数学3 最大最小・解の個数 問題 51 解説

方針・初手
(1) は $f(x)$ を微分し、2倍角の公式を用いて導関数を $\cos x$ のみで表します。その後、$\cos x = t$ と置き換えることで、2次関数の最大・最小問題に帰着させます。 (2) は関数 $g(x)$ が極値をもつための条件を考えます。導関数 $g'(x) = 0$ が実数解をもつだけでなく、その解の前後で $g'(x)$ の符号が変化することが必要十分条件である点に着目します。
解法1
(1)
$f(x) = \sin 2x + 3 \sin x$ を $x$ について微分する。合成関数の微分により、
$$f'(x) = 2 \cos 2x + 3 \cos x$$
ここで、2倍角の公式 $\cos 2x = 2 \cos^2 x - 1$ を用いると、
$$f'(x) = 2(2 \cos^2 x - 1) + 3 \cos x = 4 \cos^2 x + 3 \cos x - 2$$
となる。$\cos x = t$ とおくと、$x$ はすべての実数をとるので、$-1 \le t \le 1$ である。 $f'(x)$ を $t$ の関数とみて $h(t)$ とおき、平方完成を行うと、
$$h(t) = 4t^2 + 3t - 2 = 4 \left( t + \frac{3}{8} \right)^2 - 4 \left( \frac{3}{8} \right)^2 - 2 = 4 \left( t + \frac{3}{8} \right)^2 - \frac{41}{16}$$
定義域 $-1 \le t \le 1$ における $h(t)$ の増減を調べる。 放物線 $y = h(t)$ の軸は $t = -\frac{3}{8}$ であり、これは定義域内に含まれる。 したがって、$h(t)$ は $t = -\frac{3}{8}$ のとき最小値をとる。
最小値は $h\left(-\frac{3}{8}\right) = -\frac{41}{16}$ である。
また、区間の両端における値はそれぞれ、
$$h(-1) = 4(-1)^2 + 3(-1) - 2 = -1$$
$$h(1) = 4(1)^2 + 3(1) - 2 = 5$$
であるため、最大値は $t = 1$ のとき $5$ となる。 以上より、$f'(x)$ の最大値と最小値は以下の通りである。
最大値 $5$、最小値 $-\frac{41}{16}$
(2)
$g(x) = f(x) - ax$ を微分すると、
$$g'(x) = f'(x) - a$$
となる。関数 $g(x)$ が極値をもつための条件は、方程式 $g'(x) = 0$(すなわち $f'(x) = a$)が実数解をもち、かつその解の前後で $g'(x)$ の符号が変化することである。 これは、$y = f'(x)$ のグラフと直線 $y = a$ が共有点をもち、かつその前後で上下関係が入れ替わることと同値である。(1) の結果をもとに、$a$ の値で場合分けをして考える。
(i) $a > 5$ または $a < -\frac{41}{16}$ のとき
(1) より、常に $f'(x) < a$ または $f'(x) > a$ となる。 したがって、常に $g'(x) < 0$ または $g'(x) > 0$ となり、$g(x)$ は単調に減少または増加するため、極値をもたない。
(ii) $a = 5$ のとき
すべての実数 $x$ において $f'(x) \le 5$ であるから、常に $g'(x) \le 0$ となる。 $g'(x)$ の符号は正にならないため、$g(x)$ は極値をもたない。
(iii) $a = -\frac{41}{16}$ のとき
すべての実数 $x$ において $f'(x) \ge -\frac{41}{16}$ であるから、常に $g'(x) \ge 0$ となる。 $g'(x)$ の符号は負にならないため、$g(x)$ は極値をもたない。
(iv) $-\frac{41}{16} < a < 5$ のとき
$f'(x)$ は連続関数であり、(1) より最大値 $5$ と最小値 $-\frac{41}{16}$ をとる。 したがって、$f'(x_1) = 5$, $f'(x_2) = -\frac{41}{16}$ となる実数 $x_1, x_2$ が存在する。 $f'(x_2) < a < f'(x_1)$ であるため、中間値の定理より $x_1$ と $x_2$ の間に $f'(c) = a$ を満たす実数 $c$ が存在する。 さらに、$f'(x)$ は最大値と最小値の間を連続的に変化するため、$x = c$ の前後で $y = f'(x)$ と $y = a$ のグラフは必ず交差する。 交差する点で $g'(x) = f'(x) - a$ の符号は正から負、あるいは負から正へと変化するため、その点で $g(x)$ は極値をもつ。
(i)〜(iv)より、求める $a$ の値の範囲は
$$-\frac{41}{16} < a < 5$$
である。
解説
- 三角関数の微分の基本計算と、極値をもつための条件の正しい理解を問う標準的な問題です。
- (1) では三角関数の種類と角を統一し、置き換えによって多項式の問題に帰着させる典型的な手法を用います。置き換えた文字の変域($-1 \le t \le 1$)に注意する必要があります。
- (2) において、「$g'(x)=0$ が実数解をもつ」ことだけで条件を満たすと早合点してはいけません。$a = 5$ や $a = -\frac{41}{16}$ のように、グラフが接するだけ(符号変化を伴わない)の場合は極値をもたないことに留意し、不等号に等号が含まれないことを正しく導くことが重要です。
答え
(1) 最大値 $5$、最小値 $-\frac{41}{16}$
(2) $-\frac{41}{16} < a < 5$
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