トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 23

数学3 接線・不等式 問題 23 解説

数学3 接線・不等式 問題 23 解説

方針・初手

曲線 $y = \log x$ と直線 $y = px + q$ が共有点を持たない条件を考える。これは、方程式 $\log x = px + q$ すなわち $\log x - px - q = 0$ が定義域 $x > 0$ において実数解を持たないことと同値である。

関数 $f(x) = \log x - px - q$ を定義し、微分を用いて $x > 0$ における最大値(または値域)を調べ、その最大値が $0$ 未満となるような $p, q$ の条件を求める方針が標準的である。また、曲線の凸性と接線の位置関係を利用して図形的に処理することも有効である。

解法1

関数 $f(x)$ を次のように定める。

$$f(x) = \log x - px - q \quad (x > 0)$$

方程式 $f(x) = 0$ が $x > 0$ の範囲で実数解を持たないような $p, q$ の条件を求める。 $f(x)$ を $x$ で微分すると、次のようになる。

$$f'(x) = \frac{1}{x} - p$$

$p$ の値によって場合分けをして $f(x)$ の増減を調べる。

(i) $p \leqq 0$ のとき

$x > 0$ において $\frac{1}{x} > 0$ であるから、常に $f'(x) > 0$ となる。 したがって、$f(x)$ は単調に増加する。 ここで、$x \to \infty$ のときの極限を考えると、

$$\lim_{x \to \infty} f(x) = \lim_{x \to \infty} (\log x - px - q) = \infty$$

となる($p \leqq 0$ なので $-px \geqq 0$ であり、$\log x \to \infty$ のため)。 また、$x \to +0$ のときの極限は、

$$\lim_{x \to +0} f(x) = \lim_{x \to +0} (\log x - px - q) = -\infty$$

となる。 $f(x)$ は連続関数であり、負の値から正の値まで単調に増加するため、中間値の定理より $f(x) = 0$ となる $x > 0$ が必ず存在する。 ゆえに、この場合は直線と曲線は必ず共有点を持つため、条件を満たさない。

(ii) $p > 0$ のとき

$f'(x) = 0$ とすると、$x = \frac{1}{p}$ となる。 $x > 0$ における $f(x)$ の増減表は次のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{p}$ $\cdots$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(x)$ は $x = \frac{1}{p}$ で最大値をとり、その最大値は

$$\begin{aligned} f\left(\frac{1}{p}\right) &= \log \left(\frac{1}{p}\right) - p \cdot \frac{1}{p} - q \\ &= -\log p - 1 - q \end{aligned}$$

となる。 方程式 $f(x) = 0$ が $x > 0$ において実数解を持たないための必要十分条件は、この最大値が負となることである。

$$-\log p - 1 - q < 0$$

これを $q$ について解くと、

$$q > -\log p - 1$$

を得る。これは $p > 0$ という前提のもとでの条件である。

以上 (i), (ii) より、求める必要十分条件は $p > 0$ かつ $q > -\log p - 1$ である。

解法2

曲線 $y = \log x$ のグラフは、定義域 $x > 0$ において $y' = \frac{1}{x}$, $y'' = -\frac{1}{x^2} < 0$ であるため、常に上に凸な曲線である。

まず、直線 $y = px + q$ の傾き $p$ が $p \leqq 0$ の場合を考える。 $x \to +0$ のとき $\log x \to -\infty$、また $x \to \infty$ のとき $\log x \to \infty$ である。傾きが $0$ 以下の直線は、この曲線と必ず交わる。したがって、共有点を持たないためには $p > 0$ が必要である。

次に、$p > 0$ の場合を考える。 傾きが $p$ であるような $y = \log x$ の接線を求める。 $y' = \frac{1}{x}$ より、接線の傾きが $p$ となる接点の $x$ 座標は

$$\frac{1}{x} = p \iff x = \frac{1}{p}$$

である。このとき接点の $y$ 座標は $\log \frac{1}{p} = -\log p$ となる。 よって、接線の方程式は

$$y - (-\log p) = p\left(x - \frac{1}{p}\right)$$

整理して、

$$y = px - 1 - \log p$$

となる。 曲線 $y = \log x$ は上に凸であるから、接線以外の曲線の部分はすべて接線よりも下側にある。 したがって、傾きが $p$ の直線 $y = px + q$ が曲線 $y = \log x$ と共有点を持たないための必要十分条件は、この直線が接線よりも上側に位置することである。 すなわち、$y$ 切片を比較して

$$q > -1 - \log p$$

が成り立つことである。

解説

方程式の実数解の個数や存在条件を問う典型問題である。定数分離($q = \log x - px$ として関数と直線の交点を考えるなど)を行って解くことも可能だが、本解法1のようにそのまま差をとって関数を設定し、最大値を評価するのが最も確実で記述もシンプルになる。

また、解法2のように曲線の凸性に着目して視覚的な位置関係(接線より上にあるか下にあるか)に帰着させる考え方も、見通しを良くするために非常に重要である。いずれの解法においても、「傾き $p$ が $0$ 以下の場合には必ず交わってしまう」という自明にも思える事実を、増減や極限を用いて論理的に記述し、場合分けの抜けを防ぐことが減点を避けるポイントとなる。

答え

$$p > 0 \text{ かつ } q > -\log p - 1$$

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