数学3 無理関数 問題 3 解説

方針・初手
方程式の両辺を2乗して根号を外す。このとき、同値性を崩さないように変数の範囲(右辺が非負であることから左辺も非負となること)に注意する。そのうえで、定数 $a$ を分離してグラフの共有点の個数を調べるか、2次方程式の解の配置問題として処理する。
解法1
与えられた方程式は以下の通りである。
$$t = 2\sqrt{t-a}$$
根号を含む右辺は $2\sqrt{t-a} \ge 0$ であるから、左辺についても以下の条件が必要である。
$$t \ge 0$$
この条件のもとで、方程式の両辺を2乗すると次のように変形できる。
$$t^2 = 4(t-a)$$
$$t^2 - 4t + 4a = 0$$
定数 $a$ について解く形に変形する。
$$4a = -t^2 + 4t$$
$$a = -\frac{1}{4}t^2 + t$$
ここで、$t \ge 0$ かつ $t^2 = 4(t-a)$ を満たす実数 $t$ については、$4(t-a) = t^2 \ge 0$ より $t-a \ge 0$ となり、根号の中身が非負となる条件は自動的に満たされる。 したがって、元の方程式の実数解の個数は、$t \ge 0$ の範囲における関数 $y = -\frac{1}{4}t^2 + t$ のグラフと、直線 $y = a$ の共有点の個数に一致する。
関数の式を平方完成する。
$$y = -\frac{1}{4}(t^2 - 4t) = -\frac{1}{4}(t-2)^2 + 1$$
$t \ge 0$ におけるこのグラフは、頂点が $(2, 1)$ であり、原点 $(0, 0)$ を通る上に凸の放物線の一部である。 このグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数を調べると、以下のようになる。
- $a > 1$ のとき、共有点は 0個
- $a < 0$ または $a = 1$ のとき、共有点は 1個
- $0 \le a < 1$ のとき、共有点は 2個
解法2
解法1と同様に、与えられた方程式が実数解をもつ条件は、以下の2次方程式が $t \ge 0$ の範囲に実数解をもつことと同値である。
$$t^2 - 4t + 4a = 0$$
左辺を $f(t)$ とおく。
$$f(t) = t^2 - 4t + 4a$$
平方完成すると以下のようになる。
$$f(t) = (t-2)^2 + 4a - 4$$
放物線 $y = f(t)$ は下に凸であり、軸は直線 $t = 2$、頂点の $y$ 座標は $4a - 4$、$y$ 切片は $f(0) = 4a$ である。 軸が $t = 2 > 0$ であることに注意して、方程式 $f(t) = 0$ が $t \ge 0$ において持つ解の個数を場合分けする。
(i) 解を 2個 もつ条件
軸が正の領域にあるため、頂点の $y$ 座標が負、かつ $f(0) \ge 0$ であれば、$t \ge 0$ の範囲で $t$ 軸と2回交わる。
$$4a - 4 < 0 \quad \text{かつ} \quad 4a \ge 0$$
これを解くと、$0 \le a < 1$ となる。
(ii) 解を 1個 もつ条件
頂点が $t$ 軸上にある(重解をもつ)場合、頂点の $y$ 座標が 0 となる。
$$4a - 4 = 0$$
より $a = 1$ である。このとき重解 $t = 2$ をもち、$t \ge 0$ を満たしている。
また、$t \ge 0$ と $t < 0$ の範囲に1つずつ解をもつ場合は、$f(0) < 0$ であればよい。
$$4a < 0$$
より $a < 0$ である。 以上を合わせて、$a < 0$ または $a = 1$ となる。
(iii) 解を 0個 もつ条件
頂点の $y$ 座標が正であれば、放物線は $t$ 軸と交わらない。
$$4a - 4 > 0$$
より $a > 1$ となる。
解説
無理方程式を同値変形する際の条件確認が本問の最大のポイントである。$\sqrt{A} = B$ という形の方程式を解く際、根号内が非負である $A \ge 0$ だけでなく、根号の値が非負であることから生じる $B \ge 0$ の条件を見落とさないように注意が必要である。本問ではこれにより $t \ge 0$ という範囲が定まる。 この条件を正しく導いた後は、定数 $a$ を分離する解法(解法1)を用いることで、グラフの視覚的な情報を活用でき、場合分けの漏れやミスを効果的に防ぐことができる。
答え
[ア] $a > 1$
[イ] $a < 0$ または $a = 1$
[ウ] $0 \le a < 1$
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