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数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 9 解説

数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 9 解説

方針・初手

$w=1/z$ であるから、$w=X+Yi$ とおくと $z=1/w$ である。したがって、三角形の各辺を表す直線の条件を $X,Y$ の条件に変換すればよい。

各辺は直線であるが、原点を通らない直線なので、反転 $w=1/z$ によって原点を通る円の一部に移る。

解法1

$z=x+yi$,$w=X+Yi$ とおく。$w=1/z$ より

$$ z=\frac{1}{w}=\frac{X-Yi}{X^2+Y^2} $$

であるから、

$$ x=\frac{X}{X^2+Y^2},\qquad y=-\frac{Y}{X^2+Y^2} $$

となる。

まず、各頂点の移る先を求める。

$$ A:\ z=\frac{i}{2}\quad\Longrightarrow\quad w=\frac{1}{i/2}=-2i $$

$$ B:\ z=-\frac12+\frac{i}{2}\quad\Longrightarrow\quad w=\frac{1}{(-1+i)/2}=-1-i $$

$$ C:\ z=-\frac12\quad\Longrightarrow\quad w=\frac{1}{-1/2}=-2 $$

したがって、$w$ の軌跡は $-2i$,$-1-i$,$-2$ を結ぶ3つの円弧になる。

(i)

辺 $AB$ の像を求める。

辺 $AB$ は

$$ y=\frac12,\qquad -\frac12\leqq x\leqq 0 $$

である。$y=-Y/(X^2+Y^2)$ を代入すると

$$ -\frac{Y}{X^2+Y^2}=\frac12 $$

より

$$ X^2+Y^2=-2Y $$

すなわち

$$ X^2+(Y+1)^2=1 $$

である。

端点は $B\mapsto -1-i$,$A\mapsto -2i$ であるから、辺 $AB$ の像は、円

$$ X^2+(Y+1)^2=1 $$

上の $-1-i$ と $-2i$ を結ぶ円弧である。ただし、原点を通らない側の円弧である。

(ii)

辺 $BC$ の像を求める。

辺 $BC$ は

$$ x=-\frac12,\qquad 0\leqq y\leqq \frac12 $$

である。$x=X/(X^2+Y^2)$ を代入すると

$$ \frac{X}{X^2+Y^2}=-\frac12 $$

より

$$ X^2+Y^2=-2X $$

すなわち

$$ (X+1)^2+Y^2=1 $$

である。

端点は $C\mapsto -2$,$B\mapsto -1-i$ であるから、辺 $BC$ の像は、円

$$ (X+1)^2+Y^2=1 $$

上の $-2$ と $-1-i$ を結ぶ円弧である。ただし、原点を通らない側の円弧である。

(iii)

辺 $CA$ の像を求める。

辺 $CA$ は、$C(-1/2,0)$ と $A(0,1/2)$ を結ぶ直線なので

$$ y-x=\frac12 $$

である。ここに

$$ x=\frac{X}{X^2+Y^2},\qquad y=-\frac{Y}{X^2+Y^2} $$

を代入すると

$$ -\frac{Y}{X^2+Y^2}-\frac{X}{X^2+Y^2}=\frac12 $$

である。したがって

$$ -\frac{X+Y}{X^2+Y^2}=\frac12 $$

より

$$ X^2+Y^2=-2X-2Y $$

となる。よって

$$ (X+1)^2+(Y+1)^2=2 $$

である。

端点は $C\mapsto -2$,$A\mapsto -2i$ であるから、辺 $CA$ の像は、円

$$ (X+1)^2+(Y+1)^2=2 $$

上の $-2$ と $-2i$ を結ぶ円弧である。ただし、原点を通らない側、すなわち点 $-2-2i$ を通る側の円弧である。

以上より、求める図形は次の3つの円弧からなる。

$$ X^2+(Y+1)^2=1 $$

のうち、$-1-i$ と $-2i$ を結ぶ原点を通らない円弧、

$$ (X+1)^2+Y^2=1 $$

のうち、$-2$ と $-1-i$ を結ぶ原点を通らない円弧、

$$ (X+1)^2+(Y+1)^2=2 $$

のうち、$-2$ と $-2i$ を結ぶ原点を通らない円弧である。

解説

直線は一般に反転 $w=1/z$ によって円または直線に移る。今回の三角形の3辺はいずれも原点を通らない直線なので、像はすべて原点を通る円になる。

ただし、円全体が軌跡になるわけではない。$z$ は各辺の線分上だけを動くので、対応するのは円の一部分である。端点の像を先に求めておくと、どの円弧を取るべきかが明確になる。

作図では、次の3点

$$ -2,\qquad -1-i,\qquad -2i $$

をとり、それらを3つの円弧で結ぶ。$-2$ と $-2i$ を結ぶ大きい円弧は、点 $-2-2i$ を通る側である。

答え

$w=X+Yi$ とすると、求める図形は次の3つの円弧の和集合である。

$$ X^2+(Y+1)^2=1 $$

上の $-1-i$ から $-2i$ までの原点を通らない円弧、

$$ (X+1)^2+Y^2=1 $$

上の $-2$ から $-1-i$ までの原点を通らない円弧、

$$ (X+1)^2+(Y+1)^2=2 $$

上の $-2$ から $-2i$ までの原点を通らない円弧。

したがって、$w$ の描く図形は、頂点 $-2,\ -1-i,\ -2i$ をもつ3本の円弧で囲まれた曲線三角形の境界である。

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