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数学3 逆関数 問題 2 解説

数学3 逆関数 問題 2 解説

方針・初手

関数 $f(x)$ の逆関数が $f(x)$ と一致するという条件は、任意の定義域の $x$ に対して $f(f(x)) = x$ が成り立つことと同値である。 この恒等式を解くか、あるいは $y = f(x)$ を $x$ について解いて逆関数 $f^{-1}(x)$ を直接求め、$f(x) = f^{-1}(x)$ となる条件を係数比較で求めるのが定石である。 いずれの方針でも、$a \neq 0$ (分数関数)と $a = 0$ (1次関数)の場合分けが生じることに注意して計算を進める。

解法1

$y = \frac{cx+d}{ax+b}$ とおく。分母を払って整理すると

$$y(ax+b) = cx+d$$

$$x(ay-c) = -by+d$$

(i) $a \neq 0$ のとき

$ay-c = 0$ となる $y = \frac{c}{a}$ を上式に代入すると、左辺は $0$、右辺は $\frac{-bc+ad}{a}$ となる。

条件 $ad-bc \neq 0$ より右辺は $0$ にならないため矛盾する。よって $ay-c \neq 0$ であり、$x$ について解くと

$$x = \frac{-by+d}{ay-c}$$

したがって、逆関数は $f^{-1}(x) = \frac{-bx+d}{ax-c}$ である。

$f(x) = f^{-1}(x)$ が恒等的に成り立つので

$$\frac{cx+d}{ax+b} = \frac{-bx+d}{ax-c}$$

両辺に $(ax+b)(ax-c)$ をかけて整理すると

$$(cx+d)(ax-c) = (-bx+d)(ax+b)$$

$$acx^2 + (ad-c^2)x - cd = -abx^2 + (ad-b^2)x + bd$$

これが $x$ についての恒等式となるため、各次数の係数を比較して

$$\begin{cases} ac = -ab \\ ad-c^2 = ad-b^2 \\ -cd = bd \end{cases}$$

第1式より $a(b+c) = 0$ であるが、$a \neq 0$ より $b+c = 0$ となる。

このとき、第2式の $b^2=c^2$、第3式の $d(b+c)=0$ も満たされる。

よって $b+c=0$ である。

(ii) $a = 0$ のとき

$ad-bc \neq 0$ より $-bc \neq 0$ だから $b \neq 0$ かつ $c \neq 0$ である。

このとき関数は $y = \frac{c}{b}x + \frac{d}{b}$ となる。$x$ について解くと

$$\frac{c}{b}x = y - \frac{d}{b}$$

$$x = \frac{b}{c}y - \frac{d}{c}$$

したがって、逆関数は $f^{-1}(x) = \frac{b}{c}x - \frac{d}{c}$ である。

$f(x) = f^{-1}(x)$ が恒等的に成り立つので

$$\frac{c}{b}x + \frac{d}{b} = \frac{b}{c}x - \frac{d}{c}$$

係数を比較して

$$\begin{cases} \frac{c}{b} = \frac{b}{c} \\ \frac{d}{b} = -\frac{d}{c} \end{cases}$$

第1式より $c^2 = b^2$ だから $c=b$ または $c=-b$。

(ア) $c=-b$ のとき(すなわち $b+c=0$ のとき)

第2式は $\frac{d}{b} = \frac{d}{b}$ となり、任意の $d$ で成立する。

(イ) $c=b$ のとき

第2式より $\frac{d}{b} = -\frac{d}{b}$ となり、$\frac{2d}{b} = 0$ から $d=0$ となる。

以上 (i), (ii) より、求める条件は $b+c=0$ または 「$a=0$ かつ $b=c$ かつ $d=0$」

解法2

$f(x) = f^{-1}(x)$ は、定義域内のすべての $x$ に対して $f(f(x)) = x$ が成り立つことと同値である。

$$f(f(x)) = \frac{c \cdot \frac{cx+d}{ax+b} + d}{a \cdot \frac{cx+d}{ax+b} + b}$$

分母分子に $ax+b$ をかけると

$$f(f(x)) = \frac{c(cx+d) + d(ax+b)}{a(cx+d) + b(ax+b)} = \frac{(c^2+ad)x + d(b+c)}{a(b+c)x + ad+b^2}$$

$f(f(x)) = x$ より

$$\frac{(c^2+ad)x + d(b+c)}{a(b+c)x + ad+b^2} = x$$

分母を払って整理すると

$$(c^2+ad)x + d(b+c) = a(b+c)x^2 + (ad+b^2)x$$

これが $x$ についての恒等式となるため、係数を比較して

$$\begin{cases} a(b+c) = 0 \\ c^2+ad = ad+b^2 \\ d(b+c) = 0 \end{cases}$$

整理すると

$$\begin{cases} a(b+c) = 0 \\ c^2 = b^2 \\ d(b+c) = 0 \end{cases}$$

第1式より、$a=0$ または $b+c=0$ である。

(i) $b+c=0$ のとき

$c = -b$ となり、第2式 $c^2 = b^2$ は満たされ、第3式 $d(b+c) = 0$ も満たされる。

よって $b+c=0$ は条件に適する。

(ii) $a=0$ かつ $b+c \neq 0$ のとき

第2式より $c = b$ または $c = -b$ だが、$b+c \neq 0$ より $c = b$ である。

なお、$ad-bc \neq 0$ と $a=0$ より $-bc \neq 0$ だから $b \neq 0, c \neq 0$ である。

$c = b \neq 0$ のとき、第3式 $d(2b) = 0$ より $d=0$ となる。

したがって、$a=0$ かつ $b=c$ かつ $d=0$ である。

以上より、求める条件は $b+c=0$ または 「$a=0$ かつ $b=c$ かつ $d=0$」

解説

分数関数の逆関数がもとの関数と一致する条件として、$b+c=0$ は非常に有名であり、暗記している受験生も多い典型問題である。しかし、本問では $a \neq 0$ という条件が明記されていないため、$a=0$(つまり1次関数)となる場合を見落とさないかどうかが問われている。

$a=0$ のとき、$f(x) = \frac{c}{b}x + \frac{d}{b}$ となり、これが $f(f(x))=x$ を満たすのは、傾きが $-1$ の直線($b+c=0$)、あるいは $y=x$ となる恒等関数($a=0, b=c, d=0$)の場合である。後者の条件漏れに注意したい。

答え

$b+c=0$ または 「$a=0$ かつ $b=c$ かつ $d=0$」

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