トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 61

数学3 最大最小・解の個数 問題 61 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 61 解説

方針・初手

(1) は与えられた関数 $f(x)$ を微分し、導関数の符号を調べる。 (2)(1) で求めた導関数の符号から関数の増減を把握し、$f(x) = 1$ となる実数解の個数を考える。具体的な代入によって $f(x) = 1$ の解を見つけることがポイントとなる。 (3)(2) の議論から $x>0$ における有理数解がすでに判明しているため、残りの負の解が有理数であると仮定し、背理法を用いてそれが無理数であることを証明する。

解法1

(1)

関数 $f(x) = x^{-2} 2^x$ を $x$ について微分する。積の微分公式より、

$$f'(x) = -2x^{-3} 2^x + x^{-2} 2^x \log 2$$

共通因数 $x^{-3} 2^x$ でくくると、

$$f'(x) = x^{-3} 2^x (-2 + x \log 2) = \frac{2^x (x \log 2 - 2)}{x^3}$$

となる。$f'(x) > 0$ となる条件を求める。 すべての実数 $x$ において $2^x > 0$ であるため、$f'(x)$ の符号は $\frac{x \log 2 - 2}{x^3}$ の符号と一致する。

$x > 0$ のとき、分母 $x^3 > 0$ であるから、分子について $x \log 2 - 2 > 0$ となればよい。これを解くと、

$$x > \frac{2}{\log 2}$$

$x < 0$ のとき、分母 $x^3 < 0$ であるから、分子について $x \log 2 - 2 < 0$ となればよい。これを解くと $x < \frac{2}{\log 2}$ となるが、$x < 0$ の範囲では常にこの不等式は成り立つ。

以上より、$f'(x) > 0$ となる $x$ の条件は、

$$x < 0 \quad \text{または} \quad x > \frac{2}{\log 2}$$

である。

(2)

$x \neq 0$ において、方程式 $2^x = x^2$ の両辺を $x^2$ で割ると、

$$x^{-2} 2^x = 1$$

すなわち $f(x) = 1$ となる。 $x=0$ のとき、左辺は $2^0=1$、右辺は $0^2=0$ となり等式は成り立たない。よって $x=0$ は解ではないため、$2^x = x^2$ の実数解の個数は $f(x)=1$ の実数解の個数と一致する。

(1) の結果より、$f'(x) = 0$ となるのは $x = \frac{2}{\log 2}$ のみである。 関数 $f(x)$ の増減は以下のようになる。

関数の極限を調べると、

$$\lim_{x \to -\infty} f(x) = \lim_{x \to -\infty} \frac{2^x}{x^2} = 0$$

$$\lim_{x \to -0} f(x) = \lim_{x \to -0} \frac{2^x}{x^2} = \infty$$

$$\lim_{x \to +0} f(x) = \lim_{x \to +0} \frac{2^x}{x^2} = \infty$$

$$\lim_{x \to \infty} f(x) = \lim_{x \to \infty} \frac{2^x}{x^2} = \infty$$

である。

ここで、$x=2, 4$ のときの $f(x)$ の値を求めると、

$$f(2) = 2^{-2} 2^2 = 1$$

$$f(4) = 4^{-2} 2^4 = \frac{16}{16} = 1$$

となる。自然対数の底 $e$ は $2 < e < 4$ を満たすから、

$$\log 2 < \log e < \log 4$$

$$\log 2 < 1 < 2 \log 2$$

これより $\frac{1}{2} < \log 2 < 1$ であり、各辺が正であることに注意して逆数をとると $1 < \frac{1}{\log 2} < 2$ となる。辺々を2倍して、

$$2 < \frac{2}{\log 2} < 4$$

が成り立つ。したがって、$x=2$ は $0 < x < \frac{2}{\log 2}$ の範囲に、$x=4$ は $x > \frac{2}{\log 2}$ の範囲にある。 $f(x)$ は $x = \frac{2}{\log 2}$ で極小値をとるため、極小値 $f\left(\frac{2}{\log 2}\right)$ は $f(2)$ や $f(4)$ よりも小さく、$f\left(\frac{2}{\log 2}\right) < 1$ である。

関数 $y=f(x)$ のグラフと直線 $y=1$ の共有点の個数を考える。

以上より、$f(x)=1$ は相異なる3個の実数解をもつ。 よって、方程式 $2^x = x^2$ は相異なる3個の実数解をもつことが示された。

(3)

(2) の議論により、$x > 0$ の範囲における実数解は $x = 2, 4$ の2つであり、これらはともに有理数である。 方程式 $2^x = x^2$ の残りの1つの解は $x < 0$ の範囲に存在する。この解を $\alpha$ とおく($\alpha < 0$)。

$\alpha$ が有理数であると仮定し、矛盾を導く。 互いに素な自然数 $p, q$ を用いて、$\alpha = -\frac{p}{q}$ と表すことができる。 これを方程式 $2^x = x^2$ に代入すると、

$$2^{-\frac{p}{q}} = \left( -\frac{p}{q} \right)^2$$

$$2^{-\frac{p}{q}} = \frac{p^2}{q^2}$$

両辺の逆数をとると、

$$2^{\frac{p}{q}} = \frac{q^2}{p^2}$$

両辺を $q$ 乗すると、

$$2^p = \frac{q^{2q}}{p^{2q}}$$

分母を払って、

$$2^p p^{2q} = q^{2q}$$

となる。 $p$ と $q$ は互いに素な自然数であるから、$p^{2q}$ と $q^{2q}$ も互いに素である。 左辺 $2^p p^{2q}$ は整数であるから、等式が成り立つためには分数 $\frac{q^{2q}}{p^{2q}}$ も整数でなければならず、分母の $p^{2q}$ は $1$ である必要がある。 $p$ は自然数であるから、$p = 1$ が導かれる。

$p = 1$ を代入すると、

$$2^1 \cdot 1^{2q} = q^{2q}$$

$$2 = q^{2q}$$

となる。 $q$ は自然数であるが、 $q = 1$ のとき、右辺は $1^2 = 1 \neq 2$ となり不適。 $q \ge 2$ のとき、右辺は $q^{2q} \ge 2^4 = 16 > 2$ となり不適。 したがって、$2 = q^{2q}$ を満たす自然数 $q$ は存在しない。

これは $\alpha$ を有理数と仮定したことに矛盾する。ゆえに、$\alpha$ は無理数である。 以上より、方程式 $2^x = x^2$ の有理数解は $x = 2, 4$ のみである。

解説

指数関数と多項式を含む方程式の実数解に関する典型的な問題である。グラフを直接描くことが難しいため、片方の辺を定数にするように式変形(今回は $f(x)=1$)を行ってから増減を調べる定石が有効である。 また、実数解の具体的な値を問わず「個数」や「有理数解の絞り込み」を問うている点に注意したい。特に有理数解の存在を背理法で否定する手法は、整数問題としても学びが多い。

答え

(1) $x < 0$ または $x > \frac{2}{\log 2}$

(2) 関数 $f(x)=x^{-2}2^x$ について、$f(x)=1$ となる実数解の個数を増減表と極限から評価することで、相異なる3個の実数解をもつことを示した。(詳細は解答参照)

(3) $x = 2, 4$

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