トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 33

数学3 接線・不等式 問題 33 解説

数学3 接線・不等式 問題 33 解説

方針・初手

(1) は指数に変数を含み、かつ底が $1-x$, $1+x$ という形をしている。底が正であることを確認したうえで、両辺の自然対数をとり、関数として扱って微分を用いて不等式を証明する。分母の $x$ を払う際、$x$ の符号によって場合分けが生じることに注意する。

(2) は (1) で証明した不等式を利用する誘導問題である。$0.9999 = 1 - 0.01^2 = (1+0.01)(1-0.01) = 1.01 \times 0.99$ という数の構造に着目し、(1) の不等式に $x = 0.01$ や $x = -0.01$ を代入することで目的の不等式を導く。

解法1

(1)

$-1 < x < 1$ かつ $x \neq 0$ のとき、$1-x > 0$, $1+x > 0$ である。 示すべき不等式の両辺は正であるため、両辺の自然対数をとった不等式

$$\left( 1 - \frac{1}{x} \right) \log(1-x) < \frac{1}{x} \log(1+x)$$

すなわち

$$\frac{x-1}{x} \log(1-x) < \frac{1}{x} \log(1+x)$$

を示せばよい。

(i) $0 < x < 1$ のとき

両辺に正の数 $x$ を掛けると、

$$(x-1) \log(1-x) < \log(1+x)$$

整理して、

$$\log(1+x) + (1-x) \log(1-x) > 0$$

となる。これを証明する。 $f(x) = \log(1+x) + (1-x) \log(1-x)$ とおく。 $f(x)$ を $x$ で微分すると、

$$f'(x) = \frac{1}{1+x} - \log(1-x) + (1-x) \cdot \frac{-1}{1-x}$$

$$f'(x) = \frac{1}{1+x} - \log(1-x) - 1$$

$$f'(x) = -\frac{x}{1+x} - \log(1-x)$$

さらに微分すると、

$$f''(x) = -\frac{1 \cdot (1+x) - x \cdot 1}{(1+x)^2} - \frac{-1}{1-x}$$

$$f''(x) = -\frac{1}{(1+x)^2} + \frac{1}{1-x}$$

$$f''(x) = \frac{-(1-x) + (1+x)^2}{(1+x)^2(1-x)}$$

$$f''(x) = \frac{-1 + x + 1 + 2x + x^2}{(1+x)^2(1-x)}$$

$$f''(x) = \frac{x^2+3x}{(1+x)^2(1-x)}$$

$0 < x < 1$ において、$x^2+3x > 0$, $(1+x)^2(1-x) > 0$ であるから、$f''(x) > 0$ となる。 したがって、$f'(x)$ は $0 < x < 1$ において単調に増加する。 また、$x=0$ における $f'(x)$ の値は

$$f'(0) = 0 - \log 1 = 0$$

である。よって、$0 < x < 1$ において $f'(x) > f'(0) = 0$ となる。 これにより、$f(x)$ は $0 < x < 1$ において単調に増加する。 さらに、$x=0$ における $f(x)$ の値は

$$f(0) = \log 1 + 1 \cdot \log 1 = 0$$

である。よって、$0 < x < 1$ において $f(x) > f(0) = 0$ が成り立つ。 以上より、$0 < x < 1$ のとき与えられた不等式は成り立つ。

(ii) $-1 < x < 0$ のとき

$$\frac{x-1}{x} \log(1-x) < \frac{1}{x} \log(1+x)$$

の両辺に負の数 $x$ を掛けると不等号の向きが変わり、

$$(x-1) \log(1-x) > \log(1+x)$$

整理して、

$$\log(1+x) + (1-x) \log(1-x) < 0$$

となる。すなわち、(i) と同じ関数 $f(x)$ について $f(x) < 0$ を示せばよい。 (i) と同様に計算して $f''(x) = \frac{x(x+3)}{(1+x)^2(1-x)}$ である。 $-1 < x < 0$ において、$x < 0$, $x+3 > 0$, $(1+x)^2(1-x) > 0$ であるから、$f''(x) < 0$ となる。 したがって、$f'(x)$ は $-1 < x < 0$ において単調に減少する。 $f'(0) = 0$ より、$-1 < x < 0$ において $f'(x) > f'(0) = 0$ となる。 これにより、$f(x)$ は $-1 < x < 0$ において単調に増加する。 $f(0) = 0$ より、$-1 < x < 0$ において $f(x) < f(0) = 0$ が成り立つ。 以上より、$-1 < x < 0$ のときも与えられた不等式は成り立つ。

(i), (ii) より、$-1 < x < 1$, $x \neq 0$ をみたす実数 $x$ について、与えられた不等式は成り立つ。(証明終)

(2)

(1) で示した不等式

$$(1-x)^{1-\frac{1}{x}} < (1+x)^{\frac{1}{x}}$$

を用いる。

(ア) $0.99 < 0.9999^{100}$ の証明

(1) の不等式に $x = 0.01$ を代入すると、

$$(1 - 0.01)^{1 - \frac{1}{0.01}} < (1 + 0.01)^{\frac{1}{0.01}}$$

$$0.99^{1 - 100} < 1.01^{100}$$

$$0.99^{-99} < 1.01^{100}$$

両辺に正の数 $0.99^{100}$ を掛けると、

$$0.99^{-99} \cdot 0.99^{100} < 1.01^{100} \cdot 0.99^{100}$$

$$0.99 < (1.01 \cdot 0.99)^{100}$$

ここで、$1.01 \cdot 0.99 = (1+0.01)(1-0.01) = 1 - 0.01^2 = 1 - 0.0001 = 0.9999$ であるから、

$$0.99 < 0.9999^{100}$$

が成り立つ。

(イ) $0.9999^{101} < 0.99$ の証明

(1) の不等式に $x = -0.01$ を代入すると、

$$(1 - (-0.01))^{1 - \frac{1}{-0.01}} < (1 + (-0.01))^{\frac{1}{-0.01}}$$

$$1.01^{1 - (-100)} < 0.99^{-100}$$

$$1.01^{101} < 0.99^{-100}$$

両辺に正の数 $0.99^{101}$ を掛けると、

$$1.01^{101} \cdot 0.99^{101} < 0.99^{-100} \cdot 0.99^{101}$$

$$(1.01 \cdot 0.99)^{101} < 0.99$$

(ア) と同様に $1.01 \cdot 0.99 = 0.9999$ であるから、

$$0.9999^{101} < 0.99$$

が成り立つ。

(ア), (イ) より、

$$0.9999^{101} < 0.99 < 0.9999^{100}$$

が示された。(証明終)

解説

(1) は指数の形が複雑な不等式の証明であり、対数をとって関数化し微分で調べるという定石通りのアプローチが有効である。対数をとる前に真数条件(底が正であること)を確認することや、分母の $x$ を払う際に $x$ の正負で場合分けを行うことが重要である。二次導関数まで求めることで符号判定が容易になる。

(2) は (1) の結果を利用する典型的な誘導問題である。$0.9999 = 1.01 \times 0.99$ であることを見抜き、(1) の不等式に $x = 0.01$ と $x = -0.01$ を代入する発想を持てるかが鍵となる。代入後は、目的の不等式の形に近づけるために両辺に適切な数を掛けて整理していく。

答え

(1) 与式は成立する(証明は解法1を参照)

(2) 与式は成立する(証明は解法1を参照)

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