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数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 8 解説

数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 8 解説

方針・初手

$z=x+yi$ とおき、$w=z+\dfrac{1}{z}$ の虚部を調べる。$w$ が実数である条件は、$w$ の虚部が $0$ であることに帰着する。

その後、得られた図形上で $w$ の値の範囲をさらに制限すればよい。

解法1

$z=x+yi$ とおく。ただし $z\ne 0$ であるから、$x^2+y^2\ne 0$ である。

このとき

$$ \begin{aligned} \frac{1}{z} &= \frac{1}{x+yi}\\ &= \frac{x-yi}{x^2+y^2} \end{aligned} $$

であるから、

$$ w = z+\frac{1}{z} x+yi+\frac{x-yi}{x^2+y^2} $$

となる。よって

$$ w = x\left(1+\frac{1}{x^2+y^2}\right) + i,y\left(1-\frac{1}{x^2+y^2}\right) $$

である。

したがって、$w$ が実数となる条件は

$$ y\left(1-\frac{1}{x^2+y^2}\right)=0 $$

である。よって

$$ y=0 \quad\text{または}\quad x^2+y^2=1 $$

を得る。

つまり、$w$ が実数となるための $z$ の条件は

$$ \operatorname{Im} z=0 \quad\text{または}\quad |z|=1 $$

である。ただし $z\ne 0$ であるから、実軸上では原点を除く。

したがって、(1) の図形は

$$ {z\mid z\in\mathbb{R},\ z\ne 0} \cup {z\mid |z|=1} $$

である。すなわち、原点を除いた実軸全体と、原点を中心とする半径 $1$ の円周である。

次に、(2) を考える。

(1) より、$w$ が実数となる場合は、$z$ が実軸上にある場合と、単位円周上にある場合に分ければよい。

(i) $z$ が実軸上にある場合

$z=x$ とおく。ただし $x\ne 0$ である。このとき

$$ w=x+\frac{1}{x} $$

である。

条件

$$ 1\le w\le \frac{10}{3} $$

$$ 1\le x+\frac{1}{x}\le \frac{10}{3} $$

となる。

まず $x<0$ のとき、相加相乗平均または関数の性質より

$$ x+\frac{1}{x}\le -2 $$

であるから、$1\le w$ を満たさない。

よって $x>0$ である。このとき

$$ x+\frac{1}{x}\ge 2 $$

であるから、下限条件 $1\le w$ は自動的に満たされる。

あとは

$$ x+\frac{1}{x}\le \frac{10}{3} $$

を解けばよい。$x>0$ なので両辺に $3x$ をかけて

$$ 3x^2+3\le 10x $$

すなわち

$$ 3x^2-10x+3\le 0 $$

となる。左辺を因数分解すると

$$ 3x^2-10x+3=(3x-1)(x-3) $$

であるから、

$$ \frac{1}{3}\le x\le 3 $$

を得る。

したがって、実軸上では

$$ \frac{1}{3}\le z\le 3 $$

である。

(ii) $z$ が単位円周上にある場合

$|z|=1$ であるから、$z=\cos\theta+i\sin\theta$ とおける。このとき

$$ \frac{1}{z}=\overline{z} $$

であるから、

$$ \begin{aligned} w=z+\frac{1}{z} &= z+\overline{z}\\ &= 2\cos\theta \end{aligned} $$

となる。

条件

$$ 1\le w\le \frac{10}{3} $$

$$ 1\le 2\cos\theta\le \frac{10}{3} $$

となる。

ただし $2\cos\theta\le 2$ であり、

$$ 2\le \frac{10}{3} $$

なので、上限条件は自動的に満たされる。

よって

$$ 1\le 2\cos\theta $$

すなわち

$$ \cos\theta\ge \frac{1}{2} $$

である。

これは単位円周上で実部が $\dfrac{1}{2}$ 以上である部分を表すから、

$$ |z|=1,\quad \operatorname{Re}z\ge \frac{1}{2} $$

である。

したがって、(2) の図形は

$$ \left\{z\in\mathbb{R}\mid \frac{1}{3}\le z\le 3\right\} \cup \left\{z\mid |z|=1,\ \operatorname{Re}z\ge \frac{1}{2}\right\} $$

である。

これは、実軸上の線分 $\left[\dfrac{1}{3},3\right]$ と、単位円周のうち偏角が $-\dfrac{\pi}{3}$ から $\dfrac{\pi}{3}$ までの弧を合わせた図形である。

解説

この問題では、$w$ が実数である条件を直接調べることが重要である。$z=x+yi$ とおけば、虚部が

$$ y\left(1-\frac{1}{x^2+y^2}\right) $$

となるため、実軸と単位円周という2つの図形が自然に現れる。

(2) では、この2つの図形上でそれぞれ $w$ の範囲を調べる。実軸上では $w=x+\dfrac{1}{x}$ となり、単位円周上では $w=2\cos\theta$ となる。この2通りを混同せずに処理することがポイントである。

答え

(1)

$$ \operatorname{Im}z=0,\ z\ne 0 \quad\text{または}\quad |z|=1 $$

図形は、原点を除いた実軸全体と、原点を中心とする半径 $1$ の円周である。

(2)

$$ \left\{z\in\mathbb{R}\mid \frac{1}{3}\le z\le 3\right\} \cup \left\{z\mid |z|=1,\ \operatorname{Re}z\ge \frac{1}{2}\right\} $$

図形は、実軸上の線分 $\left[\dfrac{1}{3},3\right]$ と、単位円周上の弧

$$ -\frac{\pi}{3}\le \arg z\le \frac{\pi}{3} $$

を合わせたものである。

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