数学3 接線・不等式 問題 41 解説

方針・初手
(1)は与えられた関数を微分して増減を調べ、最小値を求める。 (2)は不等式を(1)で考えた関数の形に帰着させ、「常に不等式が成り立つ」という条件を「(最小値) $> 1$」という条件に言い換える。
解法1
(1)
与えられた関数 $g(x) = e^x x^{-t}$ を $x$ について微分する。積の微分公式より
$$\begin{aligned} g'(x) &= (e^x)' x^{-t} + e^x (x^{-t})' \\ &= e^x x^{-t} + e^x (-t x^{-t-1}) \\ &= x^{-t-1} e^x (x - t) \end{aligned}$$
$x > 0$ において、$x^{-t-1} > 0$ かつ $e^x > 0$ であるから、$g'(x)$ の符号は $x - t$ の符号と一致する。 $t$ は正の定数であるから、$x > 0$ における $g(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $(0)$ | $\cdots$ | $t$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $g'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ | |
| $g(x)$ | $\searrow$ | 極小かつ最小 | $\nearrow$ |
よって、$g(x)$ は $x = t$ のとき最小値をとる。 その最小値は
$$g(t) = e^t t^{-t} = \left( \frac{e}{t} \right)^t$$
である。
(2)
すべての正の実数 $x$ に対して $e^x > x^t$ が成り立つための必要十分条件を求める。 $x > 0$ より $x^t > 0$ であるから、不等式の両辺を $x^t$ で割ると
$$\frac{e^x}{x^t} > 1$$
すなわち
$$g(x) > 1$$
となる。したがって、求める必要十分条件は、すべての正の実数 $x$ に対して $g(x) > 1$ が成り立つこと、すなわち
$$(g(x) \text{の最小値}) > 1$$
が成り立つことである。 (1) の結果より、$g(x)$ の最小値は $\left( \frac{e}{t} \right)^t$ であるから
$$\left( \frac{e}{t} \right)^t > 1$$
両辺は正であるから、底 $e$ の自然対数をとると
$$\log \left( \frac{e}{t} \right)^t > \log 1$$
$$t (\log e - \log t) > 0$$
$$t (1 - \log t) > 0$$
$t$ は正の定数であるから $t > 0$ であり、両辺を $t$ で割ると
$$1 - \log t > 0$$
$$\log t < 1$$
底 $e$ は $1$ より大きいので
$$t < e^1 = e$$
を得る。 以上より、すべての正の実数 $x$ に対して $e^x > x^t$ が成り立つための必要十分条件は、$t < e$ であることが示された。
解説
(1)で求めた関数の最小値を用いて、(2)の不等式の成立条件を議論する典型的な誘導問題である。 不等式 $A > B$ が常に成り立つ条件を考える際、「$(A - B \text{の最小値}) > 0$」とする手法や、本問のように両辺が正であることを利用して「$\left(\frac{A}{B} \text{の最小値}\right) > 1$」とする手法は頻出である。 また、(2)の最後で指数や対数を含む不等式を解く際、真数条件や底と $1$ の大小関係(今回は底が $e > 1$)に注意して同値変形を行うことが重要である。
答え
(1) $e^t t^{-t}$ (または $\left( \frac{e}{t} \right)^t$)
(2) 解答の通り示された。
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