数学3 接線・不等式 問題 29 解説

方針・初手
点 $\text{Q}$ における曲線 $C$ の接線が直線 $\text{PQ}$ と直交するという条件は、点 $\text{P}$ が点 $\text{Q}$ における曲線 $C$ の法線上にあることと同値である。
したがって、まずは曲線 $C$ 上の点 $\text{Q}$ における法線の方程式を求め、それが点 $\text{P}(0, a)$ を通るという条件から $a$ の満たすべき方程式を導く。そして、その方程式が条件(原点以外の点であること)を満たす実数解をもつような $a$ の範囲を定数分離などの手法を用いて調べる。
解法1
関数 $y = \frac{x^2}{x^2+1}$ について、$x$ で微分すると
$$ y' = \frac{2x(x^2+1) - x^2 \cdot 2x}{(x^2+1)^2} = \frac{2x}{(x^2+1)^2} $$
となる。
点 $\text{Q}$ の $x$ 座標を $t$ とおく。点 $\text{Q}$ は原点 $\text{O}(0, 0)$ ではないため、$t \neq 0$ である。 点 $\text{Q} \left( t, \frac{t^2}{t^2+1} \right)$ における接線の傾きは $\frac{2t}{(t^2+1)^2}$ であり、$t \neq 0$ よりこれは $0$ ではない。
したがって、点 $\text{Q}$ における接線に直交する直線(法線)の傾きは $-\frac{(t^2+1)^2}{2t}$ となる。 ゆえに、点 $\text{Q}$ における法線の方程式は
$$ y - \frac{t^2}{t^2+1} = -\frac{(t^2+1)^2}{2t} (x - t) $$
と表される。 この法線上に点 $\text{P}(0, a)$ が存在するので、$x = 0$、$y = a$ を代入して
$$ a - \frac{t^2}{t^2+1} = -\frac{(t^2+1)^2}{2t} (0 - t) $$
$$ a = \frac{t^2}{t^2+1} + \frac{(t^2+1)^2}{2} $$
を得る。 この方程式を満たす $0$ でない実数 $t$ が存在するような $a$ の範囲を求めればよい。
ここで、$t^2+1 = u$ とおく。 $t$ は $0$ でない実数であるから $t^2 > 0$ であり、$u > 1$ である。 方程式を $u$ で表し、右辺を $g(u)$ とおくと
$$ g(u) = \frac{u-1}{u} + \frac{u^2}{2} = 1 - \frac{1}{u} + \frac{1}{2}u^2 $$
となる。 関数 $g(u)$ を $u$ について微分すると
$$ g'(u) = \frac{1}{u^2} + u $$
$u > 1$ において $g'(u) > 0$ であるから、関数 $g(u)$ は $u > 1$ の範囲で単調に増加する。 また、
$$ \lim_{u \to 1+0} g(u) = 1 - 1 + \frac{1}{2} = \frac{1}{2} $$
であり、$\lim_{u \to \infty} g(u) = \infty$ であるから、$u > 1$ における $g(u)$ のとりうる値の範囲は $\frac{1}{2} < g(u)$ となる。
したがって、求める $a$ の範囲は $a > \frac{1}{2}$ である。
解説
「接線とある直線が直交する」という条件を、「ある点が法線上にある」と言い換えることで、処理が非常にスムーズになる典型的な問題である。
方程式を導いた後は、定数 $a$ が孤立した形(定数分離)になっているため、右辺の関数の値域を求めることに帰着できる。このとき、$t$ のままで微分して増減を調べることも可能だが、$t^2+1 = u$ のように置き換える(変数変換する)ことで、計算の見通しが格段に良くなる。置換した際は、新しい変数の定義域(今回であれば $u > 1$)を正しく求めることが重要である。
答え
$$ a > \frac{1}{2} $$
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