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数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 20 解説

数学C 複素数平面(軌跡問題) 問題 20 解説

方針・初手

$t$ は実数で自由に動かせるので、$z=x+yi$ とおいて、左辺を $t$ の二次式として見る。

ある実数 $t$ が存在する条件は、その二次式の最小値が $1$ 以下になることである。

解法1

$z=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。

このとき

$$ 2z+t-it=2x+2yi+t-it=(2x+t)+i(2y-t) $$

であるから、

$$ |2z+t-it|^2=(2x+t)^2+(2y-t)^2 $$

となる。

よって、条件は

$$ (2x+t)^2+(2y-t)^2\leqq 1 $$

を満たす実数 $t$ が存在することと同値である。

ここで

$$ \begin{aligned} (2x+t)^2+(2y-t)^2 &=4x^2+4xt+t^2+4y^2-4yt+t^2 \\ &=2t^2+4(x-y)t+4x^2+4y^2 \end{aligned} $$

である。これは $t$ についての上に凸な二次式なので、最小値を調べればよい。

平方完成すると、

$$ \begin{aligned} 2t^2+4(x-y)t+4x^2+4y^2 &=2{t+(x-y)}^2+4x^2+4y^2-2(x-y)^2 \\ &=2{t-(y-x)}^2+2(x+y)^2 \end{aligned} $$

となる。

したがって、最小値は $t=y-x$ のとき

$$ 2(x+y)^2 $$

である。

よって、条件を満たす実数 $t$ が存在するための必要十分条件は

$$ 2(x+y)^2\leqq 1 $$

すなわち

$$ -\frac{1}{\sqrt2}\leqq x+y\leqq \frac{1}{\sqrt2} $$

である。

したがって、求める $z=x+yi$ の範囲は

$$ -\frac{1}{\sqrt2}\leqq x+y\leqq \frac{1}{\sqrt2} $$

で表される領域である。

これは複素数平面上では、直線

$$ x+y=\frac{1}{\sqrt2} $$

$$ x+y=-\frac{1}{\sqrt2} $$

に挟まれた帯状の領域である。境界も含む。

解法2

$2z+t-it$ のうち、$t-it=t(1-i)$ は、複素数平面上で原点を通り方向ベクトルが $1-i$ の直線上を動く点を表す。

条件

$$ |2z+t-it|\leqq 1 $$

は、点 $-2z$ から直線

$$ w=t(1-i) $$

上のある点までの距離が $1$ 以下であることを意味する。

直線 $w=t(1-i)$ は、座標平面で

$$ Y=-X $$

を表す。したがって、点 $-2z=(-2x,-2y)$ から直線 $X+Y=0$ までの距離が $1$ 以下であればよい。

点 $(-2x,-2y)$ から直線 $X+Y=0$ までの距離は

$$ \frac{|(-2x)+(-2y)|}{\sqrt{1^2+1^2}} =\frac{2|x+y|}{\sqrt2} =\sqrt2|x+y| $$

である。

よって条件は

$$ \sqrt2|x+y|\leqq 1 $$

すなわち

$$ -\frac{1}{\sqrt2}\leqq x+y\leqq \frac{1}{\sqrt2} $$

である。

解説

$t$ が存在するかどうかを問う問題では、$t$ を消去することが重要である。今回は $t$ について二次式になるので、最小値が $1$ 以下かどうかを調べればよい。

幾何的には、$t-it=t(1-i)$ が直線上を動く量であるため、点と直線の距離の問題に帰着できる。結果として、求める領域は円や半平面ではなく、2本の平行線に挟まれた帯状領域になる。

答え

$z=x+yi$ とすると、求める範囲は

$$ -\frac{1}{\sqrt2}\leqq x+y\leqq \frac{1}{\sqrt2} $$

である。

複素数平面上では、2直線

$$ x+y=\frac{1}{\sqrt2},\qquad x+y=-\frac{1}{\sqrt2} $$

に挟まれた領域であり、境界を含む。

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