数学3 分数関数 問題 5 解説

方針・初手
(1) 分数関数のグラフが特定の点を通るという条件は、そのまま座標の値を代入して関係式を作ります。また、分数関数 $y = \frac{px+q}{rx+s}$ の $y$ 方向の漸近線が $y = \frac{p}{r}$ となることを利用するか、実際に割り算を行って基本形に変形することで、漸近線に関する条件を式にします。
(2) 分数不等式を解く問題です。代数的に分母を払って解くこともできますが、問題文に「①のグラフを利用して」と指定されているため、関数 $y = \frac{ax+b}{2x+1}$ のグラフと直線 $y = x-2$ のグラフを描き、その上下関係から不等式の解となる $x$ の範囲を読み取ります。グラフの概形を把握するために、漸近線と交点の座標を正確に求める必要があります。
解法1
(1)
与えられた関数 $y = \frac{ax+b}{2x+1}$ の右辺の分子を分母で割り、基本形に変形する。
$$y = \frac{\frac{a}{2}(2x+1) - \frac{a}{2} + b}{2x+1} = \frac{b - \frac{a}{2}}{2x+1} + \frac{a}{2}$$
この形から、このグラフの $y$ 軸に垂直な漸近線は直線 $y = \frac{a}{2}$ である。 問題文より、直線 $y=1$ が漸近線であるから、
$$\frac{a}{2} = 1$$
よって、$a=2$ である。
また、グラフは点 $(1, 0)$ を通るので、もとの関数に $x=1, y=0$ を代入すると、
$$0 = \frac{a \cdot 1 + b}{2 \cdot 1 + 1}$$
整理して、
$$\frac{a+b}{3} = 0$$
よって、$a+b=0$ が成り立つ。 ここに先ほど求めた $a=2$ を代入すると、
$$2+b=0$$
となり、$b=-2$ を得る。
(2)
(1)の結果より、関数①は $y = \frac{2x-2}{2x+1}$ であり、解くべき不等式は次のようになる。
$$\frac{2x-2}{2x+1} > x - 2$$
この不等式の解は、関数 $y = \frac{2x-2}{2x+1}$ のグラフが、直線 $y = x - 2$ のグラフよりも上側にあるような $x$ の範囲である。 関数 $y = \frac{2x-2}{2x+1}$ は、次のように変形できる。
$$y = \frac{(2x+1)-3}{2x+1} = -\frac{3}{2x+1} + 1$$
したがって、このグラフは漸近線が $x = -\frac{1}{2}$ と $y = 1$ であり、第2象限および第4象限型の双曲線を平行移動したものである。
次に、この双曲線と直線 $y=x-2$ の交点の $x$ 座標を求める。方程式
$$\frac{2x-2}{2x+1} = x - 2$$
において、$x \neq -\frac{1}{2}$ として両辺に $2x+1$ を掛けると、
$$2x - 2 = (x - 2)(2x + 1)$$
右辺を展開して整理する。
$$2x - 2 = 2x^2 - 3x - 2$$
$$2x^2 - 5x = 0$$
$$x(2x - 5) = 0$$
これより、交点の $x$ 座標は $x = 0, \frac{5}{2}$ と求まる。
ここで2つのグラフの上下関係を考える。 $x < -\frac{1}{2}$ の範囲において、双曲線のグラフは漸近線 $y=1$ よりも上側にあり、単調に増加する。一方、直線 $y=x-2$ はこの範囲で $y < -\frac{5}{2}$ であるため、双曲線のグラフは常に直線のグラフよりも上側にある。 $x > -\frac{1}{2}$ の範囲において、双曲線のグラフは下から上へと単調に増加し、漸近線 $y=1$ に近づいていく。交点の $x$ 座標が $x=0$ と $x=\frac{5}{2}$ であることから、この2つの交点の間、すなわち $0 < x < \frac{5}{2}$ の区間において、双曲線のグラフは直線のグラフよりも上側に位置する。
以上より、双曲線のグラフが直線のグラフよりも上側にある $x$ の範囲を求めて、
$$x < -\frac{1}{2}, \quad 0 < x < \frac{5}{2}$$
となる。
解説
分数関数の決定と、グラフを用いた分数不等式の解法という、数学III(または旧課程の数学C・数学等)における典型的な問題です。
(1)について、漸近線を求める際には、分子の次数を分母の次数よりも低くする変形(割り算)が基本です。また、$y = \frac{ax+b}{cx+d}$ の形であれば、$x \to \pm\infty$ の極限を考えることで直ちに漸近線 $y = \frac{a}{c}$ を得ることもできます。本問では $\frac{a}{2} = 1$ とすぐに分かります。
(2)について、分数不等式 $A > B$ を解くには、「グラフの上下関係を利用する」方法と、「代数的に解く(両辺に分母の2乗など正の式を掛けて同値変形する)」方法の2つがあります。本問は「グラフを利用して」と指定されているため、指示に従いグラフの概形から視覚的に判断します。グラフを描く際は、漸近線の位置と交点の座標が極めて重要になるため、これらを正確に求め、増減の様子と合わせて上下関係を判定します。
答え
(1)
$a = 2, b = -2$
(2)
$x < -\frac{1}{2}, \quad 0 < x < \frac{5}{2}$
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