トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 37

数学3 接線・不等式 問題 37 解説

数学3 接線・不等式 問題 37 解説

方針・初手

(1) は差の関数 $f(x) = x - 2\log x$ をおき、微分を用いて $x \geqq 1$ における最小値が正であることを示す。その際、与えられた自然対数の底 $e$ の範囲を利用して、最小値の符号を判定する。

(2) は (1) の結果を利用する。示したい不等式の両辺の形から、自然対数をとることで (1) で示した不等式と結びつける発想が有効である。ただし、対数をとるためには真数が正でなければならないため、左辺の底が $0$ になる $n=1$ の場合と、正になる $n \geqq 2$ の場合で分けて議論を進める。

解法1

(1)

$$f(x) = x - 2\log x \quad (x \geqq 1)$$

とおく。関数 $f(x)$ を $x$ で微分すると、以下のようになる。

$$f'(x) = 1 - \frac{2}{x} = \frac{x-2}{x}$$

$x \geqq 1$ において、$f'(x) = 0$ となるのは $x = 2$ のときである。したがって、$f(x)$ の増減表は次のようになる。

$x$ $1$ $\cdots$ $2$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $1$ $\searrow$ $2-2\log 2$ $\nearrow$

増減表より、$f(x)$ は $x = 2$ のとき極小かつ最小となる。その値は $f(2) = 2 - 2\log 2$ である。

ここで、与えられた条件 $2.7 < e < 2.8$ より $2 < e$ である。底 $e$ は $e > 1$ であり、対数関数は単調増加であるから、$\log 2 < \log e = 1$ が成り立つ。

両辺を $2$ 倍して $2\log 2 < 2$ となるため、$f(2) = 2 - 2\log 2 > 0$ であることがわかる。

したがって、$x \geqq 1$ のすべての実数において $f(x) \geqq f(2) > 0$ となる。

ゆえに、$x - 2\log x > 0$、すなわち $x > 2\log x$ が成り立つ。

(2)

(1) の結果より、$x \geqq 1$ を満たす任意の実数 $x$ で $x > 2\log x$ が成り立つ。自然数 $n$ は $n \geqq 1$ であるため、(1) の不等式に $x = n$ を代入して、以下の不等式が成り立つ。

$$n > 2\log n \quad \cdots \text{①}$$

示したい不等式 $(2n\log n)^n < e^{2n\log n}$ について、$n=1$ の場合と $n \geqq 2$ の場合に分けて示す。

(i) $n = 1$ のとき

左辺に $n=1$ を代入すると、$(2 \cdot 1 \cdot \log 1)^1 = 0^1 = 0$ である。

右辺に $n=1$ を代入すると、$e^{2 \cdot 1 \cdot \log 1} = e^0 = 1$ である。

$0 < 1$ であるから、不等式は成り立つ。

(ii) $n \geqq 2$ のとき

$n \geqq 2$ のとき、$\log n \geqq \log 2 > 0$ であるから、$2n\log n > 0$ である。

不等式①の両辺に正の数 $n$ を掛けると、以下のようになる。

$$n^2 > 2n\log n$$

ここで、$n \geqq 2$ より両辺はともに正であるから、底を $e$ とする自然対数をとると、単調増加性より不等号の向きは変わらず、次の式を得る。

$$\log(n^2) > \log(2n\log n)$$

$$2\log n > \log(2n\log n)$$

この両辺に正の数 $n$ を掛けると、以下のようになる。

$$2n\log n > n\log(2n\log n)$$

底が $e > 1$ である指数関数は単調増加であるから、両辺を指数とする $e$ の累乗を考えると、次の不等式が成り立つ。

$$e^{2n\log n} > e^{n\log(2n\log n)}$$

右辺は対数の性質を用いて次のように変形できる。

$$e^{n\log(2n\log n)} = e^{\log(2n\log n)^n} = (2n\log n)^n$$

これらをまとめると、以下の不等式が成り立つ。

$$e^{2n\log n} > (2n\log n)^n$$

(i)(ii) の議論より、すべての自然数 $n$ に対して $(2n\log n)^n < e^{2n\log n}$ が成り立つ。

解説

不等式の証明において、前問の結果をどのように活用するかが鍵となる問題である。

(2) において、指数を含む不等式を証明する際、両辺の対数をとって比較する手法は定石である。しかし、対数をとるためには「真数が正であること」を必ず確認しなければならない。本問では、左辺の $(2n\log n)^n$ の底である $2n\log n$ が $n=1$ のときに $0$ となってしまうため、対数をとる操作ができない。そのため、$n=1$ の場合を個別に確認し、$n \geqq 2$ の場合についてのみ対数を用いた証明を行うという場合分けの処理が必須となる。

また、不等式の両辺に文字式を掛けたり、対数や指数をとったりする操作ごとに、その値が正であることや底が $1$ より大きいこと(単調増加性の確認)を明記することが、論理の飛躍を防ぐために重要である。

答え

(1) $f(x) = x - 2\log x$ とおき、$x \geqq 1$ における最小値が正であることを示して題意を証明した。

(2) $n=1$ の場合と $n \geqq 2$ の場合に分け、$n \geqq 2$ の場合は (1) の結果を利用して題意を証明した。

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。