数学3 最大最小・解の個数 問題 66 解説

方針・初手
(1)は関数を2回微分し、与えられた不等式 $3 < \pi < 4$ を用いて式の値を上から評価することで、負であることを示す。 (2)は(1)の結果から $f'(x)$ が単調減少であることを利用し、区間の両端における $f'(x)$ と $f(x)$ の符号を調べて増減表をイメージする。これにより、解の存在と一意性を示す。 (3)は方程式 $f(x_n)=0$ の式を変形して不等式で評価することで $x_n \to 0$ を示し、その形を利用して基本極限公式 $\lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x}=1$ が使えるように式を組み立てる。
解法1
(1)
与えられた関数 $f(x)$ を微分する。
$$f'(x) = \cos x - 2nx + \frac{1}{3}x^2$$
$$f''(x) = -\sin x - 2n + \frac{2}{3}x$$
$0 < x < \frac{\pi}{2}$ において、各項を評価する。 まず、$\sin x > 0$ である。 次に、$3 < \pi < 4$ より $\frac{\pi}{2} < 2$ であるため、$0 < x < 2$ が成り立つ。 よって、$\frac{2}{3}x < \frac{4}{3}$ である。 さらに、$n$ は自然数であるから $n \ge 1$ であり、$-2n \le -2$ となる。 これらを合わせると、以下のように評価できる。
$$\begin{aligned} f''(x) &= -\sin x - 2n + \frac{2}{3}x \\ &< 0 - 2 + \frac{4}{3} \\ &= -\frac{2}{3} < 0 \end{aligned}$$
したがって、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ のとき、$f''(x) < 0$ であることが示された。
(2)
(1)の結果より、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ において $f'(x)$ は単調に減少する。 区間の両端における $f'(x)$ の符号を調べる。
$$f'(0) = \cos 0 - 0 + 0 = 1 > 0$$
$$\begin{aligned} f'\left(\frac{\pi}{2}\right) &= \cos \frac{\pi}{2} - 2n\left(\frac{\pi}{2}\right) + \frac{1}{3}\left(\frac{\pi}{2}\right)^2 \\ &= -n\pi + \frac{\pi^2}{12} \end{aligned}$$
$n \ge 1$、$3 < \pi < 4$ であるから、$-n\pi \le -\pi < -3$ であり、$\frac{\pi^2}{12} < \frac{16}{12} = \frac{4}{3}$ である。 よって、$f'\left(\frac{\pi}{2}\right) < -3 + \frac{4}{3} = -\frac{5}{3} < 0$ となる。 $f'(x)$ は連続関数であり、単調減少かつ $f'(0) > 0$、$f'\left(\frac{\pi}{2}\right) < 0$ であるため、中間値の定理より $f'(c) = 0$ を満たす実数 $c$ が $0 < c < \frac{\pi}{2}$ にただ1つ存在する。
これより、$f(x)$ の増減は以下のようになる。 $0 < x \le c$ において $f'(x) \ge 0$ であるから、$f(x)$ は単調に増加する。 $c \le x < \frac{\pi}{2}$ において $f'(x) \le 0$ であるから、$f(x)$ は単調に減少する。
次に、区間の両端における $f(x)$ の値を調べる。
$$f(0) = \sin 0 - 0 + 0 = 0$$
$$\begin{aligned} f\left(\frac{\pi}{2}\right) &= \sin \frac{\pi}{2} - n\left(\frac{\pi}{2}\right)^2 + \frac{1}{9}\left(\frac{\pi}{2}\right)^3 \\ &= 1 - \frac{n\pi^2}{4} + \frac{\pi^3}{72} \end{aligned}$$
$n \ge 1$、$3 < \pi < 4$ より、$-\frac{n\pi^2}{4} \le -\frac{\pi^2}{4} < -\frac{9}{4}$ であり、$\frac{\pi^3}{72} < \frac{64}{72} = \frac{8}{9}$ である。 よって、$f\left(\frac{\pi}{2}\right) < 1 - \frac{9}{4} + \frac{8}{9} = -\frac{13}{36} < 0$ となる。
$f(x)$ は $x=c$ で極大かつ最大となり、$f(0)=0$ かつ $f\left(\frac{\pi}{2}\right) < 0$ であるから、$0 < x < \frac{\pi}{2}$ の範囲において $f(x)$ のグラフは $x$ 軸とただ1回交わる。 すなわち、方程式 $f(x) = 0$ は $0 < x < \frac{\pi}{2}$ の範囲にただ1つの解をもつ。
(3)
(2)より、$x_n$ は方程式 $f(x) = 0$ の $0 < x < \frac{\pi}{2}$ における解であるから、次が成り立つ。
$$\sin x_n - nx_n^2 + \frac{1}{9}x_n^3 = 0$$
これを $nx_n^2$ について整理する。
$$nx_n^2 = \sin x_n + \frac{1}{9}x_n^3$$
$0 < x_n < \frac{\pi}{2}$ であるから、$0 < \sin x_n < 1$ および $0 < x_n^3 < \left(\frac{\pi}{2}\right)^3 < \frac{64}{8} = 8$ が成り立つ。 したがって、右辺は次のように定数で上から評価できる。
$$nx_n^2 < 1 + \frac{8}{9} = \frac{17}{9}$$
これより、$x_n^2 < \frac{17}{9n}$ となる。 $x_n > 0$ であるから、$0 < x_n < \sqrt{\frac{17}{9n}}$ が成り立つ。 $n \to \infty$ のとき $\sqrt{\frac{17}{9n}} \to 0$ となるため、はさみうちの原理により次が成り立つ。
$$\lim_{n \to \infty} x_n = 0$$
次に、$nx_n$ の極限を求める。 先ほど得た式 $nx_n^2 = \sin x_n + \frac{1}{9}x_n^3$ の両辺を $x_n$ ($x_n > 0$)で割ると、次式を得る。
$$nx_n = \frac{\sin x_n}{x_n} + \frac{1}{9}x_n^2$$
ここで $n \to \infty$ とすると、$x_n \to 0$ であるから、$\lim_{n \to \infty} \frac{\sin x_n}{x_n} = 1$ および $\lim_{n \to \infty} \frac{1}{9}x_n^2 = 0$ が成り立つ。 よって、極限値は次のようになる。
$$\lim_{n \to \infty} nx_n = 1 + 0 = 1$$
解説
微積分を用いた方程式の解の存在証明と、それを利用した数列の極限を扱う標準的な問題である。 (1)では、与えられた円周率の評価式($3 < \pi < 4$)を上手く使って各項を定数で評価し、符号を確定させることがポイントである。 (2)は、(1)で示した2次導関数の符号から1次導関数の単調減少性を導き、端点の値を調べることで極値の存在を明らかにするという典型的な手順を踏む。 (3)では、$x_n \to 0$ を示すために、$x_n$ を直接求めるのではなく、$f(x_n)=0$ の関係式を用いて $x_n$ を $n$ の式で評価する(不等式を作る)という解法の流れが重要である。極限を求める段階では、極限の基本公式 $\lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x}=1$ が使える形を作り出すことが定石となる。
答え
(1) 略(解説参照)
(2) 略(解説参照)
(3) $\lim_{n \to \infty} x_n = 0$(証明略)、$\lim_{n \to \infty} nx_n = 1$
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