トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 70

数学3 最大最小・解の個数 問題 70 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 70 解説

方針・初手

点 P と点 Q が長方形の各辺上にある条件を定式化し、$\angle \text{POQ} = \frac{\pi}{4}$ という角度の条件から座標の間の関係式を導く。直角三角形を用いた正接($\tan$)の加法定理を利用すると、文字式を簡略化して記述しやすい。また、面積の最小値を求める際には、関数の形から相加平均と相乗平均の大小関係の利用を視野に入れる。

解法1

(1) 点 P は $\text{A}(a, 0)$ と $\text{B}(a, 1)$ を結ぶ線分上にあるので、$0 \le s \le 1$ である。 点 Q は $\text{C}(0, 1)$ と $\text{B}(a, 1)$ を結ぶ線分上にあるので、$0 \le t \le a$ である。 $x$ 軸の正の向きと線分 OP がなす角を $\alpha$、$y$ 軸の正の向きと線分 OQ がなす角を $\gamma$ とおく。 直角三角形 OAP と OCQ に着目すると、

$$\tan \alpha = \frac{s}{a}, \quad \tan \gamma = \frac{t}{1} = t$$

である。長方形の頂点における角度の和を考えると、$\angle \text{AOC} = \frac{\pi}{2}$ であり、$\angle \text{POQ} = \frac{\pi}{4}$ より、

$$\alpha + \gamma = \frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{4} = \frac{\pi}{4}$$

が成り立つ。両辺の正接をとると $\tan(\alpha + \gamma) = 1$ であり、正接の加法定理より、

$$\frac{\tan \alpha + \tan \gamma}{1 - \tan \alpha \tan \gamma} = 1$$

となる。これに $\tan \alpha$ と $\tan \gamma$ の値を代入する。

$$\frac{\frac{s}{a} + t}{1 - \frac{st}{a}} = 1$$

分母分子に $a$ を掛けて整理する。

$$\frac{s + at}{a - st} = 1$$

よって、$s + at = a - st$ となり、$s$ について整理する。

$$s(t + 1) = a(1 - t)$$

$t \ge 0$ より $t + 1 \ne 0$ であるため、両辺を $t + 1$ で割ることができる。

$$s = \frac{a(1 - t)}{t + 1}$$

(2) (1) で求めた $s$ が、点 P が線分 AB 上にある条件 $0 \le s \le 1$ を満たさなければならない。

$$0 \le \frac{a(1 - t)}{t + 1} \le 1$$

$t + 1 > 0$ であるから、各辺に $t + 1$ を掛ける。

$$0 \le a(1 - t) \le t + 1$$

左側の不等式 $0 \le a(1 - t)$ について、$a > 1 > 0$ より $1 - t \ge 0$ すなわち $t \le 1$ となる。 右側の不等式 $a(1 - t) \le t + 1$ について展開して整理する。

$$a - at \le t + 1$$

$$a - 1 \le (a + 1)t$$

$a > 1$ より $a + 1 > 0$ であるから、両辺を $a + 1$ で割る。

$$t \ge \frac{a - 1}{a + 1}$$

以上より、$\frac{a - 1}{a + 1} \le t \le 1$ である。 このとき、$a > 1$ より $\frac{a - 1}{a + 1} \ge 0$ であり、$1 \le a$ であるから $0 \le t \le a$ の条件も満たしている。 したがって、求める $t$ の範囲は次の通りである。

$$\frac{a - 1}{a + 1} \le t \le 1$$

(3) 三角形 OPQ の面積 $S$ は、$\text{O}(0,0)$, $\text{P}(a, s)$, $\text{Q}(t, 1)$ より、

$$S = \frac{1}{2}|a \cdot 1 - s \cdot t| = \frac{1}{2}|a - st|$$

(1) の途中で得られた関係式 $s + at = a - st$ において、$a, s, t$ はすべて $0$ 以上であるから $a - st = s + at \ge 0$ となり、絶対値記号はそのまま外すことができる。 これに $s = \frac{a(1 - t)}{t + 1}$ を代入する。

$$S = \frac{1}{2}(a - st) = \frac{1}{2} \left( a - t \cdot \frac{a(1 - t)}{t + 1} \right) = \frac{a}{2} \cdot \frac{(t + 1) - t(1 - t)}{t + 1} = \frac{a(t^2 + 1)}{2(t + 1)}$$

