数学3 最大最小・解の個数 問題 72 解説

方針・初手
(1) は基本的な微分法の問題である。導関数を求めて増減表をかき、最大値を求める。 (2) は与えられた関数 $g(x)$ を微分し、導関数の符号変化を調べることで最小値を求める。導関数 $g'(x)$ の因数分解に気づくことと、極値をとる $x$ の値が区間 $0 \leqq x \leqq 1$ に含まれるかどうかを調べるために、(1) の結果を利用することがポイントである。
解法1
(1)
$$f(t) = \frac{\log t}{t}$$
を $t$ で微分すると、商の微分法より
$$f'(t) = \frac{\frac{1}{t} \cdot t - \log t \cdot 1}{t^2} = \frac{1 - \log t}{t^2}$$
となる。$f'(t) = 0$ とすると、$1 - \log t = 0$ より $t = e$ である。 $t > 0$ における $f(t)$ の増減表は次のようになる。
| $t$ | $(0)$ | $\cdots$ | $e$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $f(t)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ |
表より、$f(t)$ は $t = e$ で極大かつ最大となる。 その最大値は
$$f(e) = \frac{\log e}{e} = \frac{1}{e}$$
である。
(2)
$$g(x) = e^{ax} + 2e^{-ax} + (2 - a^2)x$$
を $x$ で微分すると
$$g'(x) = ae^{ax} - 2ae^{-ax} + 2 - a^2$$
となる。$ae^{-ax} > 0$ をくくり出すと
$$\begin{aligned} g'(x) &= ae^{-ax} \left( e^{2ax} - 2 + \frac{2 - a^2}{a}e^{ax} \right) \\ &= ae^{-ax} \left\{ (e^{ax})^2 + \left( \frac{2}{a} - a \right)e^{ax} - 2 \right\} \\ &= ae^{-ax} (e^{ax} - a) \left( e^{ax} + \frac{2}{a} \right) \end{aligned}$$
と変形できる。 $a > 0$ より $ae^{-ax} > 0$ および $e^{ax} + \frac{2}{a} > 0$ であるから、$g'(x)$ の符号は $e^{ax} - a$ の符号と一致する。 $e^{ax} - a = 0$ とすると、$e^{ax} = a$ より $ax = \log a$ であり、$a > 0$ より
$$x = \frac{\log a}{a}$$
となる。 ここで、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における $g(x)$ の増減を調べるために、$x = \frac{\log a}{a}$ と $0, 1$ の大小関係を考える。 (1) の結果より、すべての $a > 0$ に対して $f(a) \leqq \frac{1}{e}$ が成り立つから
$$\frac{\log a}{a} \leqq \frac{1}{e}$$
である。自然対数の底 $e$ は $e > 2.7 > 1$ であるから $\frac{1}{e} < 1$ であり、常に $\frac{\log a}{a} < 1$ が成り立つ。 したがって、$x = \frac{\log a}{a}$ と $0$ の大小関係によって場合分けを行う。
(i) $\frac{\log a}{a} \leqq 0$ のとき
すなわち $0 < a \leqq 1$ のとき、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において $x \geqq \frac{\log a}{a}$ が成り立つ。 このとき $e^{ax} \geqq a$ より $g'(x) \geqq 0$ となるから、$g(x)$ は単調に増加する。 よって、$g(x)$ は $x = 0$ のとき最小値をとり、その値は
$$g(0) = e^0 + 2e^0 + 0 = 3$$
である。
(ii) $\frac{\log a}{a} > 0$ のとき
すなわち $a > 1$ のとき、$0 < \frac{\log a}{a} < 1$ が成り立つから、極値をとる $x$ は区間 $0 \leqq x \leqq 1$ に含まれる。 このときの $g(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{\log a}{a}$ | $\cdots$ | $1$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $g'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ | ||
| $g(x)$ | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
表より、$g(x)$ は $x = \frac{\log a}{a}$ で極小かつ最小となる。 その最小値は
$$\begin{aligned} g\left(\frac{\log a}{a}\right) &= e^{a \cdot \frac{\log a}{a}} + 2e^{-a \cdot \frac{\log a}{a}} + (2 - a^2)\frac{\log a}{a} \\ &= e^{\log a} + 2e^{-\log a} + \left( \frac{2}{a} - a \right)\log a \\ &= a + \frac{2}{a} + \left( \frac{2}{a} - a \right)\log a \end{aligned}$$
である。
解説
(1) は微分の基本計算であり、確実に正解したい。ここでの関数 $f(t) = \frac{\log t}{t}$ は、のちの (2) で $\frac{\log a}{a}$ の値の範囲を評価する際の手がかりとして与えられている(いわゆる誘導である)。 (2) では $g'(x) = 0$ の解である $x = \frac{\log a}{a}$ が、指定された区間 $0 \leqq x \leqq 1$ の中に入るかどうかを判断することが大きな山場となる。(1) の結果を用いることで $\frac{\log a}{a} < 1$ が常に成り立つことが示されるため、左端の $x = 0$ との大小関係、すなわち $a$ と $1$ の大小関係のみで場合分けを行えばよい。$e^{ax}$ を塊と見て二次式のように因数分解する式変形も頻出の手法である。
答え
(1) 最大値 $\frac{1}{e}$ ($t = e$ のとき)
(2)
$0 < a \leqq 1$ のとき、最小値 $3$
$a > 1$ のとき、最小値 $a + \frac{2}{a} + \left( \frac{2}{a} - a \right)\log a$
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