数学C 空間ベクトル 問題 98 解説

方針・初手
点 $P$ の座標を $P(x,y,z)$ とおく。条件式を座標で書き、平方完成して球面の方程式に直すのが初手である。
その後、定点 $Q$ が平面 $ABC$ 上にあることを確認し、四面体 $ABCP$ の体積は「底面 $ABC$ の面積」と「点 $P$ から平面 $ABC$ までの距離」で決まることを用いる。
解法1
(1)
$P(x,y,z)$ とおくと、
$$ \overrightarrow{AP}=(x-1,y,z) $$
$$ \overrightarrow{BP}=(x,y-2,z),\qquad \overrightarrow{CP}=(x,y,z-3) $$
である。したがって、
$$ \overrightarrow{BP}+2\overrightarrow{CP} =(x,y-2,z)+2(x,y,z-3) =(3x,3y-2,3z-6) $$
となる。
条件
$$ \overrightarrow{AP}\cdot(\overrightarrow{BP}+2\overrightarrow{CP})=0 $$
は、
$$ (x-1)3x+y(3y-2)+z(3z-6)=0 $$
すなわち
$$ 3x^2-3x+3y^2-2y+3z^2-6z=0 $$
である。両辺を $3$ で割ると、
$$ x^2-x+y^2-\frac{2}{3}y+z^2-2z=0 $$
となる。平方完成すると、
$$ \left(x-\frac12\right)^2-\frac14 +\left(y-\frac13\right)^2-\frac19 +(z-1)^2-1=0 $$
であるから、
$$ \left(x-\frac12\right)^2+\left(y-\frac13\right)^2+(z-1)^2 =\frac14+\frac19+1 =\frac{49}{36} $$
となる。
よって、点 $P$ は
$$ Q\left(\frac12,\frac13,1\right) $$
を中心とする半径 $\dfrac76$ の球面上を動く。したがって、点 $P$ は定点 $Q$ から一定の距離 $\dfrac76$ にある。
(2)
3点 $A(1,0,0),B(0,2,0),C(0,0,3)$ を通る平面を求める。
この平面は各軸との切片がそれぞれ $1,2,3$ であるから、
$$ \frac{x}{1}+\frac{y}{2}+\frac{z}{3}=1 $$
すなわち
$$ 6x+3y+2z=6 $$
である。
ここで、(1) で得た
$$ Q\left(\frac12,\frac13,1\right) $$
を代入すると、
$$ 6\cdot\frac12+3\cdot\frac13+2\cdot1 =3+1+2 =6 $$
となる。よって $Q$ は平面 $ABC$ 上にある。
(3)
四面体 $ABCP$ の体積は、三角形 $ABC$ を底面とすると、
$$ V=\frac13\cdot S_{\triangle ABC}\cdot h $$
である。ここで $h$ は点 $P$ から平面 $ABC$ までの距離である。
まず、三角形 $ABC$ の面積を求める。
$$ \overrightarrow{AB}=(-1,2,0),\qquad \overrightarrow{AC}=(-1,0,3) $$
であるから、
$$ \overrightarrow{AB}\times\overrightarrow{AC} = (6,3,2) $$
となる。したがって、
$$ |\overrightarrow{AB}\times\overrightarrow{AC}| =\sqrt{6^2+3^2+2^2} =\sqrt{49} =7 $$
である。よって、
$$ S_{\triangle ABC} =\frac12|\overrightarrow{AB}\times\overrightarrow{AC}| =\frac72 $$
である。
次に、点 $P$ の動く範囲を考える。(1) より、$P$ は中心 $Q$、半径 $\dfrac76$ の球面上にある。また、(2) より、その中心 $Q$ は平面 $ABC$ 上にある。
したがって、球面上の点 $P$ から平面 $ABC$ までの距離 $h$ の最大値は、球の半径に等しく、
$$ h_{\max}=\frac76 $$
である。
ゆえに、四面体 $ABCP$ の体積の最大値は
$$ \begin{aligned} V_{\max} &= \frac13\cdot\frac72\cdot\frac76\\ &= \frac{49}{36} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の核心は、与えられた内積条件を「球面の方程式」として読み替えることである。
式
$$ \overrightarrow{AP}\cdot(\overrightarrow{BP}+2\overrightarrow{CP})=0 $$
は見た目はベクトル条件だが、座標で展開すると $x,y,z$ の二次方程式になる。平方完成すれば、点 $P$ の軌跡が球面であることが分かる。
また、四面体の体積最大を直接座標で扱おうとすると計算が重くなる。中心 $Q$ が平面 $ABC$ 上にあることから、点 $P$ と平面 $ABC$ の距離の最大値は球の半径である、と見るのが簡潔である。
答え
(1)
点 $P$ は
$$ Q\left(\frac12,\frac13,1\right) $$
を中心とする半径 $\dfrac76$ の球面上にある。したがって、点 $P$ は定点 $Q$ から一定の距離 $\dfrac76$ にある。
(2)
定点
$$ Q\left(\frac12,\frac13,1\right) $$
は、平面
$$ 6x+3y+2z=6 $$
上にある。よって $Q$ は3点 $A,B,C$ を通る平面上にある。
(3)
四面体 $ABCP$ の体積の最大値は
$$ \frac{49}{36} $$
である。
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





