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数学3 分数関数 問題 4 解説

数学3 分数関数 問題 4 解説

方針・初手

与えられた式は分数関数である。分母が $0$ になる $x = a$ は定義域から除かれることに注意する。 $x \geqq 0$(かつ $x \neq a$)における $y$ のとりうる値の範囲を求めるため、以下の2つのアプローチが考えられる。

  1. 分数関数を変形してグラフを描き、$x \geqq 0$ の範囲での $y$ の動きを視覚的に捉える(解法1)。
  2. 与式を $x$ についての方程式とみなし、「$x \geqq 0$ かつ $x \neq a$ なる実数解 $x$ が存在する」ような $y$ の条件を求める(解法2)。

分数関数のグラフの形状は分子の定数の符号によって変わるため、定数 $a$ の値による場合分けが必要となる。

解法1

関数 $y = \frac{ax - 1}{a - x}$ の定義域は、分母が $0$ にならないための条件から $x \neq a$ である。 右辺を変形すると、

$$\begin{aligned} y &= \frac{ax - 1}{-(x - a)} \\ &= \frac{a(x - a) + a^2 - 1}{-(x - a)} \\ &= \frac{1 - a^2}{x - a} - a \end{aligned}$$

となる。これは、双曲線 $y = \frac{1 - a^2}{x}$ を $x$ 軸方向に $a$、$y$ 軸方向に $-a$ だけ平行移動したものであり、漸近線は 直線 $x = a$ および 直線 $y = -a$ である。 また、$y$ 切片は $x = 0$ を代入して $y = -\frac{1}{a}$ である。

グラフの形状は分子 $1 - a^2$ の符号によって変わるため、$a > 0$ に注意して場合分けを行う。

(i) $0 < a < 1$ のとき

$1 - a^2 > 0$ であるから、グラフは漸近線に対して第1象限・第3象限の方向に存在する。 定義域 $x \geqq 0, x \neq a$ においてグラフを描くと、$x$ は $x = a$ を境に分かれる。 $0 \leqq x < a$ の範囲では、$x = 0$ のとき $y = -\frac{1}{a}$ であり、そこから単調に減少して限りなく小さくなる。 $x > a$ の範囲では、限りなく大きい値から単調に減少し、漸近線 $y = -a$ に上から近づいていく。 したがって、このときの $y$ のとりうる値の範囲は、

$$y \leqq -\frac{1}{a}, \quad -a < y$$

である。

(ii) $a = 1$ のとき

元の関数は

$$y = \frac{x - 1}{1 - x}$$

となり、$x \neq 1$ において常に $y = -1$ となる。 $x \geqq 0, x \neq 1$ を満たす $x$ は存在するため、$y$ は $-1$ という値をとる。 したがって、このときの $y$ のとりうる値の範囲は、

$$y = -1$$

である。

(iii) $a > 1$ のとき

$1 - a^2 < 0$ であるから、グラフは漸近線に対して第2象限・第4象限の方向に存在する。 定義域 $x \geqq 0, x \neq a$ におけるグラフを考える。 $0 \leqq x < a$ の範囲では、$x = 0$ のとき $y = -\frac{1}{a}$ であり、そこから単調に増加して限りなく大きくなる。 $x > a$ の範囲では、限りなく小さい値から単調に増加し、漸近線 $y = -a$ に下から近づいていく。 したがって、このときの $y$ のとりうる値の範囲は、

$$y < -a, \quad -\frac{1}{a} \leqq y$$

である。

解法2

与えられた式 $y = \frac{ax - 1}{a - x}$ を $x$ について整理する。分母は $0$ ではないため $x \neq a$ である。

$$\begin{aligned} y(a - x) &= ax - 1 \\ ay - xy &= ax - 1 \\ (y + a)x &= ay + 1 \end{aligned}$$

「$x \geqq 0$ かつ $x \neq a$ となる実数 $x$ が存在する」ような $y$ の条件を求める。 $x$ の係数 $y + a$ が $0$ になるかどうかで場合分けする。

