数学3 最大最小・解の個数 問題 74 解説

方針・初手
(1) については、関数 $f(x)$ を微分し、与えられた区間において導関数 $f'(x)$ が常に正であることを示す。
(2) については、方程式 $g(x) = 0$ の解の個数を調べるため、関数 $g(x)$ の増減を調べる。$g(x)$ を微分すると前問の $f(x)$ を含む式が現れることに着目し、(1)で示した $f(x)$ の単調増加性を利用して導関数 $g'(x)$ の符号変化を特定する。
解法1
(1)
$f(x) = e^{4x} \cos^2 x$ を微分する。
$$\begin{aligned} f'(x) &= (e^{4x})' \cos^2 x + e^{4x} (\cos^2 x)' \\ &= 4e^{4x} \cos^2 x + e^{4x} \cdot 2\cos x (-\sin x) \\ &= 2e^{4x} \cos x (2\cos x - \sin x) \end{aligned}$$
$-\frac{\pi}{4} \leqq x \leqq \frac{\pi}{4}$ において、$\cos x > 0$ であるから、かっこ内を $\cos x$ でくくり出すと以下のように変形できる。
$$f'(x) = 2e^{4x} \cos^2 x \left( 2 - \frac{\sin x}{\cos x} \right) = 2e^{4x} \cos^2 x (2 - \tan x)$$
この区間において、$-1 \leqq \tan x \leqq 1$ であるため、$2 - \tan x \geqq 1 > 0$ となる。 また、$e^{4x} > 0$ かつ $\cos^2 x > 0$ である。 したがって、区間内のすべての $x$ に対して $f'(x) > 0$ が成り立つ。 ゆえに、$-\frac{\pi}{4} \leqq x \leqq \frac{\pi}{4}$ において $f(x)$ は増加する。
(2)
$g(x) = e^{4x} - 2 - \tan x$ を微分する。
$$g'(x) = 4e^{4x} - \frac{1}{\cos^2 x} = \frac{4e^{4x}\cos^2 x - 1}{\cos^2 x} = \frac{4f(x) - 1}{\cos^2 x}$$
ここで、$h(x) = 4f(x) - 1$ とおく。 (1)より、$f(x)$ は $-\frac{\pi}{4} \leqq x \leqq \frac{\pi}{4}$ において単調に増加するため、$h(x)$ も同区間で単調に増加する。
自然対数の底 $e$ について $e > 2$ であることを用いて、区間の両端における $h(x)$ の符号を評価する。
$$h\left( -\frac{\pi}{4} \right) = 4e^{-\pi} \cos^2\left( -\frac{\pi}{4} \right) - 1 = 2e^{-\pi} - 1$$
$e^\pi > 2^\pi > 2^3 = 8$ より、$e^{-\pi} < \frac{1}{8}$ であるから、
$$h\left( -\frac{\pi}{4} \right) < 2 \cdot \frac{1}{8} - 1 = -\frac{3}{4} < 0$$
また、右端の値は以下のようになる。
$$h\left( \frac{\pi}{4} \right) = 4e^{\pi} \cos^2\left( \frac{\pi}{4} \right) - 1 = 2e^{\pi} - 1$$
$e^\pi > 8$ より $2e^\pi - 1 > 15 > 0$ であるから、$h\left( \frac{\pi}{4} \right) > 0$ である。
関数 $h(x)$ は連続で単調増加であり、区間の両端で負から正へと符号が変わるため、$h(\alpha) = 0$ を満たす実数 $\alpha$ が $-\frac{\pi}{4} < x < \frac{\pi}{4}$ の範囲にただ1つ存在する。 $\cos^2 x > 0$ より $g'(x)$ の符号は $h(x)$ の符号と一致するため、$g(x)$ の増減は以下のようになる。
- $-\frac{\pi}{4} \leqq x < \alpha$ のとき、$g'(x) < 0$ であり、$g(x)$ は単調に減少する。
- $\alpha < x \leqq \frac{\pi}{4}$ のとき、$g'(x) > 0$ であり、$g(x)$ は単調に増加する。
ゆえに、$g(x)$ は $x = \alpha$ で最小値をとる。 次に、区間の両端における $g(x)$ の値を調べる。
$$g\left( -\frac{\pi}{4} \right) = e^{-\pi} - 2 - (-1) = e^{-\pi} - 1$$
$e^{-\pi} < \frac{1}{8} < 1$ であるから、$g\left( -\frac{\pi}{4} \right) < 0$ となる。
$$g\left( \frac{\pi}{4} \right) = e^{\pi} - 2 - 1 = e^{\pi} - 3$$
$e^\pi > 8 > 3$ であるから、$g\left( \frac{\pi}{4} \right) > 0$ となる。
以上のことから、区間 $[-\frac{\pi}{4}, \alpha]$ では $g(x)$ は最大値 $g\left( -\frac{\pi}{4} \right) < 0$ から単調減少し常に負であるため、$g(x) = 0$ となる解は存在しない。 一方、区間 $[\alpha, \frac{\pi}{4}]$ では単調増加し、$g(\alpha) < g\left( -\frac{\pi}{4} \right) < 0$ かつ $g\left( \frac{\pi}{4} \right) > 0$ であるため、中間値の定理より $g(x) = 0$ となる $x$ がこの区間内にただ1つ存在する。 以上より、$-\frac{\pi}{4} \leqq x \leqq \frac{\pi}{4}$ において方程式 $g(x) = 0$ はただ1つの実数解をもつことが示された。
解説
前の設問の結果を次の設問に利用する、微積分分野における標準的な誘導問題である。(2)で $g(x)$ を微分し、通分した分子に (1)の $f(x)$ を見出すことが最大のポイントとなる。 また、増減や中間値の定理の適用にあたり、$e^\pi$ や $e^{-\pi}$ といった値の大きさを具体的に評価し、端点での符号を厳密に示す必要がある点に注意したい。
答え
(1) 導関数 $f'(x) > 0$ であることを示し、$f(x)$ が単調増加することを証明した。
(2) 導関数の符号変化から関数の極小値の位置を特定し、中間値の定理により実数解がただ1つであることを証明した。
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