数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 10 解説
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方針・初手
実部の条件は、共役を用いると代数的に扱いやすい。また、点 $P$ は複素数 $1+i$ に対応するので、中心 $P$、半径 $\sqrt{2}$ の円周上にある条件は
$$ |\omega-(1+i)|=\sqrt{2} $$
と表せる。特に、$\dfrac{1+i}{\omega}$ とおくことで、円の条件が実部の条件に変換される。
解法1
(1)
$z=a+bi$ とおく。ただし $a,b$ は実数である。このとき
$$ \bar z=a-bi $$
であるから、
$$ z+\bar z=(a+bi)+(a-bi)=2a $$
となる。したがって
$$ \frac{1}{2}(z+\bar z)=a $$
である。これは $z$ の実部であるから、複素数 $z$ の実部は
$$ \frac{1}{2}(z+\bar z) $$
に等しい。
(2)
$z=a+bi$ とおく。ただし $a,b$ は実数である。このとき
$$ (1+i)z=(1+i)(a+bi)=(a-b)+(a+b)i $$
である。
$(1+i)z$ の実部が $1$ であるから、
$$ a-b=1 $$
が成り立つ。ここで
$$ t=\frac{a+b}{2} $$
とおくと、$t$ は実数であり、$a-b=1$ より
$$ a=\frac{1}{2}+t,\qquad b=-\frac{1}{2}+t $$
と表せる。
よって
$$ z=a+bi =\left(\frac{1}{2}+t\right)+\left(-\frac{1}{2}+t\right)i =\frac{1-i}{2}+(1+i)t $$
となる。したがって、条件を満たす任意の複素数 $z$ に対して、等式
$$ z=\frac{1-i}{2}+(1+i)t $$
を満たす実数 $t$ が存在する。
(3)
$$ u=\frac{1+i}{\omega} $$
とおく。$\omega\neq 0$ であるから、この置き方は可能である。
このとき
$$ \omega=\frac{1+i}{u} $$
である。$\omega$ が中心 $P$、半径 $\sqrt{2}$ の円周上の点であるから、
$$ |\omega-(1+i)|=\sqrt{2} $$
が成り立つ。これに $\omega=\dfrac{1+i}{u}$ を代入すると、
$$ \left|\frac{1+i}{u}-(1+i)\right|=\sqrt{2} $$
となる。左辺を整理すると、
$$ \left|(1+i)\left(\frac{1-u}{u}\right)\right| =|1+i|\frac{|1-u|}{|u|} =\sqrt{2}\frac{|1-u|}{|u|} $$
であるから、
$$ \sqrt{2}\frac{|1-u|}{|u|}=\sqrt{2} $$
となる。よって
$$ |1-u|=|u| $$
である。
両辺を2乗すると、
$$ (1-u)(1-\bar u)=u\bar u $$
である。展開して整理すると、
$$ 1-u-\bar u+u\bar u=u\bar u $$
より
$$ u+\bar u=1 $$
を得る。
(1)より、$u$ の実部は
$$ \frac{1}{2}(u+\bar u)=\frac{1}{2} $$
である。したがって
$$ \frac{1+i}{\omega} $$
の実部は
$$ \frac{1}{2} $$
である。
(4)
条件より、
$$ 2(1+i)z $$
の実部が $1$ である。したがって
$$ (1+i)z $$
の実部は
$$ \frac{1}{2} $$
である。
ここで
$$ u=(1+i)z $$
とおく。すると
$$ \operatorname{Re}u=\frac{1}{2} $$
であるから、(1)より
$$ u+\bar u=1 $$
が成り立つ。
このとき
$$ |1-u|^2=(1-u)(1-\bar u) =1-u-\bar u+u\bar u $$
である。$u+\bar u=1$ を代入すると、
$$ |1-u|^2=u\bar u=|u|^2 $$
となる。よって
$$ |1-u|=|u| $$
である。
また、条件より $z\neq 0$ である。実際、$z=0$ なら $2(1+i)z=0$ となり、実部は $1$ にならない。
したがって
$$ \left|\frac{1}{z}-(1+i)\right| = \left|\frac{1-(1+i)z}{z}\right| \frac{|1-u|}{|z|} $$
である。さらに $u=(1+i)z$ だから、
$$ |u|=|1+i||z|=\sqrt{2}|z| $$
である。よって $|1-u|=|u|$ から、
$$ \begin{aligned} \left|\frac{1}{z}-(1+i)\right| &= \frac{|u|}{|z|}\\ &= \frac{\sqrt{2}|z|}{|z|}\\ &= \sqrt{2} \end{aligned} $$
となる。
これは、$\dfrac{1}{z}$ が複素数平面において、中心 $P$、半径 $\sqrt{2}$ の円周上にあることを意味する。
解説
この問題の中心は、実部を共役で表すことと、円の条件を絶対値で表すことである。
特に、
$$ \operatorname{Re}u=\frac{1}{2} $$
という条件は
$$ u+\bar u=1 $$
と同値であり、これはさらに
$$ |1-u|=|u| $$
という距離の条件に変換できる。この関係によって、直線的な実部条件と円の条件が結びつく。
(3) と (4) は互いに対応しており、変数
$$ u=\frac{1+i}{\omega} $$
または
$$ u=(1+i)z $$
を導入することで、どちらも同じ構造に帰着される。
答え
(1)
複素数 $z$ の実部は
$$ \frac{1}{2}(z+\bar z) $$
である。
(2)
$(1+i)z$ の実部が $1$ である任意の複素数 $z$ は、ある実数 $t$ を用いて
$$ z=\frac{1-i}{2}+(1+i)t $$
と表せる。
(3)
$$ \frac{1+i}{\omega} $$
の実部は
$$ \frac{1}{2} $$
である。
(4)
条件を満たす複素数 $z$ に対して、
$$ \left|\frac{1}{z}-(1+i)\right|=\sqrt{2} $$
が成り立つ。したがって、$\dfrac{1}{z}$ は複素数平面における中心 $P$、半径 $\sqrt{2}$ の円周上にある。
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