トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 59

数学3 接線・不等式 問題 59 解説

数学3 接線・不等式 問題 59 解説

方針・初手

曲線 $y=f(x)$ 上の点における接線の方程式を立て、それが原点を通るための条件を立式する。 条件式を整理すると $f(t) - t f'(t) = 0$ のような形が現れる。この式を見たときに、商の微分法 $\left( \frac{f(x)}{x} \right)' = \frac{x f'(x) - f(x)}{x^2}$ の分子の形と一致していることに気づくことが最大のポイントである。 そこから、新たな関数 $g(x) = \frac{f(x)}{x}$ を設定し、条件 $f(a) = a f(1)$ を用いてロルの定理(または平均値の定理)を適用する。

解法1

曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線の方程式は

$$y - f(t) = f'(t)(x - t)$$

すなわち

$$y = f'(t)x + f(t) - t f'(t)$$

と表される。この接線が原点 $(0, 0)$ を通るための条件は、切片が $0$ になること、つまり

$$f(t) - t f'(t) = 0$$

が成り立つことである。したがって、上式を満たす実数 $t$ が存在することを示せばよい。

ここで、新たな関数 $g(x)$ を

$$g(x) = \frac{f(x)}{x}$$

と定義する。 $a$ は $1$ より大きい定数であるから、区間 $[1, a]$ において $x \neq 0$ である。関数 $f(x)$ は微分可能であるから、関数 $g(x)$ は区間 $[1, a]$ において連続であり、かつ区間 $(1, a)$ において微分可能である。

与えられた条件 $f(a) = a f(1)$ より、

$$g(a) = \frac{f(a)}{a} = \frac{a f(1)}{a} = f(1)$$

となる。一方、$x=1$ のとき

$$g(1) = \frac{f(1)}{1} = f(1)$$

であるから、

$$g(1) = g(a)$$

が成り立つ。

関数 $g(x)$ は区間 $[1, a]$ で連続、区間 $(1, a)$ で微分可能であり、$g(1) = g(a)$ を満たすので、ロルの定理により

$$g'(c) = 0, \quad 1 < c < a$$

を満たす実数 $c$ が少なくとも1つ存在する。

商の微分法により、関数 $g(x)$ の導関数は

$$g'(x) = \frac{f'(x) \cdot x - f(x) \cdot 1}{x^2} = \frac{x f'(x) - f(x)}{x^2}$$

であるから、$g'(c) = 0$ より

$$\frac{c f'(c) - f(c)}{c^2} = 0$$

$c > 1$ より $c \neq 0$ であるため、分子が $0$ となり

$$c f'(c) - f(c) = 0$$

すなわち

$$f(c) - c f'(c) = 0$$

が成り立つ。

これは、曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(c, f(c))$ における接線が原点を通ることを示している。 以上より、曲線 $y=f(x)$ の接線で原点を通るものが存在することが示された。

解説

「接線が原点を通る」という幾何学的な条件を数式に翻訳し、そこから適切な関数を見つけて平均値の定理(またはロルの定理)を利用する、微分法の証明問題における典型かつ重要なテーマである。 $f(t) - t f'(t) = 0$ という式から関数 $\frac{f(x)}{x}$ を連想できるかどうかが本問の核心となる。積の微分法の形 $f'(x)g(x) + f(x)g'(x)$ から $f(x)g(x)$ を連想したり、商の微分の形から分数関数を連想する手法は頻出であるため、定石として押さえておきたい。 また、平均値の定理やロルの定理を適用する前には、対象となる関数がその区間で「連続かつ微分可能」であることを忘れずに記述する必要がある。

答え

題意の証明は「解法1」に示したとおりである。

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