トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 65

数学3 最大最小・解の個数 問題 65 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 65 解説

方針・初手

光源から放たれた光による影の作図は、中心投影として捉える。各頂点の $xy$ 平面への投影座標を求め、影である三角形の面積を立式する。 点Aの投影先が原点に一致すること、およびBとCの $z$ 座標が等しいという対称性を利用し、面積を $z$ 座標を変数とする1変数関数として表して最大値を求める。

解法1

光源を点L$(0, 0, 1+\sqrt{2})$とする。 空間内の点P$(x, y, z)$(ただし $z \neq 1+\sqrt{2}$)と光源Lを通る直線が $xy$ 平面($z=0$)と交わる点をP'$(x', y', 0)$とする。 実数 $k$ を用いて $\vec{LP'} = k\vec{LP}$ と表せるので、成分で比較する。

$$(x', y', -(1+\sqrt{2})) = k(x, y, z - (1+\sqrt{2}))$$

$z$ 成分の比較により $-(1+\sqrt{2}) = k(z - (1+\sqrt{2}))$ となり、$k = \frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-z}$ を得る。 したがって、P'の $x, y$ 座標は以下のようになる。

$$x' = \frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-z}x, \quad y' = \frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-z}y$$

三角形ABCの各頂点の影の座標を考える。 A$(0, 0, 1)$ は $z=1$ より、拡大率 $k$ は $\frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-1} = \frac{1+\sqrt{2}}{\sqrt{2}}$ となる。 Aの $x, y$ 座標は $0$ なので、影A'の座標は原点 $(0, 0, 0)$ である。

B、Cの $z$ 座標は等しいので、これを $t$ とおく。 正三角形であるから $\text{AB} = \text{AC} = \text{BC} = 1$ である。 B$(x_B, y_B, t)$、C$(x_C, y_C, t)$ とおくと、以下の3つの式が成り立つ。

$$\begin{aligned} x_B^2 + y_B^2 + (t-1)^2 &= 1 \\ x_C^2 + y_C^2 + (t-1)^2 &= 1 \\ (x_B - x_C)^2 + (y_B - y_C)^2 &= 1 \end{aligned}$$

第1式と第2式より、以下の関係が得られる。

$$\begin{aligned} x_B^2 + y_B^2 &= 1 - (t-1)^2 \\ x_C^2 + y_C^2 &= 1 - (t-1)^2 \end{aligned}$$

また、第3式を展開して上の2式を代入すると、以下のようになる。

$$\begin{aligned} (x_B^2 + y_B^2) + (x_C^2 + y_C^2) - 2(x_B x_C + y_B y_C) &= 1 \\ 2(1 - (t-1)^2) - 2(x_B x_C + y_B y_C) &= 1 \\ x_B x_C + y_B y_C &= \frac{1}{2} - (t-1)^2 \end{aligned}$$

ここで、$xy$ 平面上で原点を始点とするベクトル $\vec{b} = (x_B, y_B)$、$\vec{c} = (x_C, y_C)$ を考える。 これらが作る三角形の面積を $S_{xy}$ とすると、面積公式により以下のように計算できる。

$$\begin{aligned} S_{xy} &= \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{b}|^2|\vec{c}|^2 - (\vec{b}\cdot\vec{c})^2} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{ \{1 - (t-1)^2\}^2 - \left\{\frac{1}{2} - (t-1)^2\right\}^2 } \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{ \left\{1 - 2(t-1)^2 + (t-1)^4\right\} - \left\{\frac{1}{4} - (t-1)^2 + (t-1)^4\right\} } \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{ \frac{3}{4} - (t-1)^2 } \end{aligned}$$

根号の中身は $0$ 以上である必要があるため、$(t-1)^2 \le \frac{3}{4}$ つまり $1-\frac{\sqrt{3}}{2} \le t \le 1+\frac{\sqrt{3}}{2}$ が $t$ のとり得る値の範囲である。