(i) $y = -a$ のとき

方程式は $0 \cdot x = -a^2 + 1$ となる。 これが解 $x$ を持つためには $-a^2 + 1 = 0$、すなわち $a > 0$ より $a = 1$ でなければならない。 $a = 1$ のとき、方程式は $0 = 0$ となり、任意の $x$ について成り立つ。条件 $x \geqq 0, x \neq 1$ を満たす $x$ (例えば $x = 0$)は存在するため、$a = 1$ のときは $y = -1$ を値域に含む。 $a \neq 1$ のときは $0 = -a^2 + 1 \neq 0$ となり解を持たないため、$y = -a$ は値域に含まれない。

(ii) $y \neq -a$ のとき

方程式を $x$ について解くと、

$$x = \frac{ay + 1}{y + a}$$

となる。これが $x \neq a$ かつ $x \geqq 0$ を満たす条件を考える。 まず $x \neq a$ より、

$$\frac{ay + 1}{y + a} \neq a$$

$$ay + 1 \neq a(y + a)$$

$$1 \neq a^2$$

となる。$a = 1$ のときは $1 \neq 1$ となり矛盾するため、条件を満たす $x$ は存在しない。したがって $a = 1$ のとき $y \neq -1$ となる $y$ は値域に含まれない。 $a \neq 1$ のときは常に $1 \neq a^2$ が成り立つため、$x \neq a$ の条件はクリアされる。 次に $x \geqq 0$ より、

$$\frac{ay + 1}{y + a} \geqq 0$$

両辺に $(y + a)^2 > 0$ を掛けて、

$$(ay + 1)(y + a) \geqq 0$$

$a > 0$ で割ると、

$$\left(y + \frac{1}{a}\right)(y + a) \geqq 0$$

となる。この 2 次不等式を解くために、$-a$ と $-\frac{1}{a}$ の大小関係で場合分けをする。

(ア) $0 < a < 1$ のとき

両辺に負の数を掛けるなどして比較すると、$-a > -1$ かつ $-1 > -\frac{1}{a}$ であるから、$-\frac{1}{a} < -a$ となる。 したがって、2 次不等式の解は

$$y \leqq -\frac{1}{a}, \quad -a \leqq y$$

となるが、$y \neq -a$ の条件から $y = -a$ は除外される。 よって、求める範囲は

$$y \leqq -\frac{1}{a}, \quad -a < y$$

である。

(イ) $a > 1$ のとき

先ほどと同様にして、$-a < -1$ かつ $-1 < -\frac{1}{a}$ であるから、$-a < -\frac{1}{a}$ となる。 したがって、2 次不等式の解は

$$y \leqq -a, \quad -\frac{1}{a} \leqq y$$

となるが、$y \neq -a$ の条件から $y = -a$ は除外される。 よって、求める範囲は

$$y < -a, \quad -\frac{1}{a} \leqq y$$

である。

以上の (i), (ii) を総合すると、$a$ の値によって結果が 3 パターンに分かれることがわかる。

解説

分数関数の値域を求める典型問題である。解法1のようにグラフの漸近線と切片から視覚的に求める方法と、解法2の「逆像法(存在条件に帰着させる方法)」のどちらでも解くことができる。

グラフを用いる場合は、分子を定数にする変形を正しく行い、その定数の正負によって双曲線の位置が入れ替わることに気づけるかがポイントである。 逆像法を用いる場合は、$x \geqq 0$ の処理として 2 次不等式に帰着させる部分と、$x \neq a$ という隠れた定義域の条件を見落とさないこと、さらに $y+a = 0$ の場合分けを忘れないことが重要である。文字定数 $a$ が含まれているため、大小関係の比較を丁寧に行う必要がある。

答え

$0 < a < 1$ のとき: $y \leqq -\frac{1}{a}, \quad -a < y$

$a = 1$ のとき: $y = -1$

$a > 1$ のとき: $y < -a, \quad -\frac{1}{a} \leqq y$

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