数学3 接線・不等式 問題 56 解説

方針・初手
(1) 与えられた関数を微分して増減表を作成し、最大値を求める。
(2) 2つの曲線が共有点を持ち、その点で共通の接線を持つための条件は、その $x$ 座標において、2つの関数の値が等しく、かつ微分係数が等しいことである。これを立式し、連立方程式を解く。
(3) 比較する2つの式の両辺の自然対数をとることで、(1) で考察した関数 $f(x)$ の形を作り出し、その最大値の結果を利用して大小を判定する。
解法1
(1)
与えられた関数は以下の通りである。
$$f(x) = \frac{\log x}{x} \quad (x > 0)$$
$f(x)$ を $x$ について微分すると、商の微分公式より以下のようになる。
$$f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}$$
$f'(x) = 0$ とすると、$1 - \log x = 0$ となるため、$x = e$ である。
$x > 0$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $(0)$ | $\cdots$ | $e$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $\frac{1}{e}$ | $\searrow$ |
増減表より、$f(x)$ は $x = e$ のとき最大となる。最大値は以下の通りである。
$$f(e) = \frac{\log e}{e} = \frac{1}{e}$$
(2)
$g(x) = e^x$、$h(x) = x^a \ (x > 0)$ とおく。それぞれの導関数は以下の通りである。
$$g'(x) = e^x, \quad h'(x) = a x^{a-1}$$
曲線 $y = g(x)$ と $y = h(x)$ が $x = t$ の点 $\text{P}$ を共有し、その点で共通の接線をもつための条件は、以下の2式が同時に成り立つことである。
$$g(t) = h(t) \quad \cdots \text{①}$$
$$g'(t) = h'(t) \quad \cdots \text{②}$$
①より、以下の式を得る。
$$e^t = t^a \quad \cdots \text{③}$$
②より、以下の式を得る。
$$e^t = a t^{a-1} \quad \cdots \text{④}$$
③と④から $e^t$ を消去すると、以下のようになる。
$$t^a = a t^{a-1}$$
$t > 0$ であるから、両辺を $t^{a-1}$ で割ると、以下の関係が得られる。
$$t = a$$
これを③に代入すると、以下のようになる。
$$e^a = a^a$$
$a > 0$ であるため $a^a > 0$ であり、両辺の自然対数をとると以下のようになる。
$$\log e^a = \log a^a$$
$$a = a \log a$$
$a > 0$ であるから、両辺を $a$ で割ると以下のようになる。
$$1 = \log a$$
これを解いて $a = e$ を得る。このとき $t = a = e$ となる。
この解は問題の条件 $a \neq 1$ を満たしている。
(3)
(2) の結果より、$a = e$、$t = e$ である。$x \neq e$ を満たす正の実数 $x$ において、$e^x$ と $x^e$ の大小を比較する。
$e^x > 0$、$x^e > 0$ であるから、それぞれの自然対数をとった $\log e^x$ と $\log x^e$ の大小関係を調べればよい。
$$\log e^x = x$$
$$\log x^e = e \log x$$
ここで、(1) の結果から $x > 0$ において $f(x) \leqq \frac{1}{e}$ であり、等号が成立するのは $x = e$ のときのみであることがわかっている。
したがって、$x \neq e \ (x > 0)$ のとき、以下の不等式が成り立つ。
$$\frac{\log x}{x} < \frac{1}{e}$$
$x > 0$、$e > 0$ であるから、両辺に $ex$ を掛けると以下のようになる。
$$e \log x < x$$
これはすなわち以下のことを意味する。
$$\log x^e < \log e^x$$
自然対数の底 $e$ は $e > 1$ であるから、真数の大小関係もこれと一致する。
$$x^e < e^x$$
$a = e$ であるから、最終的に以下の大小関係を得る。
$$x^a < e^x$$
解説
微分の基本的な計算と関数の増減、および接線の条件を用いた標準的な問題である。
(2) では「共有点をもつ」「そこで共通の接線をもつ」という2つの図形的な条件を、関数とその導関数の値が等しいという2つの数式に適切に翻訳できるかがポイントとなる。
(3) は、指数関数と累乗関数の大小比較である。そのままでは比較が難しいため、対数をとることで (1) の関数 $f(x) = \frac{\log x}{x}$ の形を導き出し、その最大値を利用して不等式を証明する。前の小問が次の小問の誘導になっていることに気づくことが重要である。
答え
(1) 最大値 $\frac{1}{e}$ (そのときの $x$ の値は $x = e$)
(2) $a = e, \quad t = e$
(3) $e^x > x^a$
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