数学3 接線・不等式 問題 46 解説

方針・初手
(1) 曲線上の点における接線の方程式を立て、それが点 $(a, 0)$ を通るという条件を立式する。接点の $x$ 座標を $t$ としたとき、$t$ についての方程式がただ1つの実数解をもつことを、微分を用いて関数の増減と極限を調べることで示す。
(2) (1) の過程で得られた方程式に、$a = a_n$、$t = a_{n+1}$ を代入することで、$a_{n+1}$ と $a_n$ の関係式(漸化式)を得る。この関係式から数列 $\{a_n\}$ が正の無限大に発散することを示し、極限を計算する。
解法1
(1)
$f(x) = e^x + 1$ とおくと、$f'(x) = e^x$ である。 曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, e^t + 1)$ における接線の方程式は、
$$y - (e^t + 1) = e^t (x - t)$$
すなわち
$$y = e^t x - t e^t + e^t + 1$$
である。この直線が点 $(a, 0)$ を通るとき、
$$0 = a e^t - t e^t + e^t + 1$$
整理すると、
$$(t - a - 1)e^t - 1 = 0$$
となる。ここで、$g(t) = (t - a - 1)e^t - 1$ とおく。 条件を満たす接線がただ1つ存在することを示すには、$t$ についての方程式 $g(t) = 0$ が実数解をただ1つもつことを示せばよい。
$g(t)$ を $t$ で微分すると、
$$g'(t) = 1 \cdot e^t + (t - a - 1)e^t = (t - a)e^t$$
となる。$e^t > 0$ であるから、$g'(t) = 0$ となるのは $t = a$ のときのみである。 関数 $g(t)$ の増減表は以下のようになる。
| $t$ | $\cdots$ | $a$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|
| $g'(t)$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $g(t)$ | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
ここで、極小値は
$$g(a) = (a - a - 1)e^a - 1 = -e^a - 1 < 0$$
である。また、$t \to \infty$ のときの極限は、
$$\lim_{t \to \infty} g(t) = \lim_{t \to \infty} \{ (t - a - 1)e^t - 1 \} = \infty$$
であり、$t \to -\infty$ のときの極限は、$\lim_{t \to -\infty} t e^t = 0$ であることを用いると、
$$\lim_{t \to -\infty} g(t) = \lim_{t \to -\infty} \{ t e^t - (a + 1)e^t - 1 \} = -1$$
となる。
以上より、$t \leqq a$ の範囲では $g(t) \leqq -1 < 0$ であり、$g(t) = 0$ となる実数解は存在しない。 $t > a$ の範囲では、$g(t)$ は単調に増加し、$g(a) < 0$ かつ $\lim_{t \to \infty} g(t) = \infty$ であるから、中間値の定理より $g(t) = 0$ となる実数解がただ1つ存在する。
したがって、与えられた条件を満たす接線はただ1つ存在することが示された。
(2)
(1) の結果より、点 $(a_n, 0)$ を通り $y = e^x + 1$ に接する直線の接点の $x$ 座標 $a_{n+1}$ は、方程式 $g(t) = 0$ において $a = a_n$、$t = a_{n+1}$ とした式を満たす。すなわち、
$$(a_{n+1} - a_n - 1)e^{a_{n+1}} - 1 = 0$$
が成り立つ。これを変形すると、
$$a_{n+1} - a_n - 1 = \frac{1}{e^{a_{n+1}}} = e^{-a_{n+1}}$$
すなわち
$$a_{n+1} - a_n = 1 + e^{-a_{n+1}} \cdots \text{①}$$
を得る。すべての実数 $x$ において $e^x > 0$ であるから、$e^{-a_{n+1}} > 0$ であり、すべての自然数 $n$ について
$$a_{n+1} - a_n > 1$$
が成り立つ。 したがって、$n \geqq 2$ のとき、
$$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} (a_{k+1} - a_k) > 1 + \sum_{k=1}^{n-1} 1 = 1 + (n - 1) = n$$
となる。$a_1 = 1$ であるから、すべての自然数 $n$ に対して $a_n \geqq n$ が成り立つことがわかる。 これより、
$$\lim_{n \to \infty} a_n = \infty$$
であり、当然 $\lim_{n \to \infty} a_{n+1} = \infty$ となる。 ゆえに、
$$\lim_{n \to \infty} e^{-a_{n+1}} = 0$$
であるから、式①より
$$\lim_{n \to \infty} (a_{n+1} - a_n) = \lim_{n \to \infty} (1 + e^{-a_{n+1}}) = 1 + 0 = 1$$
となる。
解説
(1) は接線の方程式を立て、その接点がただ1つであることを示す典型的な微分法の問題である。方程式の実数解の個数は、関数を定義して増減と極限から判断する。$x \to -\infty$ での $x e^x \to 0$ は既知として用いて差し支えない。
(2) は (1) で得られた関係式を隣接2項間の漸化式として捉える問題である。直接一般項 $a_n$ を求めることはできないが、差分 $a_{n+1} - a_n$ に着目することで、数列が単調に増加し無限大に発散することを容易に示すことができる。極限を求める際に、はさみうちの原理などを厳密に適用する意識を持つことが重要である。
答え
(1) 題意は示された。
(2) $1$
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