トップ 基礎問題 数学3 微分法 接線・不等式 問題 61

数学3 接線・不等式 問題 61 解説

数学3 接線・不等式 問題 61 解説

方針・初手

(1) では、曲線 $y = \frac{1}{x}$ 上の接点における接線の方程式を立て、それが点 $\text{P}(a, b)$ を通るという条件から接点の $x$ 座標に関する2次方程式を導きます。

(2) では、(1) で求めた $s, t$ を用いて $\frac{t}{s}$ を $ab$ の式として表します。点 $\text{P}$ が与えられた曲線上を動くという条件から $b$ を $a$ の式で表し、$ab$ の最大値を微分によって求めることで $\frac{t}{s}$ の最小値を見つけます。

解法1

(1)

曲線 $y = \frac{1}{x}$ について、$y' = -\frac{1}{x^2}$ である。 曲線上の点 $\left(u, \frac{1}{u}\right)$ $(u > 0)$ における接線の方程式は、

$$y - \frac{1}{u} = -\frac{1}{u^2}(x - u)$$

整理すると、

$$y = -\frac{1}{u^2}x + \frac{2}{u}$$

この接線が点 $\text{P}(a, b)$ を通るので、

$$b = -\frac{a}{u^2} + \frac{2}{u}$$

両辺に $u^2$ を掛けて整理すると、

$$bu^2 - 2u + a = 0$$

$a, b$ は正の実数であるから $b \neq 0$ であり、これは $u$ についての2次方程式である。 判別式を $D$ とすると、$ab < 1$ であるから、

$$\frac{D}{4} = (-1)^2 - ab = 1 - ab > 0$$

よって、この2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。 また、解と係数の関係より、2つの解の和は $\frac{2}{b} > 0$、積は $\frac{a}{b} > 0$ であるため、2つの解はともに正であり、題意の接点として適する。 解の公式より、

$$u = \frac{1 \pm \sqrt{1 - ab}}{b}$$

2つの接点の $x$ 座標 $s, t$ はこの2次方程式の解であり、$s < t$ であるから、

$$s = \frac{1 - \sqrt{1 - ab}}{b}, \quad t = \frac{1 + \sqrt{1 - ab}}{b}$$

(2)

(1) の結果より、

$$\frac{t}{s} = \frac{\frac{1 + \sqrt{1 - ab}}{b}}{\frac{1 - \sqrt{1 - ab}}{b}} = \frac{1 + \sqrt{1 - ab}}{1 - \sqrt{1 - ab}}$$

ここで、$X = \sqrt{1 - ab}$ とおく。 $a>0, b>0$ かつ $ab < 1$ より $0 < 1 - ab < 1$ であるから、$0 < X < 1$ である。 このとき、$\frac{t}{s}$ は $X$ の関数として次のように表せる。

$$\frac{t}{s} = \frac{1 + X}{1 - X} = \frac{-(1 - X) + 2}{1 - X} = -1 + \frac{2}{1 - X}$$

$0 < X < 1$ において、関数 $-1 + \frac{2}{1 - X}$ は $X$ が増加すると単調に増加する。 したがって、$\frac{t}{s}$ が最小となるのは $X$ が最小となるとき、すなわち $X = \sqrt{1 - ab}$ より $ab$ が最大となるときである。

点 $\text{P}(a, b)$ は曲線 $y = \frac{9}{4} - 3x^2$ の $x > 0, y > 0$ の部分にあるため、

$$b = \frac{9}{4} - 3a^2 \quad \dots \text{①}$$

$b > 0$ より $\frac{9}{4} - 3a^2 > 0$ となり、$a > 0$ と合わせて解くと、

$$0 < a < \frac{\sqrt{3}}{2} \quad \dots \text{②}$$

$ab$ を $a$ の関数として $f(a)$ とおくと、①より、

$$f(a) = ab = a\left(\frac{9}{4} - 3a^2\right) = -3a^3 + \frac{9}{4}a$$

これを微分すると、

$$f'(a) = -9a^2 + \frac{9}{4} = -9\left(a^2 - \frac{1}{4}\right) = -9\left(a + \frac{1}{2}\right)\left(a - \frac{1}{2}\right)$$

②の範囲において $f'(a) = 0$ となるのは $a = \frac{1}{2}$ のときである。 増減表は以下のようになる。

$a$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{2}$ $\cdots$ $\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)$
$f'(a)$ $+$ $0$ $-$
$f(a)$ $(0)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $(0)$

増減表より、$f(a)$ すなわち $ab$ は $a = \frac{1}{2}$ のとき最大値をとる。 最大値は、

$$f\left(\frac{1}{2}\right) = -3\left(\frac{1}{8}\right) + \frac{9}{4}\left(\frac{1}{2}\right) = -\frac{3}{8} + \frac{9}{8} = \frac{3}{4}$$

(このとき $ab = \frac{3}{4} < 1$ をみたしている。) $ab$ が最大値 $\frac{3}{4}$ をとるとき、$X$ は最小値をとる。

$$X = \sqrt{1 - \frac{3}{4}} = \sqrt{\frac{1}{4}} = \frac{1}{2}$$

よって、$\frac{t}{s}$ の最小値は、

$$\frac{t}{s} = -1 + \frac{2}{1 - \frac{1}{2}} = -1 + 4 = 3$$

このときの $b$ の値は、①より、

$$b = \frac{9}{4} - 3\left(\frac{1}{2}\right)^2 = \frac{9}{4} - \frac{3}{4} = \frac{3}{2}$$

解説

(1) は、曲線外の点から引いた接線に関する典型問題です。「接点を文字でおいて接線の方程式を立て、それが通る点の座標を代入する」という定石通りに進めば、2次方程式に行き着きます。このとき、条件 $ab < 1$ が判別式が正であることを保証している点に注目しましょう。

(2) は、(1) で求めた複雑な式をいかに処理するかが問われています。$\frac{1 + \sqrt{1 - ab}}{1 - \sqrt{1 - ab}}$ という式を見たときに、全体を一つの変数(たとえば $ab$ や $\sqrt{1 - ab}$)の関数と見なすことが重要です。式変形を通じて、$\frac{t}{s}$ を最小にするには $ab$ を最大にすればよいことに気づければ、あとは1変数の微分の問題に帰着できます。分数関数の最大・最小を考える際は、$y = \frac{px+q}{rx+s}$ の形を $y = A + \frac{B}{rx+s}$ のように変形して単調性を利用するのが有効なテクニックです。

答え

(1)

$$s = \frac{1 - \sqrt{1 - ab}}{b}, \quad t = \frac{1 + \sqrt{1 - ab}}{b}$$

(2)

$$\text{最小値 } 3 \text{ (このとき } a = \frac{1}{2}, b = \frac{3}{2} \text{ )}$$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。