トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 22

数学3 接線・不等式 問題 22 解説

数学3 接線・不等式 問題 22 解説

方針・初手

不等式を $x$ の関数と定数 $k$ の関係式とみて、定数を右辺または左辺に分離する「定数分離」を行うか、両辺の差を関数としてその最小値が $0$ 以上となる条件を考える。

解法1

$x>0$ であるから、与えられた不等式 $kx^2 \geqq \log x$ の両辺を $x^2$ で割っても同値である。

$$k \geqq \frac{\log x}{x^2}$$

$f(x) = \frac{\log x}{x^2}$ とおく。すべての $x>0$ において $k \geqq f(x)$ が成り立つためには、$k$ が $f(x)$ の最大値以上であればよい。

$f(x)$ を微分すると、

$$\begin{aligned} f'(x) &= \frac{\frac{1}{x} \cdot x^2 - (\log x) \cdot 2x}{x^4} \\ &= \frac{x - 2x\log x}{x^4} \\ &= \frac{1 - 2\log x}{x^3} \end{aligned}$$

$f'(x) = 0$ とすると、$1 - 2\log x = 0$ より $\log x = \frac{1}{2}$、すなわち $x = e^{\frac{1}{2}} = \sqrt{e}$ である。 $x>0$ における $f(x)$ の増減は以下のようになる。

$0 < x < \sqrt{e}$ のとき、$\log x < \frac{1}{2}$ より $f'(x) > 0$ $x > \sqrt{e}$ のとき、$\log x > \frac{1}{2}$ より $f'(x) < 0$

したがって、$f(x)$ は $x = \sqrt{e}$ で最大値をとる。その値は、

$$f(\sqrt{e}) = \frac{\log \sqrt{e}}{(\sqrt{e})^2} = \frac{\frac{1}{2}}{e} = \frac{1}{2e}$$

よって、すべての $x>0$ で $k \geqq f(x)$ が成り立つ条件は $k \geqq \frac{1}{2e}$ である。 これを満たす定数 $k$ のうちで最小のものは $\frac{1}{2e}$ である。

解法2

$g(x) = kx^2 - \log x$ $(x > 0)$ とおく。すべての正の数 $x$ に対して $g(x) \geqq 0$ が成り立つ条件を考える。 $x = 1$ のとき、$g(1) = k \geqq 0$ であるから、$k \geqq 0$ が必要である。 もし $k = 0$ とすると $g(x) = -\log x$ となり、$x>1$ で $g(x)<0$ となるため不適である。よって $k > 0$ としてよい。

$g(x)$ を微分すると、

$$g'(x) = 2kx - \frac{1}{x} = \frac{2kx^2 - 1}{x}$$

$g'(x) = 0$ となるのは $x^2 = \frac{1}{2k}$ のときであり、$x > 0$ かつ $k > 0$ より $x = \frac{1}{\sqrt{2k}}$ である。 $x > 0$ において、$x$ が $\frac{1}{\sqrt{2k}}$ を境に $g'(x)$ の符号は負から正へと変化するため、$g(x)$ は $x = \frac{1}{\sqrt{2k}}$ で最小となる。

最小値は、

$$\begin{aligned} g\left(\frac{1}{\sqrt{2k}}\right) &= k \left(\frac{1}{\sqrt{2k}}\right)^2 - \log \left(\frac{1}{\sqrt{2k}}\right) \\ &= \frac{1}{2} - \log (2k)^{-\frac{1}{2}} \\ &= \frac{1}{2} + \frac{1}{2}\log 2k \end{aligned}$$

すべての $x > 0$ で $g(x) \geqq 0$ となる条件は、(最小値) $\geqq 0$ であるから、

$$\frac{1}{2} + \frac{1}{2}\log 2k \geqq 0$$

$$1 + \log 2k \geqq 0$$

$$\log 2k \geqq -1$$

$$2k \geqq e^{-1} = \frac{1}{e}$$

$$k \geqq \frac{1}{2e}$$

これは $k > 0$ を満たす。 以上より、求める最小の定数 $k$ は $\frac{1}{2e}$ である。

解説

不等式が常に成り立つ条件を求める問題である。定数を片辺にまとめる「定数分離」の手法(解法1)が、計算量が少なく見通しも良いため定石となる。解法2のように差をとって最小値を考える方法でも正解にたどり着くが、関数の中に未定定数 $k$ が含まれるため、極値をとる $x$ の値が $k$ に依存し、計算がやや煩雑になる。

答え

$$\frac{1}{2e}$$

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