left(1 - \frac{1}{t}\right) + t - \log t = -t + 1 + t - \log t = 1 - \log t$$
次に、法線について考える。 $0 < t < 1$ より接線の傾きは $1 - \frac{1}{t} \neq 0$ であるため、法線が存在し、その傾きは $-\frac{t}{t - 1} = \frac{t}{1 - t}$ である。 したがって、点 $\text{P}$ における法線の方程式は次のようになる。
$$y - (t - \log t) = \frac{t}{1 - t}(x - t)$$
これに $x = 0$ を代入し、点 $\text{R}$ の $y$ 座標 $y_R$ を求める。
$$y_R = -\frac{t^2}{1 - t} + t - \log t$$
ここで、$y_Q$ と $y_R$ の大小関係を比較するため、$y_Q - y_R$ を計算する。
$$y_Q - y_R = (1 - \log t) - \left(-\frac{t^2}{1 - t} + t - \log t\right) = 1 - t + \frac{t^2}{1 - t} = \frac{(1 - t)^2 + t^2}{1 - t} = \frac{2t^2 - 2t + 1}{1 - t}$$
$0 < t < 1$ の範囲において $1 - t > 0$ であり、$2t^2 - 2t + 1 = 2\left(t - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{1}{2} > 0$ であるから、$y_Q - y_R > 0$、すなわち $y_Q > y_R$ となる。 したがって、線分 $\text{QR}$ の長さ $L(t)$ は次のように表される。
$$L(t) = y_Q - y_R = \frac{2t^2 - 2t + 1}{1 - t}$$
$L(t)$ の最小値を求めるために、$t$ で微分する。
$$L'(t) = \frac{(4t - 2)(1 - t) - (2t^2 - 2t + 1)(-1)}{(1 - t)^2} = \frac{-4t^2 + 6t - 2 + 2t^2 - 2t + 1}{(1 - t)^2} = \frac{-2t^2 + 4t - 1}{(1 - t)^2}$$
$L'(t) = 0$ とすると、分子より $-2t^2 + 4t - 1 = 0$ であり、これを解くと $t = \frac{-2 \pm \sqrt{4 - 2}}{-2} = 1 \pm \frac{\sqrt{2}}{2}$ となる。 $0 < t < 1$ の範囲において条件を満たすのは $t = 1 - \frac{\sqrt{2}}{2}$ のみである。 増減表を書くと次のようになる。
$$\begin{array}{c|c|c|c|c|c} t & (0) & \cdots & 1 - \frac{\sqrt{2}}{2} & \cdots & (1) \\ \hline L'(t) & & - & 0 & + & \\ \hline L(t) & & \searrow & \text{極小} & \nearrow & \end{array}$$
増減表より、$L(t)$ は $t = 1 - \frac{\sqrt{2}}{2}$ で最小値をとる。 最小値を計算する。
$$L\left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right) = \frac{2\left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right)^2 - 2\left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right) + 1}{1 - \left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right)} = \frac{2\left(1 - \sqrt{2} + \frac{1}{2}\right) - 2 + \sqrt{2} + 1}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{3 - 2\sqrt{2} - 1 + \sqrt{2}}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{2 - \sqrt{2}}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = 2\sqrt{2} - 2$$
解法2
解法1と同様にして、線分 $\text{QR}$ の長さ $L(t)$ を立式する。
$$L(t) = \frac{2t^2 - 2t + 1}{1 - t}$$
この分数関数について、分子を $1 - t$ をくくり出す形に変形する。
$$L(t) = \frac{2t(t - 1) + 1}{-(t - 1)} = -2t - \frac{1}{t - 1} = 2(1 - t) + \frac{1}{1 - t} - 2$$
ここで $0 < t < 1$ より、$1 - t > 0$ である。 したがって、$2(1 - t) > 0$ かつ $\frac{1}{1 - t} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係を用いることができる。
$$2(1 - t) + \frac{1}{1 - t} \geqq 2\sqrt{2(1 - t) \cdot \frac{1}{1 - t}} = 2\sqrt{2}$$
両辺から $2$ を引いて、次の不等式を得る。
$$2(1 - t) + \frac{1}{1 - t} - 2 \geqq 2\sqrt{2} - 2$$
すなわち、$L(t) \geqq 2\sqrt{2} - 2$ が成り立つ。 等号が成立するのは、$2(1 - t) = \frac{1}{1 - t}$ のときである。
$$(1 - t)^2 = \frac{1}{2}$$
$1 - t > 0$ より $1 - t = \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2}$ すなわち $t = 1 - \frac{\sqrt{2}}{2}$ のときであり、これは $0 < t < 1$ を満たす。 したがって、$L(t)$ の最小値は $2\sqrt{2} - 2$ である。
解説
接線および法線の方程式を導出し、線分の長さを $t$ の関数として立式して最小値を求める、微分積分の定石通りの問題である。 関数 $L(t)$ の最小値を調べる過程で、解法1のように商の微分法を素直に用いても十分解けるが、分子の次数が分母の次数以上である分数関数に対しては、解法2のように「(多項式)+(真分数関数)」の形に式を変形する(帯分数化する)ことが極めて有効である。 式の形から相加平均と相乗平均の大小関係を利用できることに気付けば、煩雑な微分の計算を回避して素早く正確に解答にたどり着くことができる。
答え
$$2\sqrt{2} - 2$$
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