数学3 接線・不等式 問題 52 解説

方針・初手
(1)、(2)は標準的な微分の計算と増減の調査である。 (3)は、(2)で調べた関数 $f(x) = \frac{\log x}{x}$ の単調性を利用して、2つの確率の大小を比較する。確率の値をそのまま比べるのは難しいため、対数をとるか、指数の形を関数の値と結びつける工夫が必要となる。
解法1
(1)
商の微分法を用いる。
$$f'(x) = \frac{(\log x)' \cdot x - \log x \cdot (x)'}{x^2} = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}$$
(2)
$x > 0$ において $x^2 > 0$ であるから、$f'(x)$ の符号は分子 $1 - \log x$ の符号と一致する。
$f'(x) = 0$ となる $x$ の値は、$\log x = 1$ より $x = e$ である。
したがって、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $(0)$ | $\cdots$ | $e$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $\frac{1}{e}$ | $\searrow$ |
ゆえに、$f(x)$ は $0 < x \le e$ の範囲で単調に増加し、$x \ge e$ の範囲で単調に減少する。
(3)
くじAで49回連続して当たりが出る確率を $P_A$、くじBで50回連続して当たりが出る確率を $P_B$ とすると、
$$P_A = \left( \frac{1}{50} \right)^{49} = \frac{1}{50^{49}}$$
$$P_B = \left( \frac{1}{49} \right)^{50} = \frac{1}{49^{50}}$$
これら2つの値の大小関係は、分母である $50^{49}$ と $49^{50}$ の大小関係によって決まる。
(2)の増減表より、関数 $f(x) = \frac{\log x}{x}$ は $x \ge e$ において単調減少である。
$e < 49 < 50$ であるから、
$$f(49) > f(50)$$
すなわち、
$$\frac{\log 49}{49} > \frac{\log 50}{50}$$
両辺に正の数 $49 \times 50$ を掛けると、
$$50 \log 49 > 49 \log 50$$
対数の性質より、
$$\log 49^{50} > \log 50^{49}$$
底 $e > 1$ より、
$$49^{50} > 50^{49}$$
両辺は正であるから、逆数をとると不等号の向きが変わり、
$$\frac{1}{49^{50}} < \frac{1}{50^{49}}$$
よって、$P_B < P_A$ が成り立つ。
したがって、くじAで49回連続して当たりが出る確率の方が大きい。
解説
前問の結果を利用して数の大小比較を行う典型問題である。
累乗の形のままでは比較が難しいため、対数をとることで $f(x) = \frac{\log x}{x}$ の形を作り出し、関数の単調性を利用するという流れに気づけるかがポイントとなる。
$A^B$ と $B^A$ の大小比較には、両辺の自然対数をとって $\frac{\log A}{A}$ と $\frac{\log B}{B}$ の大小比較に帰着させる手法がよく用いられるため、解法として定着させておきたい。
答え
(1)
$$f'(x) = \frac{1 - \log x}{x^2}$$
(2) $0 < x \le e$ のとき単調増加、$x \ge e$ のとき単調減少
(3) くじAで49回連続して当たりが出る確率
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