トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 10

数学3 接線・不等式 問題 10 解説

数学3 接線・不等式 問題 10 解説

方針・初手

2つの曲線の共有点を考えるため、方程式を連立する。$y$ を消去して $x$ についての方程式に帰着させ、定数 $a^2$ を分離する方針が有効である。実数解の個数が共有点の個数と一致することを利用して、微分を用いて関数のグラフと直線が1回だけ交わる条件を求める。

また、2つの曲線が接するという図形的な意味に着目し、接点の座標を変数としておいて連立方程式を立てる解法も可能である。

解法1

2つの曲線の方程式は以下の通りである。

$$y = ae^{-x}$$

$$x^2 + y^2 = 1$$

第1式を第2式に代入して $y$ を消去すると、次のようになる。

$$x^2 + a^2 e^{-2x} = 1$$

$$a^2 e^{-2x} = 1 - x^2$$

$$a^2 = (1 - x^2)e^{2x}$$

第1式より $y$ は $x$ に対して1つに定まるため、2つの曲線の共有点が1つしかないことは、この $x$ についての方程式が実数解をただ1つ持つことと同値である。 また、円の方程式 $x^2 + y^2 = 1$ より $-1 \le x \le 1$ である。

ここで、関数 $f(x)$ を次のように定める。

$$f(x) = (1 - x^2)e^{2x} \quad (-1 \le x \le 1)$$

$f(x)$ を $x$ について微分する。

$$\begin{aligned} f'(x) &= -2xe^{2x} + (1 - x^2) \cdot 2e^{2x} \\ &= -2(x^2 + x - 1)e^{2x} \end{aligned}$$

$f'(x) = 0$ とすると $x^2 + x - 1 = 0$ となり、$-1 \le x \le 1$ における解は $x = \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}$ のみである。 この解を $\alpha$ とおく。($\alpha = \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}$)

$f(x)$ の増減を調べると、$-1 < x < \alpha$ において $f'(x) > 0$、$\alpha < x < 1$ において $f'(x) < 0$ となる。 したがって、$f(x)$ は $x = \alpha$ で最大値 $f(\alpha)$ をとる。 また、$f(-1) = 0$、$f(1) = 0$ であり、$f(\alpha) > 0$ である。

直線 $y = a^2$ ($a^2 \ge 0$) と曲線 $y = f(x)$ $(-1 \le x \le 1)$ の共有点がただ1つとなる条件を考える。 $a^2 = 0$ のとき、交点は $x = -1, 1$ の2つとなるため不適である。 よって、ただ1つの共有点を持つための条件は、直線が曲線の最大値をとる点に接するとき、すなわち $a^2 = f(\alpha)$ のときである。

$\alpha^2 + \alpha - 1 = 0$ より $1 - \alpha^2 = \alpha$ であるから、次のように計算できる。

$$\begin{aligned} a^2 &= f(\alpha) \\ &= (1 - \alpha^2)e^{2\alpha} \\ &= \alpha e^{2\alpha} \\ &= \frac{\sqrt{5} - 1}{2} e^{\sqrt{5} - 1} \end{aligned}$$

解法2

曲線 $y = ae^{-x}$ と円 $x^2 + y^2 = 1$ がただ1つの共有点を持つのは、2つの曲線が接するときである。 $a=0$ のとき、直線 $y=0$ と円 $x^2 + y^2 = 1$ の共有点は $(\pm 1, 0)$ の2つ存在し不適となるため、$a \neq 0$ である。

接点の座標を $(t, s)$ とすると、$s \neq 0$ であり、以下の2式が成り立つ。

$$s = ae^{-t}$$

$$t^2 + s^2 = 1$$

さらに、点 $(t, s)$ において2つの曲線の接線の傾きが等しい。 $y = ae^{-x}$ について $y' = -ae^{-x}$ であるから、接点における傾きは $-ae^{-t} = -s$ である。 $x^2 + y^2 = 1$ の両辺を $x$ で微分すると $2x + 2yy' = 0$ となるため、$s \neq 0$ のとき接点における傾きは $y' = -\frac{t}{s}$ である。

傾きが一致することから、次が成り立つ。

$$-s = -\frac{t}{s}$$

$$s^2 = t$$

これを $t^2 + s^2 = 1$ に代入する。

$$t^2 + t - 1 = 0$$

$s^2 = t \ge 0$ であるから、この2次方程式の正の解をとって $t = \frac{-1 + \sqrt{5}}{2}$ である。 $a = se^t$ の両辺を2乗して代入する。

$$\begin{aligned} a^2 &= s^2 e^{2t} \\ &= t e^{2t} \\ &= \frac{\sqrt{5} - 1}{2} e^{\sqrt{5} - 1} \end{aligned}$$

解説

2曲線が接する、あるいは共有点を持つ条件を求める典型問題である。解法1のように定数 $a^2$ を分離し、1変数関数の最大・最小問題に帰着させる手法(定数分離)は、方程式の実数解の個数を視覚的に捉えやすく非常に汎用性が高い。

解法2のように「接点を $(t, s)$ とおく」というアプローチも王道である。「通る(座標を満たす)」ことと「接する(微分係数が等しい)」ことの2つの条件を立式することで、簡潔に方程式を導くことができる。極値の計算において $\alpha^2 + \alpha - 1 = 0$ の関係を用いて次数下げを行うテクニックは、計算ミスを防ぐために重要である。

答え

$a^2 = \frac{\sqrt{5} - 1}{2} e^{\sqrt{5} - 1}$

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