トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 38

数学3 接線・不等式 問題 38 解説

数学3 接線・不等式 問題 38 解説

方針・初手

(1) は微分を用いて接線 $l$ の方程式を求め、点と直線の距離の公式を用いて線分 $\text{OP}$ の長さを計算する。

(2) は $y$ 切片の座標から線分 $\text{OQ}$ の長さを求め、直角三角形 $\text{OPQ}$ に着目して $\cos\theta$ を求め、相互関係から $\sin\theta$ を導出する。

(3) は $\sin\theta$ の式から最大値を求めるが、根号の中に変数を含むため、$\sin^2\theta$ の逆数をとって微分し、最小値を求める方針が有効である。式が偶関数であることに着目して定義域を絞る。

解法1

(1)

$f(x) = e^{-x^2}$ を微分すると、合成関数の微分法より以下のようになる。

$$f'(x) = -2xe^{-x^2}$$

点 $\text{A}(a, e^{-a^2})$ における接線 $l$ の方程式は、

$$y - e^{-a^2} = -2ae^{-a^2}(x - a)$$

$$2ae^{-a^2}x + y - e^{-a^2}(2a^2 + 1) = 0$$

点 $\text{P}$ は原点 $\text{O}$ から接線 $l$ に下ろした垂線の足であるから、線分 $\text{OP}$ の長さは原点 $\text{O}(0, 0)$ と直線 $l$ との距離に等しい。

点と直線の距離の公式より、

$$\text{OP} = \frac{|-e^{-a^2}(2a^2 + 1)|}{\sqrt{(2ae^{-a^2})^2 + 1^2}}$$

ここで、$e^{-a^2} > 0$ かつ $2a^2 + 1 > 0$ であるから、絶対値記号はそのまま外すことができる。

$$\text{OP} = \frac{e^{-a^2}(2a^2 + 1)}{\sqrt{4a^2e^{-2a^2} + 1}}$$

分母と分子に $e^{a^2}$ を掛けて整理する。

$$\text{OP} = \frac{2a^2 + 1}{\sqrt{4a^2 + e^{2a^2}}}$$

(2)

直線 $l$ の方程式に $x = 0$ を代入して $y$ 切片を求める。

$$y = e^{-a^2}(2a^2 + 1)$$

よって、点 $\text{Q}$ の座標は $(0, e^{-a^2}(2a^2 + 1))$ であり、線分 $\text{OQ}$ の長さは以下の通りである。

$$\text{OQ} = e^{-a^2}(2a^2 + 1)$$

直線 $\text{OP}$ と直線 $l$ は垂直であるから、$\triangle\text{OPQ}$ は $\angle\text{OPQ} = \frac{\pi}{2}$ の直角三角形である。

$\angle\text{POQ} = \theta$ であるから、直角三角形の三角比の定義より、

$$\cos\theta = \frac{\text{OP}}{\text{OQ}} = \frac{ \frac{e^{-a^2}(2a^2 + 1)}{\sqrt{4a^2e^{-2a^2} + 1}} }{ e^{-a^2}(2a^2 + 1) } = \frac{1}{\sqrt{4a^2e^{-2a^2} + 1}}$$

$0 \le \theta \le \pi$ より $\sin\theta \ge 0$ であるため、三角比の相互関係を用いて $\sin\theta$ を求める。

$$\sin\theta = \sqrt{1 - \cos^2\theta} = \sqrt{1 - \frac{1}{4a^2e^{-2a^2} + 1}} = \sqrt{\frac{4a^2e^{-2a^2}}{4a^2e^{-2a^2} + 1}}$$

根号を整理し、分母と分子に $e^{a^2}$ を掛ける。 $\sqrt{a^2} = |a|$ であることに注意する。

$$\sin\theta = \frac{2|a|e^{-a^2}}{\sqrt{4a^2e^{-2a^2} + 1}} = \frac{2|a|}{\sqrt{4a^2 + e^{2a^2}}}$$

(3)

$\sin\theta \ge 0$ より、$\sin\theta$ が最大となるとき、$\sin^2\theta$ も最大となる。

$a = 0$ のとき $\sin\theta = 0$ となり最大値はとらないため、$a \neq 0$ と仮定してよい。

$\sin^2\theta$ の逆数を考えると、

$$\frac{1}{\sin^2\theta} = \frac{4a^2 + e^{2a^2}}{4a^2} = 1 + \frac{e^{2a^2}}{4a^2}$$

$\sin^2\theta$ が最大となるとき、$\frac{1}{\sin^2\theta}$ は最小となる。

そこで、第2項を $h(a) = \frac{e^{2a^2}}{4a^2}$ とおく。

$h(a)$ は偶関数($h(-a) = h(a)$)であるため、$a > 0$ の範囲で増減を調べる。

$$h'(a) = \frac{ (e^{2a^2})' \cdot 4a^2 - e^{2a^2} \cdot (4a^2)' }{(4a^2)^2}$$

$$h'(a) = \frac{ 4ae^{2a^2} \cdot 4a^2 - e^{2a^2} \cdot 8a }{ 16a^4 } = \frac{ 8ae^{2a^2}(2a^2 - 1) }{ 16a^4 } = \frac{ e^{2a^2}(2a^2 - 1) }{ 2a^3 }$$

$a > 0$ において $h'(a) = 0$ となるのは、$2a^2 - 1 = 0$ すなわち $a = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のときである。

$a > 0$ における増減表は以下のようになる。

$$\begin{array}{c|ccc} a & (0) & \cdots & \frac{1}{\sqrt{2}} & \cdots \\ \hline h'(a) & & - & 0 & + \\ \hline h(a) & & \searrow & 極小 & \nearrow \\ \end{array}$$

増減表より、$h(a)$ は $a = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき最小となる。

このときの $h(a)$ の最小値は、

$$h\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \frac{e^{2(1/2)}}{4(1/2)} = \frac{e}{2}$$

したがって、$\frac{1}{\sin^2\theta}$ の最小値は $1 + \frac{e}{2} = \frac{e+2}{2}$ となり、$\sin^2\theta$ の最大値は $\frac{2}{e+2}$ である。

$\sin\theta \ge 0$ より、$\sin\theta$ の最大値は $\sqrt{\frac{2}{e+2}}$ となる。

また、$h(a)$ は偶関数であるため、$a = -\frac{1}{\sqrt{2}}$ のときも同様に最大値をとる。

解説

(1) では接線の方程式を正確に立式し、点と直線の距離の公式を利用する。

(2) は図形的な特徴(直角三角形 $\text{OPQ}$)に気づけるかが鍵となる。無理に交点 $\text{P}$ の座標を求めようとすると計算が非常に煩雑になるため、幾何的な性質を利用することが重要である。

(3) は分母と分子の両方に変数がある関数の最大値問題である。分子が定数になるように逆数をとり、さらに偶関数であることを利用して定義域を正の範囲に絞ることで、計算ミスを減らし見通しよく解くことができる。

答え

(1) $\frac{2a^2 + 1}{\sqrt{4a^2 + e^{2a^2}}}$

(2) $\sin\theta = \frac{2|a|}{\sqrt{4a^2 + e^{2a^2}}}$

(3) $a = \pm\frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき、最大値 $\sqrt{\frac{2}{e+2}}$

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