数学3 最大最小・解の個数 問題 76 解説

方針・初手
与えられた関数が偶関数であることに着目し、考察範囲を $0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{2}$ に絞る。 導関数と第2次導関数を求めて増減を調べ、最大値の候補を端点に絞り込む。最大値の候補の大小比較において、与えられた近似値の条件 $\pi > 3.1$ および $\sqrt{3} > 1.7$ を用いて評価を行う。
解法1
$f(x) = \cos x + \frac{\sqrt{3}}{4}x^2$ とおく。
$$f(-x) = \cos(-x) + \frac{\sqrt{3}}{4}(-x)^2 = \cos x + \frac{\sqrt{3}}{4}x^2 = f(x)$$
であるから、$f(x)$ は偶関数である。したがって、$0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{2}$ の範囲における最大値を求めればよい。
$f(x)$ を微分すると、
$$f'(x) = -\sin x + \frac{\sqrt{3}}{2}x$$
さらに微分すると、
$$f''(x) = -\cos x + \frac{\sqrt{3}}{2}$$
$0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{2}$ において $f''(x) = 0$ となるのは、$\cos x = \frac{\sqrt{3}}{2}$ より $x = \frac{\pi}{6}$ のときのみである。 $f''(x)$ の符号は、$0 \leqq x < \frac{\pi}{6}$ において負、$\frac{\pi}{6} < x \leqq \frac{\pi}{2}$ において正となる。 したがって、$f'(x)$ は $0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{6}$ で単調に減少し、$\frac{\pi}{6} \leqq x \leqq \frac{\pi}{2}$ で単調に増加する。
ここで、$f'(0)$ および $f'\left(\frac{\pi}{2}\right)$ の値について調べる。
$$f'(0) = 0$$
$$f'\left(\frac{\pi}{2}\right) = -1 + \frac{\sqrt{3}}{4}\pi$$
与えられた条件 $\pi > 3.1$ および $\sqrt{3} > 1.7$ を用いると、
$$\frac{\sqrt{3}}{4}\pi > \frac{1.7 \times 3.1}{4} = \frac{5.27}{4} = 1.3175 > 1$$
となるため、
$$f'\left(\frac{\pi}{2}\right) > 0$$
であることがわかる。 $f'(x)$ は $x=0$ で $0$ から出発して減少し、その後増加に転じて $x=\frac{\pi}{2}$ で正となる。 ゆえに、$f'(x) = 0$ を満たす $x$ が $\frac{\pi}{6} < x < \frac{\pi}{2}$ の範囲にただ一つ存在する。これを $\alpha$ とおく。
$0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{2}$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $0$ | $\cdots$ | $\alpha$ | $\cdots$ | $\frac{\pi}{2}$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | $+$ |
| $f(x)$ | $1$ | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ | $f\left(\frac{\pi}{2}\right)$ |
増減表より、最大値の候補は $x = 0$ のときと $x = \frac{\pi}{2}$ のときである。それぞれの値を求める。
$$f(0) = \cos 0 + 0 = 1$$
$$f\left(\frac{\pi}{2}\right) = \cos\frac{\pi}{2} + \frac{\sqrt{3}}{4}\left(\frac{\pi}{2}\right)^2 = \frac{\sqrt{3}}{16}\pi^2$$
これらの大小を比較する。再び与えられた条件 $\pi > 3.1$ および $\sqrt{3} > 1.7$ を用いる。
$$\sqrt{3}\pi^2 > 1.7 \times (3.1)^2 = 1.7 \times 9.61 = 16.337$$
これより、
$$f\left(\frac{\pi}{2}\right) = \frac{\sqrt{3}\pi^2}{16} > \frac{16.337}{16} > 1$$
したがって、$f\left(\frac{\pi}{2}\right) > f(0)$ が成り立つ。 $f(x)$ は偶関数であるため、$x = -\frac{\pi}{2}$ のときも同じ最大値をとる。
解説
関数の増減を調べるために導関数を計算する際、1回の微分では符号が判定できないため、第2次導関数まで調べる典型的な微分法の問題である。 微分して増減表を書くという方針は立てやすいが、極値の存在範囲を特定したり、端点での値の大小を比較したりする際に、問題文で与えられた不等式(近似値)を活用して適切に評価を行う力が問われている。 $x=\frac{\pi}{2}$ での微分係数が正であることを示す部分と、最大値の候補である $f(0)$ と $f\left(\frac{\pi}{2}\right)$ の大小比較の2箇所で不等式を用いる点に注意したい。
答え
$$\frac{\sqrt{3}}{16}\pi^2$$
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