影の三角形A'B'C'の面積を $S'$ とする。 A'は原点であり、B'、C'の $x, y$ 座標は、B、Cの $x, y$ 座標をそれぞれ $\frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-t}$ 倍したものに等しい。 相似拡大の性質により、面積 $S'$ は以下のようになる。

$$S' = \left( \frac{1+\sqrt{2}}{1+\sqrt{2}-t} \right)^2 S_{xy} = \frac{(1+\sqrt{2})^2}{2} \frac{\sqrt{\frac{3}{4} - (t-1)^2}}{(1+\sqrt{2}-t)^2}$$

ここで、$u = t-1$ とおくと、定義域は $-\frac{\sqrt{3}}{2} \le u \le \frac{\sqrt{3}}{2}$ であり、$1+\sqrt{2}-t = \sqrt{2}-u$ となる。 ルートの中身を含めて $f(u) = \frac{\frac{3}{4} - u^2}{(\sqrt{2}-u)^4}$ とおき、この最大値を求める。 微分すると以下のようになる。

$$\begin{aligned} f'(u) &= \frac{-2u(\sqrt{2}-u)^4 - \left(\frac{3}{4}-u^2\right) \cdot 4(\sqrt{2}-u)^3 \cdot (-1)}{(\sqrt{2}-u)^8} \\ &= \frac{-2u(\sqrt{2}-u) + 4\left(\frac{3}{4}-u^2\right)}{(\sqrt{2}-u)^5} \\ &= \frac{-2\sqrt{2}u + 2u^2 + 3 - 4u^2}{(\sqrt{2}-u)^5} \\ &= \frac{-2u^2 - 2\sqrt{2}u + 3}{(\sqrt{2}-u)^5} \end{aligned}$$

$f'(u) = 0$ とすると $2u^2 + 2\sqrt{2}u - 3 = 0$ となり、解の公式より以下を得る。

$$u = \frac{-\sqrt{2} \pm \sqrt{2 - 2(-3)}}{2} = \frac{-\sqrt{2} \pm 2\sqrt{2}}{2}$$

これより $u = \frac{\sqrt{2}}{2}, -\frac{3\sqrt{2}}{2}$ である。 定義域 $-\frac{\sqrt{3}}{2} \le u \le \frac{\sqrt{3}}{2}$ を満たすのは $u = \frac{\sqrt{2}}{2}$ のみである。 $-\frac{\sqrt{3}}{2} \le u < \frac{\sqrt{2}}{2}$ において $f'(u) > 0$、$\frac{\sqrt{2}}{2} < u \le \frac{\sqrt{3}}{2}$ において $f'(u) < 0$ となるため、$u = \frac{\sqrt{2}}{2}$ のとき $f(u)$ は最大となる。 このときの $f(u)$ の値は以下のように計算できる。

$$f\left(\frac{\sqrt{2}}{2}\right) = \frac{\frac{3}{4} - \left(\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^2}{\left(\sqrt{2}-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^4} = \frac{\frac{3}{4} - \frac{1}{2}}{\left(\frac{\sqrt{2}}{2}\right)^4} = \frac{\frac{1}{4}}{\frac{1}{4}} = 1$$

ゆえに、$S'$ の最大値は以下のように求まる。

$$S' = \frac{(1+\sqrt{2})^2}{2} \sqrt{1} = \frac{1 + 2\sqrt{2} + 2}{2} = \frac{3+2\sqrt{2}}{2}$$

解説

空間内の図形を中心投影(光源からの投影)する問題である。 各頂点の投影先の座標を愚直に求めることで、$xy$ 平面上の三角形の面積を立式できる。 点Aの投影先が原点になること、およびBとCの $z$ 座標が等しいことから、面積計算には平面ベクトルの公式を用いると見通しが良い。 投影図形の面積は、元の図形を $xy$ 平面に平行に正射影したものの面積に対して、投影による拡大率の2乗をかけたものとして分離して考えると計算量を抑えられる。 微分の計算においては、変数の置き換えによって式を簡略化すると計算ミスを防ぎやすい。

答え

$\frac{3+2\sqrt{2}}{2}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。