トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 56

数学3 最大最小・解の個数 問題 56 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 56 解説

方針・初手

方程式に含まれる絶対値記号を外すため、中身の正負が変わる $x = 0$ と $x = 2$ を境界として、実数全体を3つの区間に場合分けする。その後、方程式を $2a = f(x)$ の形に変形し(定数分離)、関数 $y = f(x)$ のグラフと直線 $y = 2a$ の共有点の個数が4個になるような $a$ の条件を調べる。

解法1

与えられた方程式は、絶対値の中身の符号に注目して、以下の3つの場合に分けて考える。

(i) $x < 0$ のとき

$|x(x-2)| = x(x-2), \ |x| = -x, \ |x-2| = -(x-2)$ であるから、方程式は

$$x(x-2) - 2ax - 4a(-x+2) - 1 = 0$$

展開して整理すると

$$x^2 - 2x + 2ax - 8a - 1 = 0$$

$a$ について整理すると

$$2a(x-4) = -x^2 + 2x + 1$$

$x < 0$ のとき $x-4 \neq 0$ であるから、両辺を $x-4$ で割って

$$2a = \frac{-x^2+2x+1}{x-4}$$

(ii) $0 \leqq x < 2$ のとき

$|x(x-2)| = -x(x-2), \ |x| = x, \ |x-2| = -(x-2)$ であるから、方程式は

$$-x(x-2) + 2ax - 4a(-x+2) - 1 = 0$$

展開して整理すると

$$-x^2 + 2x + 6ax - 8a - 1 = 0$$

$a$ について整理すると

$$2a(3x-4) = x^2 - 2x + 1 = (x-1)^2$$

$x = \frac{4}{3}$ とすると、左辺は $0$、右辺は $\frac{1}{9}$ となり等式は成り立たない。よって $x \neq \frac{4}{3}$ としてよく、両辺を $3x-4$ で割って

$$2a = \frac{(x-1)^2}{3x-4}$$

(iii) $x \geqq 2$ のとき

$|x(x-2)| = x(x-2), \ |x| = x, \ |x-2| = x-2$ であるから、方程式は

$$x(x-2) + 2ax - 4a(x-2) - 1 = 0$$

展開して整理すると

$$x^2 - 2x - 2ax + 8a - 1 = 0$$

$a$ について整理すると

$$2a(x-4) = x^2 - 2x - 1$$

$x = 4$ とすると、左辺は $0$、右辺は $7$ となり等式は成り立たない。よって $x \neq 4$ としてよく、両辺を $x-4$ で割って

$$2a = \frac{x^2-2x-1}{x-4}$$

ここで、右辺の関数をまとめて $f(x)$ とおく。

$$f(x) = \begin{cases} \frac{-x^2+2x+1}{x-4} & (x < 0) \\ \frac{(x-1)^2}{3x-4} & (0 \leqq x < 2, \ x \neq \frac{4}{3}) \\ \frac{x^2-2x-1}{x-4} & (x \geqq 2, \ x \neq 4) \end{cases}$$

各区間における $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ を求め、増減を調べる。

(i) $x < 0$ のとき

$$f(x) = \frac{-(x-4)(x+2)-7}{x-4} = -x-2 - \frac{7}{x-4}$$

$$f'(x) = -1 + \frac{7}{(x-4)^2} = \frac{-(x-4)^2+7}{(x-4)^2}$$

$x < 0$ において $(x-4)^2 > 16 > 7$ であるため、常に $f'(x) < 0$ である。 したがって、$f(x)$ は単調減少する。

(ii) $0 \leqq x < 2 \ (x \neq \frac{4}{3})$ のとき

$$f'(x) = \frac{2(x-1)(3x-4) - 3(x-1)^2}{(3x-4)^2} = \frac{(x-1)(3x-5)}{(3x-4)^2}$$

$f'(x) = 0$ となるのは、$x = 1, \frac{5}{3}$ のときである。

(iii) $x \geqq 2 \ (x \neq 4)$ のとき

$$f(x) = \frac{(x-4)(x+2)+7}{x-4} = x+2 + \frac{7}{x-4}$$

$$f'(x) = 1 - \frac{7}{(x-4)^2} = \frac{(x-4)^2-7}{(x-4)^2}$$

$f'(x) = 0$ となるのは $(x-4)^2 = 7$ のときであり、$x \geqq 2$ の範囲では $x = 4+\sqrt{7}$ である。

以上より、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$ $\frac{4}{3}$ $\cdots$ $\frac{5}{3}$ $\cdots$ $2$ $\cdots$ $4$ $\cdots$ $4+\sqrt{7}$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $+$ $0$ $-$ $\times$ $-$ $0$ $+$ $-$ $\times$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $\searrow$ $-\frac{1}{4}$ $\nearrow$ $0$ $\searrow$ $\times$ $\searrow$ $\frac{4}{9}$ $\nearrow$ $\frac{1}{2}$ $\searrow$ $\times$ $\searrow$ $6+2\sqrt{7}$ $\nearrow$

ここで、漸近線を与える極限は以下の通りである。

$$\lim_{x \to \frac{4}{3}-0} f(x) = -\infty, \quad \lim_{x \to \frac{4}{3}+0} f(x) = \infty$$

$$\lim_{x \to 4-0} f(x) = -\infty, \quad \lim_{x \to 4+0} f(x) = \infty$$

また、両端における極限は

$$\lim_{x \to -\infty} f(x) = \infty, \quad \lim_{x \to \infty} f(x) = \infty$$

となる。

方程式が相異なる4つの実数解をもつ条件は、曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = 2a$ が異なる4つの共有点をもつことである。 増減表および極限からグラフの概形を考え、直線 $y = 2a$ を上下に動かして共有点の個数を数えると、4つの共有点をもつような $2a$ の範囲は以下の3つの区間であることがわかる。

$$-\frac{1}{4} < 2a < 0$$

$$\frac{4}{9} < 2a < \frac{1}{2}$$

$$6+2\sqrt{7} < 2a$$

これらをそれぞれ $a$ について解くことで、求める範囲が得られる。

解説

絶対値を含む方程式の実数解の個数を問う問題では、定数分離が極めて有効な解法となる。本問をそのまま二次方程式の解の配置問題として扱おうとすると、3つの区間それぞれにおける解の個数の組み合わせが膨大になり、現実的ではない。 場合分けの境界である $x=0$ と $x=2$ において関数 $f(x)$ は連続であり、微分不可能ながらも局所的な極値(尖点)のように振る舞うことが視覚的に理解できるかが鍵である。増減表でこれらの点における値を明記することで、グラフの折れ曲がりを正確に捉え、交点数を正しくカウントすることができる。

答え

$-\frac{1}{8} < a < 0$

$\frac{2}{9} < a < \frac{1}{4}$

$3+\sqrt{7} < a$

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