ここで、$f(t) = \frac{t^2 + 1}{t + 1}$ とおく。分子を分母で割り算して式を変形する。

$$f(t) = \frac{t^2 - 1 + 2}{t + 1} = t - 1 + \frac{2}{t + 1} = (t + 1) + \frac{2}{t + 1} - 2$$

$t \ge 0$ より $t + 1 > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$(t + 1) + \frac{2}{t + 1} \ge 2\sqrt{(t + 1) \cdot \frac{2}{t + 1}} = 2\sqrt{2}$$

等号が成立するのは $t + 1 = \frac{2}{t + 1}$、すなわち $(t + 1)^2 = 2$ のときであり、$t + 1 > 0$ より $t + 1 = \sqrt{2}$、つまり $t = \sqrt{2} - 1$ のときである。 関数 $f(t)$ は $t = \sqrt{2} - 1$ で極小かつ最小となるが、この値が (2) で求めた定義域 $\frac{a - 1}{a + 1} \le t \le 1$ に含まれるかどうかを調べる必要がある。 $\sqrt{2} - 1 \le 1$ は常に成り立つため、定義域の左端である $\frac{a - 1}{a + 1}$ との大小を比較する。

$$\frac{a - 1}{a + 1} \le \sqrt{2} - 1$$

$$a - 1 \le (\sqrt{2} - 1)(a + 1)$$

$$a - 1 \le \sqrt{2}a + \sqrt{2} - a - 1$$

$$(2 - \sqrt{2})a \le \sqrt{2}$$

$$a \le \frac{\sqrt{2}}{2 - \sqrt{2}} = \frac{1}{\sqrt{2} - 1} = \sqrt{2} + 1$$

したがって、$a$ の値によって以下のように場合分けされる。 関数の増減は $t \le \sqrt{2} - 1$ で減少、$t \ge \sqrt{2} - 1$ で増加である。

(i) $1 < a \le \sqrt{2} + 1$ のとき 定義域内に極小値をとる $t = \sqrt{2} - 1$ が含まれるため、ここで最小値をとる。 最小値は、

$$S = \frac{a}{2} (2\sqrt{2} - 2) = a(\sqrt{2} - 1)$$

(ii) $a > \sqrt{2} + 1$ のとき 極小値をとる $t = \sqrt{2} - 1$ は、定義域の左端 $\frac{a - 1}{a + 1}$ よりも小さい。 したがって、定義域内において $f(t)$ は単調増加であり、$t = \frac{a - 1}{a + 1}$ で最小値をとる。 このときの最小値を計算する。

$$t + 1 = \frac{a - 1}{a + 1} + 1 = \frac{2a}{a + 1}$$

$$t^2 + 1 = \left( \frac{a - 1}{a + 1} \right)^2 + 1 = \frac{(a - 1)^2 + (a + 1)^2}{(a + 1)^2} = \frac{2(a^2 + 1)}{(a + 1)^2}$$

よって、

$$S = \frac{a}{2} \cdot \frac{\frac{2(a^2 + 1)}{(a + 1)^2}}{\frac{2a}{a + 1}} = \frac{a(a^2 + 1)}{(a + 1)^2} \cdot \frac{a + 1}{2a} = \frac{a^2 + 1}{2(a + 1)}$$

解説

座標平面上の図形に対して、それぞれの辺が座標軸に平行であることを活かして三角関数の正接($\tan$)を利用する典型的な問題である。ベクトルの内積を用いても立式可能だが、角度の和が $\frac{\pi}{4}$ となる2つの直角三角形に注目することで、計算量を大きく減らすことができる。 (3) の面積の最小化では、分数関数の最大最小を求める定石として「次数下げ」からの「相加平均と相乗平均の大小関係」の利用が有効である。また、得られた定義域と極小値をとる点との位置関係による場合分けが必要となる点で、論理的な正確さが問われる。

答え

(1) $s = \frac{a(1 - t)}{t + 1}$

(2) $\frac{a - 1}{a + 1} \le t \le 1$

(3) $1 < a \le \sqrt{2} + 1$ のとき、$t = \sqrt{2} - 1$ で最小値 $a(\sqrt{2} - 1)$

(3) $a > \sqrt{2} + 1$ のとき、$t = \frac{a - 1}{a + 1}$ で最小値 $\frac{a^2 + 1}{2(a + 1)}$

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